菊池風磨、田中樹とのトークに見えた『タイプロ』への覚悟と真摯さ オーディション番組の怖さを吐露する一幕も

 timeleszの菊池風磨が、9月14日放送のラジオ『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)に急遽ゲスト出演した。MCを務めるSixTONESの田中樹とは13歳のころから約16年の付き合いということもあり、この日出演予定だった京本大我の代打にと直接電話をして出演交渉したそう。菊池が「樹のためだったら、出るよ」と即答し、変わらぬ友情を確かめる展開となった。

仲間探しオーディションの裏側に密着!『timelesz Behind The Audition』公開!

 幼なじみノリ全開の思い出トークから、初出しの愛車トーク、そして大真面目な仕事の話まで語られた生放送の90分。ラストには菊池が「ネットの記者、誰も聞いてるな!」と締めくくるほどに大盛り上がりな時間となったが、なかでも熱がこもっていたのは9月13日より配信がスタートしたtimeleszの新メンバーオーディション『timelesz project -AUDITION-』(Netflix/以下、『タイプロ』)についての話題だ。

 「今だいぶオーディションがバズってるじゃない。それはちょっと話を聞いておきたいわけよ」と切り出した田中。「ありがたいです、どんな形であれ。たしかに配信開始されてからは初めてかも、生の声は」と改まった菊池に、すかさず田中が「なんか“覚えてないとダメか”みたいな。お前言ってたよな」と、ネットで話題の“菊池風磨構文”をイジるのも2人の関係性ならではだ。

 菊池風磨構文とは、『タイプロ』の予告動画内で歌詞を飛ばしてしまった候補生に菊池が「歌詞忘れてるようじゃ無理か。歌詞はね、入れとかないと」と物腰柔らかくもビシッと諭していたシーンが切り抜かれていたことから生まれたもの。Netflixで配信が始まると、その前後のやりとりが公開され、改めて菊池のクレバーな対応に注目が集まった。「変な感じになっちゃったよな、あれもな」と苦笑いを浮かべた菊池。だが、以前にもバラエティ番組でドッキリに仕掛けられた際に「許せない!」と吠えたことでも人気を獲得したように、菊池の頭の回転の速さからとっさに出た言葉が多くの視聴者の記憶に残る名言となっていくのも、彼の持つスター性と言えるだろう。

 同時に、そんな頭のキレる菊池だからこそ感じているオーディション番組の怖さを吐露する一幕も。「言葉ひとつとってもいろんな意味に捉えられたりもするなとか、結構自分たちを見直す機会にもなる」と語った。そして、まだ芸能界経験のない候補生たちが多くの視聴者の目に晒されることへの配慮も欠かさない。「オーディション受けに来た子たちが良く言われるのはいいけど、悪く言われるのも嫌だから。そこは避けたいなと思ってる。“マジか……”みたいなことを言い出す候補生もいるけど、でも言ってもずっと一般でやってきた子たちだから。同じ土俵でやいのやいの言うのもオツじゃない。そこが火種になっちゃうのは嫌だなと思って。だから温かい目で見てほしいなと。とにかく楽しんでほしいなって観てもらう人にも、候補生にも」と心境を語るのだった。

 「楽しんで」とはいえ『タイプロ』は、やはり気軽にエンターテインメントとして消費されるような軽い内容ではない。田中からは「全員マジな目なのがいいよね」と言われると、菊池は「とんでもない顔してるよね」とアイドルとして見せてこなかった一面をさらけ出している点について言及。しかし、それだけ自分たちにとっても大きなリスクを取ることになる決断をせずには、グループとしての新たな歩みを進めることは難しかったのだとも。

 新メンバーを入れること。そしてその経緯を見せていくためにオーディションを番組化しようというのを菊池自らプレゼンしたことで、このプロジェクトがスタートしたという。「じゃなきゃ、俺らはもうグループとして活動はしてなかったと思う。個人の活動もそれぞれ見出だせてきているタイミングだったから。5人から4人になっちゃって。そこでも“もう一踏ん張り”と思ったけど、3人になったときやっぱりどっかで“もう、このままだと……”っていうのは正直あって。だから俺らが俺らと向き合うためのひとつのきっかけだった」と続けた。

 『タイプロ』本編でも菊池が話していたが、このオーディションは候補生の人生を、そしてtimeleszのこれからを変える大きなきっかけではあるが、大前提として「応援してくださるみなさまをガッカリさせたくない。裏切りたくない」というファンへの想いがあった。だからこそ、そのストーリーをファンに見せないことには、誰もついてこれなくなってしまうという危機感もあったそうだ。アイドルには、自分を表現したいという野心やそれを叶えるためのスキルがもちろん必要だ。だが、観てくれる人たちを想うことができてこそ、披露する場が生まれるということ。ファンを想うマインドこそがアイドルになる上で最も大切なものなのだと、菊池の真摯な語り口から感じられた。

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