内田雄馬 VS 内田真礼、“歌”でぶつかり合う本気の競演 オーイシマサヨシも駆けつけた姉弟対バン

 バンドメンバーが入れ替わって攻守交代となり、雄馬のターンは「Horizon」で口火が切られる。その後も“内田雄馬印”と言っていい、疾走するポップロックとエッジィなダンスナンバーの二本柱を中心に清涼感あふれるクリーミーなマイルドボイスを伸びやかに響かせてフロアを熱狂させていく。ダンサーチームを従えてのシャープなダンスパフォーマンスや「Hope」などでの側転、「Over」でのマイクスタンド蹴り、さらに「スタートライン」における反復横跳びやニーアップなども惜しみなく披露。「初めての対バンライブを開催するにあたって、姉さん相手ですからどういうライブにしたらいいのかなと思ってたんですけど……僕はとりあえず右往左往することかなと」という本公演への心構えを余すところなく体現してみせたのだ。

 中盤では姉の代表曲「創傷イノセンス」のカバーも飛び出し、場内にはこの日最大とも言える驚喜の絶叫が轟いた。そして撮影OKコーナーで「ものたんない」を披露して会場を一体にしたのち、告知のMCを行い、対バン企画第2弾『VS YUMA 002』の開催が発表される。公開された映像からその相手が岡崎体育であることが明かされると、会場は大きなどよめきと万雷の拍手に包まれた。岡崎との面識はまだないという雄馬だが、「どんなライブになるんだろう。本当に楽しみです!」と声を弾ませる。その発表の興奮も冷めやらぬままに雄馬パートはラストスパートへ突入し、「SHAKE!SHAKE!SHAKE!」「Congrats!!」でさわやかに締めくくられた。

 盛大な「ウチダ! ウチダ!」コールに導かれ、内田姉弟と雄馬バンドが再びステージへ。まず披露されたのは、10月にCDリリースを控える内田真礼×内田雄馬名義のコラボシングル『Carnival/BIG LOVE』より「Carnival」。ラテンビートをベースにした文字通りお祭りムード満点の楽曲でフロアを踊り狂わせたのち、この日最初のふたりでのMCタイムへと突入した。

 「こうして姉弟2人でライブをする日が来るとは思ってもみませんでした」と感慨深げに語る雄馬に対し、真礼は互いの音楽性について「方向性の違いも見えたし、重なるところもあれば全然違うところもあって。でも、姉弟だからこそそれもいいなって……仲いいからか(笑)」と分析。さらに前日の初日公演に祖母らが来ていたというエピソードなど、実の家族ならではのハートウォーミングなトークが繰り広げられた。

 そんななか、雄馬がおもむろに「もう1曲あるんでね、やりたいと思います」と切り出し、真礼バンドおよび両者のダンサーチームが呼び込まれる。すなわちツインドラム、ツインベース、ツインギター、ツインキーボード+パーカッションというあまりお目にかかれないバンド編成が実現し、ダンサー陣も総勢8名という大所帯に。ふたりは「親戚の集まりみたいでしょ?(笑)」「多いなあ……」といった軽口も挟みつつ、雄馬の「ここで1曲やる前に、なんとスーパースペシャルゲストが来ています!」との言葉に客席がにわかに色めき立つ。すると『Carnival/BIG LOVE』のもうひとつの収録曲「BIG LOVE」の作曲を手がけたオーイシマサヨシ(作曲クレジットは「大石昌良」)がサプライズゲストとして呼び込まれ、ホールを揺るがすほどの大歓声がこれを迎えた。

内田真礼/内田雄馬/オーイシマサヨシ

 そしてオーイシが「僕はね、内田家が大好きなんです。大好きな気持ちがあふれて曲を作ってしまいました」と語るソウルテイストのパーティチューン「BIG LOVE」が華々しく演奏され、内田姉弟による盤石のツインボーカルにオーイシのハイトーンコーラスが加わったゴージャスなパフォーマンスでオーディエンスを魅了。タイトル通り大きな愛が会場全体の空気を支配していった。歌い終えた彼らは清々しい表情で「またこうしてライブしてもいいかもしれないですね」「そうだね。曲も作りましたし、これ1回きりというのももったいないから」と再共演を示唆してフロアを沸かせたのち、仲むつまじくステージをあとにした。

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