GANG PARADE、メンバー&MEG(MEGMETAL)対談! 10年目の新境地「Peace☆超パニック」はキュートでラウドな変化球

 収録されている全曲が独特な魅力を輝かせている両A面シングル『Peace☆超パニック / 一夏』。「Peace☆超パニック」はラブリー&キュート全開で幕開けるが、すぐにアグレッシブなラウドサウンドへと転じる。シャウト、スクリーム、デスボイスも交えた怒涛の展開がものすごい一曲だ。プロデュースを手がけたのは、BABYMETAL「DA DA DANCE (feat. Tak Matsumoto)」、BiSH「サヨナラサラバ」など、数多くのアーティストに楽曲提供をしているMEG(MEGMETAL)。制作エピソードから楽曲のポイントについてまで、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソン、キラ・メイ、ナルハワールド、アイナスター、そしてMEGに語り合ってもらった。(田中大)

「Peace☆超パニック」はラブリーでハードな“裏切り”連発

GANG PARADE「Peace☆超パニック」Music Video

――楽曲を制作するにあたって、どのようなリクエストがありました?

MEG(MEGMETAL/以下、MEG):「キラキラしたバラエティに富んだ曲」というテーマをいただいていました。「キラキラしたパートはとことんキラキラで、激しいパートはとことん行っちゃってください!」というような(笑)。それをそのまま自由に楽しくやらせていただいた感じですね。GANG PARADEはユニットの曲も含めて幅広いですから、いろいろなことができるグループだという印象がもともとあったんです。それを自分の曲でやってもらったらどんな感じになるのか、楽しみにしていました。

――12人それぞれの歌の個性を活かすのも新鮮な試みだったのでは?

MEG:はい。レコーディングの時に歌のディレクションもさせていただいたんですけど、その時も一人ひとりの個性を感じました。それぞれのよさがあったので、そういう点で難しさもありましたね。「みんな使いたい!」と思ってしまうくらいだったので。

MEG(MEGMETAL)

ユイ・ガ・ドクソン(以下、ドクソン):「Peace☆超パニック」、すごく楽しい曲です。私が大好きなのは、〈ウォータープルーフ加工の新作ファンデーション〉というところなんですけど。

ココ・パーティン・ココ(以下、ココ):そこ、私も大好き!

ドクソン:めっちゃ言いたくなるよね(笑)。私にとって初めてデスボイスで歌った曲なのも嬉しいです。(デスボイスは)レコーディングの時に教えていただきました。

MEG:コツを掴むのが早かったですよね?

ドクソン:本当ですか? ちゃんとできていたのかわからないんですけど……。

MEG:たとえば、シャウトも独特の声の出し方、当て方みたいなものがあるんです。「こういうイメージでやってみて」と言ったら、すんなりできていましたよ。録っているうちにどんどんデスボイスがよくなっていました。

ココ:MEGさんはBiSHの「サヨナラサラバ」のイメージがあったので、私はかっこいい系の曲になるのかなと思っていたんです。でも、この曲はめっちゃかわいいところもあるんですよね。ギャンパレっぽさもすごくあるし、デスボイスを使うかっこよさもあるし、一曲の中に凝縮されている二面性がものすごい曲です。

――ギャンパレにとっても新境地ですよね?

ココ:はい。デスボイスを使った楽曲は過去にもあったんですけど、ここまでたくさんデスボイスを使う曲は今までになかったです。私もデスボイスの担当だったので、すごく新鮮さを感じました。レコーディングも楽しかったので、早くライブで歌いたいです。

アイナスター(以下、ナス):ギャンパレの曲はキャリアを通して160 曲くらいあって、かっこいい曲もかわいい曲もあるということを私たち自身も売りにしているんです。でも、一曲のなかでこれだけいろいろな面を見せられるのはなかったと思います。この曲を聴くだけでもギャンパレがどういうグループなのかわかるのかもしれないですね。

ナルハワールド(以下、ナルハ):初めて聴いた時から、頭から離れなくなりました。〈Peace☆超パニック〉とか、すごく印象に残るんですよね。気づいたら口ずさんじゃう感じです。

――デスボイスのところを街中でふと口ずさむことはあるんですか?

ドクソン:まさか担当以外のところを!?

ナルハ:そこは口ずさんでないです(笑)。

キラ・メイ(以下、メイ):(笑)この曲、ライブでやったら絶対に楽しいでしょうね。デスボ組とかわいい組で分かれると聞いた時、「私はデスボ側だろうな」と思っていたんですけど、予想通りデスボ組でした。メンバーそれぞれの個性が出ているデスボでもあるので、じっくり聴いていただけると面白いと思います。

――デスボ組、かわいい組の2チーム制なんですね。

ココ:はい。はっきりと分かれています。6対6?

メイ:そう!

――デスボ組のメンバーは?

ココ:ここにいるナルハ以外の4人(ココ、ドクソン、メイ、ナス)は、デスボ組です。

メイ:あとユア(ユメノユア)、月ノ(月ノウサギ)ですね。

――月ノさんもデスボ組なんですね。

メイ:そうなんです。月ノは他の曲でもデスボで歌うことが結構あるんですよ。

ナス:「限界少女」というデスボのユニット曲を歌った4人のメンバーは、そのまま今回もデスボ組になっています。

――ナルハさんはイメージ通りかわいい組?

ナルハ:はい。今ここにいるメンバーで、私だけかわいいチームです。

――ナルハさんがデスボ担当になったら、それはそれで面白かったかも。

ドクソン:たしかに。

ナス:デスボ、できると思いますよ。

ナルハ:(笑)。

――オーディションはあったんですか?

メイ:オーディションはなくて、できそうな人がそれぞれの組になっていました。でも、今まわっているツアー(『FANCLUB TOUR ASOVIVA』/取材は7月末に実施)で、全員デスボができることが判明したんですよ!

ドクソン:MCの時に「デスボイスで自己紹介する」というのをやったんです。

ココ:やってみたら意外とみんな上手くて。ミキ(ヤママチミキ)も上手かったですし。

ナス:ナルハも結構上手かったです。

ドクソン:ナルハがデスボイスで自己紹介した時の歓声がすごかったですね。ギャップがあったからだと思います(笑)。

ココ:ベビ(チャンベイビー)も上手でした。

ドクソン:ベビは、やりたがってたから(笑)。

MEG:今後、チームのメンバーの総入れ替えをしても面白いかもね。

ドクソン:メンバーを入れ替えた「Peace☆超パニック」の裏バージョンとか?

ココ:面白そう(笑)!

――全員デスボが上手いということは、ギャンパレはラウドグループとしての素養もあるということでしょうか?

MEG:たしかに、そうですね(笑)。メンバー全員の飲み込みが早かったので、ラウドグループとしてのポテンシャルも十分あると思いますよ。

新たな挑戦=デスボイスへの探究心

――「Peace☆超パニック」を初めて聴く人の反応が楽しみですね。かわいらしさ全開で始まりますし、衣装のピンク色のイメージもあって「今回はかわいい路線なんだ」と思うでしょうけど、デスボで奈落の底に突き落とされることになりますから。

MEG:落差のある展開を狙っていました。「かわいい感じの新曲なんだな」となった直後に大どんでん返しがやってくるものにしたかったんです。

ココ:「Peace☆超パニック」というタイトルも、王道のアイドルのかわいい曲っぽいですから。

ナス:デスボでここまで歌ったことが今までになかったから、どうやって練習したらいいのか最初はわからなかったよね?

メイ:うん(笑)。

ナス:デスボにもいろいろな種類があることをレコーディングの時に知りました。MEGさんも「今は高めのデスボだったから、ちょっと低めの声でやってみて」と言ってくださったりして、たくさん挑戦させていただいたんです。新しい挑戦ができて楽しかったです。

――レコーディング後もライブに備えて個々でデスボの練習に励んでいるんですか?

ドクソン:はい。ネットでいろいろ調べました。「デスボイス 出し方」「デスボイス 種類」「デスボイス 喉を痛めずに出す方法」とか。

――たしかに、喉を痛めずに出す方法は知りたいですよね。MEGさんはバンドのARTEMA時代にライブが何日も続いたことがあったと思いますが、喉に負担のかからないデスボのコツはあるんですか?

MEG:それはもう慣れですね。僕もやり始めの頃は、毎回喉が痛かったです。でも、慣れてくると喉が痛くならずに出せるようになりました。

ドクソン:喉の筋肉が鍛えられるんですか?

MEG:それもあると思うけど、力が抜けてくるんだと思う。

ココ:たしかに、力を抜いても結構デスボは出せるので。最初はそういうのが全然わからなかった。

――息を吸い込んで出す歌唱法もありますよね?

MEG:あります。吸いのほうが意外と喉の負担があるかも。

ドクソン:吸い?

MEG:デスボの出し方には吐きと吸いのふたつがあるんですよ。

ココ:新しい用語を知りました(笑)。

――マイクへの声の当て方も大事ですよね?

MEG:そうなんです。僕もアーティスト時代に悩みました。シャウト、デスボ、ラップもそうだと思うんですけど、マイクを手で覆って被せるように歌ったほうがやりやすいんです。

ココ:声がこもった状態で歌えますからね。

MEG:でも、クリーンの歌の時は(マイクに手を)被せないじゃないですか? 被せて歌うと音量が大きくなるから、PAさんにそっちの音量で合わせられちゃうと、クリーンの声の時にめっちゃしょぼく聴こえちゃうんです。そのバランスをとるのが難しいんですよね。

ココ:なるほど! 勉強になります。

MEG:だから、被せて歌う時に声量を出さないようにできればいちばんいいんだと思います。

ココ:今回っているツアーはロック系の曲をたくさん歌っているんですけど、本編終わりには、みんな喉がガッサガサで(笑)。

ドクソン:しゃがれた声で「ありがとうございましたー!」って。

ナス:ちゃんと喋ってるのに、遊び人(ファンの呼称)にもクスクス笑われています(笑)。

ドクソン:ツアー中に喉の使い方をきちんと学んで、「Peace☆超パニック」を歌う日に備えたいですね。

ココ:そこをちゃんと考えないと歌えないよ。

ドクソン:激しいところでズッコケるのは避けたいです。

ココ:初披露はドキドキです。

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