chelmico、コール&レスポンスも完璧! 熱狂的な歓迎受けた初の台湾ライブ
chelmicoがついに海外へ進出。11月22日、台湾・台北のライブハウス、THE WALL LIVE HOUSEで初の海外公演を開催した。THE WALL LIVE HOUSEは、台湾のアーティストが共生するアートビレッジ「宝蔵巌国際芸術村」のすぐ近く、老舗の映画館・ブロードウェイ・シネマズ(百老匯影城)の地下へと螺旋階段を降りた先にあるキャパおよそ600人規模のライブハウスである。台湾の国民的シンガー伍佰(ウー・バイ)や、インディーズロックバンド蘇打綠(ソーダグリーン)などがかつて拠点にし、日本からもACIDMANやORANGE RANGE、ユアネスらがライブを行ってきた場所としても有名だ。
「台湾に住んでいる方たちからは、以前からSNSにリプライやメッセージをいただくことが多くて。『(向こうにファンが)いるんだろうな』と思っていたし、実際にこの目で確かめられることが感激です。ワンマンと、あとフェスにも出演するので定番の曲をたくさんやって、多くの人たちに広まればいいなと思っています」(※1)
前回リアルサウンドのインタビューでMamikoがそう話していたように、この日のライブはchelmicoの定番曲・代表曲はもちろん、この1年の間にリリースしてきたEP収録曲や最新曲を散りばめた、まさに「現在進行形のchelmico」をお披露目するショーケース的な内容となった。
ヤシの木やトロピカルなネオンサインが飾られたステージは、日本で今秋行われた『ati natu tour(zansyo)』の世界観をそのまま台北に持ち込んだよう。まずはメジャー1stアルバム『POWER』(2018年)から、「Player」でこの日のライブはスタート。サビで一斉にタオルを回すのがお約束の曲だが、台湾のオーディエンスはタオルこそ用意していなかったものの、頭上にかざした手をぶんぶん回しながら、嬉しそうに飛び跳ねている。
間髪入れず、クールなベースラインが鳴り響く。スリリングな高速ラップと、ピースフルでトロピカルなサビメロのコントラストが魅力の「Highlight」では、MamikoとRachelの掛け合い高速ラップにあちこちから歓声が飛ぶ。続く「Disco (Bad dance doesn't matter)」は、キャッチーなサビのメロディを2人がハモる心地よいグルーヴチューン。リリックの〈DJ良いね〉に合わせ、パーシーことTOSHIKI HAYASHI (%C)がキメのポーズを取ると、そこでも大きな歓声が湧き上がった。
そんな台湾のオーディエンスによる熱狂的な歓迎ぶりに、「すごい! ありがとう! 私たち、スーパースターなんじゃない?」とRachelが興奮気味に叫び、「We Are Superstar! chelmico in Taipei, thank you」とMamikoがスーパースター風に挨拶をすると、大きな笑いと歓声が同時に上がった。
「今日はみんなといっぱい踊りたいので、ついてきてくれるかな」とRachelが呼びかけ、披露したのは「LIGHT UP」。神奈川県・横浜の40以上のスポットで繰り広げられるイルミネーションイベント『夜の横浜イルミネーション2024-25』とのコラボ企画により書き下ろされた楽曲だ。力強いキックが鳴り響くハウスビートに乗せ、横浜中華街を描写した〈熱々ショーロンポー食べる〉というリリックが飛び出しフロアから歓喜の声が。さらに〈Light up Light up……〉と延々に繰り返すエンディングでは、それに合わせて体を揺らしながら陶酔感に包まれていくオーディエンスの姿が印象的だった。
忙しすぎる毎日を自虐的に歌う「ISOGA♡PEACH」では、オーディエンスが両手をかざして「桃」をかたちづくり、その様子に思わず「可愛い!」と叫ぶ2人。〈週3勤務で週4休み そしたらみんなで大団円〉という歌詞を、〈そしたら台北で大団円!〉と替えてRachelがシャウトすると、会場は再び熱気に包まれた。
中盤は、chelmicoのレパートリーの中でも屈指のポップチューン「switch」と「OK, Cheers!」を続けて披露。「OK, Cheers!」の間奏では、踊りながら裏打ちのフィンガースナップを全員で鳴らし、「みんな、可愛い! ちゃんと(フィンガースナップが)聞こえてるよ」とそれに笑顔で応えるRachel。最後は全員で「OK, Cheers!」と叫び、初めてchelmicoのライブを生で目撃したオーディエンスがほとんどだとは思えぬほど、ぴったり息の合った様子にMamikoも思わず「ジーニアス!」と叫んだ。
「今から私たち踊るけど、みんな恥ずかしかったら踊らなくてもいいよ……でも踊ろうか!」とMamikoが英語でユーモラスに煽り、エロティックなリリックが印象的な「Watermelon」を全員でダンス。そこから下ネタをふんだんに散りばめたドープなサウンドの「BANANA」へとなだれ込み、フロアのボルテージは高まる一方だ。