MISAMO、アルバムに込めた“自分を認める大切さ” 10年後の未来を語る
TWICEの日本人メンバー MINA、SANA、MOMOからなるユニット MISAMOが、2ndミニアルバム『HAUTE COUTURE』を11月6日にリリースした。安室奈美恵のカバー曲「NEW LOOK」や初の海外MV撮影となった「Identity」、こちらも初となるソロ楽曲など、3人のこだわりが詰まった充実の内容となっている。
そこでリアルサウンドでは、MISAMOへインタビュー。アルバムに込めた想いやそれぞれが考えるアイデンティティ、3人共通の憧れだという安室奈美恵へのリスペクト、そして10年後の未来についてまで幅広く語ってくれた。(編集部)
“最後の紅白”に立ち会った憧れの存在、安室奈美恵への想い
ーーまずは、アルバムタイトル『HAUTE COUTURE』にどんな意味が込められているのかを教えてください。
SANA:HAUTE COUTUREは、オーダーメイドで作られた一点物の最高級仕立服のことです。私たちのアルバムも、楽曲はもちろん、ジャケット撮影から衣装、デザイン、MVや音源のバージョンまで、たくさんのミーティングを重ねて、私たちに似合うこの世にひとつしかない“オーダーメイド”で制作しました。オートクチュールの服のように、MISAMOのこだわりが詰まったアルバムになってます。
ーーリード曲の「Identity」には、どんなこだわりがありましたか。
MINA:リード曲の「Identity」は、特にMVにこだわりました。曲の世界観、衣装に合う場所を監督さんとも話し合って、MISAMOとして初となる海外……、スペインでロケを行いました。私たちも初めて行ったのですが、すごく素敵なところでしたね。
MOMO:ファッションにも注目してもらいたくて、MVでは今まで着たことのないタイプの衣装を選んでみました。個人的には、赤の衣装がお気に入りです。
ーー「Identity」は自己を肯定することの大切さを歌っていますが、ご自身のなかにあるアイデンティティや、誇れる部分はどんなところでしょうか。
MOMO:自分らしさを忘れないこと……でしょうか。常に、自然な自分でいることを大事にしています。どんな場面でも着飾らずに、自然体でいるのが私です。
SANA:「Identity」がリード曲になってからよく聞かれるのですが、いつも「難しい質問だな」と思うんです。だからまだ、模索中なのかもしれませんね。「Identity」は、「自分って何だろう」ということに、もういちど向き合うきっかけになった曲です。
MINA:わかる! 私も聞かれるたびに「アイデンティティって何だろう?」と思う。でも誇れる部分ということだったら、私は、集中力かな。
SANA:確かに!
MINA:没頭しすぎて、一人ぼっちの時間になるときもあるけれど、私的にはすごく誇れる部分じゃないかと思っています。
MOMO:MINAちゃんの集中力は、凄いんですよ。リハのときも、いちばん集中力が続いているし。それに私とSANAちゃんは、長い話をしている途中でいくつも話題が出てくると本題を忘れてしまって、いつもみーたん(MINA)に「何やったっけ?」と聞き直すことも多いんです(笑)。
SANA:みーたんは集中しているから全部把握していて、「これはこうでね」と教えてくれます。しかも説明上手なんです。
MINA:私が思ってたのは、そんなカッコいいことじゃなかったんだけれど(笑)。私の集中力は、趣味のレゴ®やパズルを8時間も9時間もやることかなって……。
MOMO:うん、やってるね(笑)。
ーーちなみに、最近は何を作っているんですか。
MINA:今は時間がなくてなかなかできないのですが、作っていないレゴをふたつキープしています。どちらも車で、作るのに2日くらいかかるかな。作り始めると食事も30分ですませて、ずっと作っています(笑)。
ーーさすがの集中力ですね(笑)。さて、アルバムから最初に公開されたのは、サブリード曲「NEW LOOK」でした。安室奈美恵さんの楽曲のカバーであるこの曲でこだわったのは、どんなところでしょう。
SANA:安室奈美恵さんの原曲のイメージのままいくのか、それとも私たちが表現できるものをミックスしながらカバーする方がいいのかはすごく話し合いましたね。
ーーある世代にとって安室奈美恵さんは青春の思い出なので、カバーするにもプレッシャーがあったのではないでしょうか。
MINA:世のなかを変える力のある偉大な存在であり、語り継がれる伝説ですからね。ずっと皆さんの心に残っている曲だし、プレッシャーはありました。
SANA:だからこそ、「リスペクトを持ってやりたい」という気持ちが大きかったんです。
ーーMISAMOが安室奈美恵さんの曲をカバーするとは想像もしていなかったので、公開されたときは驚きました。あらためて、MISAMOにとって安室奈美恵さんがどういう存在なのかを聞かせてください。2017年にTWICEとして『第68回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に初出場したとき、安室奈美恵さんと共演されていますよね。
SANA:そうなんです! 『紅白』に出場できることだけでも光栄なのに、安室さんの最後のステージとなる『紅白』という素晴らしい場所でご一緒することができたんです! 安室さんの出番のときは、TWICE全員で廊下にあるモニターでパフォーマンスを観させていただきました。
MOMO:大勢のアーティストさんがモニターの前に集まって、拍手されていて。忘れられない空間でした。私は小学3~4年生ごろから安室さんが大好きで、憧れて、ダンスやファッションも真似していたくらい。だから共演させていただけて、すごく嬉しかったですね。
SANA:でも、複雑な気持ちでもありました。私の母にとって安室さんはアイコニックな存在で、私も母の影響で安室さんを幼い頃からずっと見てきました。憧れの方と同じ番組に出場することができたのに、「今日が最後の共演か」って……。
ファンやメンバーの言葉から“自分”を知ることも
ーー「アムラー」という流行語が生まれたように、多くの女性たちが安室さんに憧れました。MISAMOも現代の女の子たちの憧れの対象ですが、MISAMOから現代の女の子たちに伝えたいことはどんなことでしょう。
SANA:一人ひとりが自分にしかない魅力を持っています。だから、自分の魅力を強みに生きていってほしいですね。
MOMO:うん、まわりがなんと言おうと気にせずに、自分自身を信じて進んでいってほしい。まわりに左右されるとしんどいから、自分の長所を見つけて前を向くのがいちばんです。
MINA:自分のことを認めてあげるってすごく大事ですよね。そのためにも、「自分はこういう人なんだ」と自分を理解したい。他の方が言ってくださる言葉が、そのヒントになるんじゃないかな?
ーー皆さんの場合、どんな言葉がヒントになりましたか?
MOMO:私たちはやはり、ファンの皆さんの言葉ですね。「モモりんのここいいね」と言われて「自分ってこれがいいんや」と気づかされることが多いので、すごくありがたいです。
SANA:自分ではコンプレックスだと思ってたことを「いい」と言ってもらって、「あ、これでいいんだ」と思えたことも、本当に多いんですよ。
ーー素敵な関係ですね。今回、『HAUTE COUTURE』初回限定メンバーソロジャケット盤/ONCE JAPAN限定盤には、MISAMO初のソロ曲が収録されています。それぞれレコーディングのときに意識したことや、聴きどころを教えてください。
MINA:私のソロ曲「Misty」は、自分の声のトーンに合っているから選んだ曲です。だからいろいろな声のトーンを作るというより、自分本来のトーンを出すことに注力しました。1曲をひとりでレコーディングする経験が今までなかったので、体力やコンディションを保つのがすごく難しかったですね。私は1日で終わらなくて、2日かけてレコーディングしました。
MOMO:「Misty」は、曲のすべてがみーたんって感じ(笑)。すごく合っていると思います。
ーーMOMOさんの「Money In My Pocket」も、ラップがカッコよくて、めちゃめちゃMOMOさんらしい曲ですよね。
MOMO:そうですね。何曲か候補があったなかで、「あ、これ自分の曲や!」と一瞬で決めました。でも、ほとんどの歌詞が英語のラップ曲なので、言葉が多いし発音が難しくて、すごく大変でした。
ーーどんな練習をして臨んだのですか。
MOMO:早すぎて歌えないから、まず曲をゆっくりにして、ゆっくり歌う。そうやって覚えました。レコーディング本番でも発音で引っかかっては、「はーーーー(ため息)」となっていましたね(笑)。
SANA:「Money In My Pocket」はパフォーマンスと一緒に観たら、「MOMOちゃんの曲だな」と思えますよ。MOMOちゃんの強みをしっかり活かせている曲です。
MINA:うん、本当にパワフルで、モモりんが「Money In My Pocket」で踊っているところを「観たい!」と思いました。
ーーSANAさんの「Mirage」には、大人の魅力が凝縮されていますね。
SANA:私もソロ候補曲に、この「Mirage」とバラード曲があったんです。「歌いたい」となるとバラード曲だったのですが、ステージで「お見せしたい」となると「Mirage」で。せっかくのソロだから、ステージを基準に選びました。でも、キーが高くて大変でした。
MINA:「Mirage」の魅惑的な雰囲気が、大人になった今のSANAちゃんにピッタリですよね。私も大好きで、普段からけっこう口ずさんでいます。
MOMO:サーたん(SANA)は昔から魔法使いの映画が好きなんです。「Mirage」の途中に魔法使いみたいな音が入っているから、この曲を選んだんかなって思った(笑)。私的には、そこがすごくサーたんっぽい!
SANA:それには気づかんかった(笑)。でも、無意識であったかもしれない。