L'Arc~en~Ciel、ZAZEN BOYS、UNISON SQUARE GARDEN、BUCK-TICK……個性光るコンセプチュアルなライブ構成
こうしたユニークなライブ構成は、振り返ればオンラインライブの時期にすでに台頭しつつあった。BUCK-TICKが2021年に行った無観客ライブ『魅世物小屋が暮れてから~SHOW AFTER DARK~』は2部構成で、魅世物小屋のような会場に合わせた雰囲気の楽曲で構成されたライブだった。第1部ではアコースティックセット、第2部ではバンドセットと、表現手法も切り替えて配信ならではのアングルで魅せたこのライブ。MCもなく、洗練されたコンセプトを通してみせたのだ。
くるりもまた、2021年にオンラインの無観客配信にて2部構成のライブを実施。『京都音楽博覧会2021』として、くるり結成の地である立命館大学を舞台にライブが敢行された。第1部は『「天才の愛」LIVE at 以学館』と銘打ち、当時の最新アルバム『天才の愛』を総勢15名で完全再現。第2部は『QURULI LIVE at 学生会館』では最大5人編成によって初期曲を多く演奏した。流動的な編成が持ち味のくるりだからこそできる、バリエーション豊かな2部構成ライブだった。
この秋、注目のコンセプトライブは11月4日に横浜BUNTAIで開催されるBRAHMANの『六梵全書 Six full albums of all songs』だろう。このライブは、彼らがこれまでに発表した6枚のフルアルバムに収録されている全72曲を披露するという衝撃的な内容。実に“4時間”に及ぶライブとのことだ。ただでさえ強烈な熱量を誇るBRAHMANゆえにどのようなライブになるのか、検討もつかない。
コンセプトを立て、内容を分割することで、通常のライブとは異なる流れやうねりを生むことができるのがこうしたライブの強みだ。幕間に高まる次なる展開への期待感を煽ることもできる。これからもどんなコンセプトライブが音楽シーンに生まれていくのか、楽しみでならない。
※1:https://mukaishutoku.com/main.html
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