谷村新司、チバユウスケ、hide、REITA、PANTA……追悼ライブの意義、語り継がれるアーティストたちの遺産

 今年4月にベーシスト・REITAが逝去したthe GazettEは、メンバーの逝去から1カ月半というスピードで追悼公演を開催。他でもないバンドメンバーがまだ踏ん切りもつかない(もしくは踏ん切りなんて一生つかないのかもしれないが)中でライブ開催に踏み切った姿には、ファンを、そして亡くなったREITAを安心させたいという願いを感じる。このタイミングで活動を止めないことはREITAへの最大の追悼であり、the GazettEというバンドが永遠に続くために必要なことだったのではないだろうか。

 過激なパフォーマンスと挑戦的な歌詞により、半世紀にわたり日本の音楽シーンに影響を及ぼし続けてきた頭脳警察。その中心的な存在であったPANTA(Vo/Gt)は2023年7月に逝去。亡くなる数カ月前までライブ活動を続けていた、どこまでも音楽への情熱がギラギラと燃え滾る「ROCK屋」であった。そんなPANTAの一周忌を偲び、頭脳警察55周年を祝う『七夕忌 PANTA一周忌&頭脳警察55周年記念ライブ』が今年7月8日に開催。生前PANTAと親交のあったアーティストやPANTAにリスペクトを寄せるアーティスト、さらには俳優の高嶋政宏や渡辺えりといったジャンルを超えた出演者が集って開催され、頭脳警察の活動の長さを感じさせる追悼公演となった。

 どの追悼公演も生前のアーティストに思いを寄せつつ、それぞれの弔いの形が作られていることがわかるだろうか。決して楽しいだけのライブにはならない追悼公演だからこそ感じられる、出演アーティストの信念やリスペクトはもちろん、逝去したアーティストが音楽シーンに遺したものがこうした追悼の形を作り出している。逝去したアーティストを偲ぶことはもちろん、アーティストが遺した音楽やメッセージを次世代に継承することにこそ、追悼公演の意義はあるのだ。

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