星街すいせい「ビビデバ」は現代のシンデレラソングに VTuber屈指の歌姫として広がる存在感

星街すいせい、歌姫として広がる存在感

 VTuber界を代表する歌姫として知られるホロライブ0期生のバーチャルアイドル・星街すいせい。今年3月に配信リリースされ、バイラルヒットを記録した彼女の楽曲「ビビデバ」が、8月7日にいよいよCDでもリリースされた。このタイミングで改めて、「ビビデバ」の魅力を紐解いてみたい。

 昨今のVTuberたちはプレイヤーであると同時に自分自身の活動のプロデューサーも兼任し、コンテンツクリエイターとして自らの個性やこだわりを反映させた様々なエンターテインメントを世に送り出している。近年顕著なのは、そういったクリエイターとしての才が配信外の活動にも及んでいること。得意なイラストやアニメーションの知見を活かしたMVやショート動画で次々にバズコンテンツを生み出す宝鐘マリン、『ストリートファイター6』を使ったゲームトーナメント大会『獅白杯』を主催した獅白ぼたんなど、ホロライブにも配信活動を超えた様々な分野で活躍著しいメンバーが多数存在する。

 もちろん、星街すいせいもそのひとり。彼女の場合は、歌や音楽において優れたシンガー/クリエイターとしての力を発揮している。楽曲やライブのコンセプト・演出、歌詞や映像にまで自身のこだわりを詰め込むことでリスナー層を拡大し、2ndアルバム『Specter』(2023年)では「オリコン週間 デジタルアルバムランキング」(2023年2月6日付)、「Billboard JAPAN ダウンロードアルバムチャート」(2023年2月1日付)の双方で1位を獲得。以降も「THE FIRST TAKE」や地上波の大型音楽特番、野外フェスなどに出演してVTuberの音楽の裾野を広げており、動画の総再生回数は7.4億回以上(8月上旬現在)。名実ともにVTuber界を代表する歌姫となっている。

星街すいせい - Stellar Stellar / THE FIRST TAKE

 「ビビデバ」のヒットにもまた、そんな彼女の魅力が発揮されている。楽曲を担当したツミキは、2021年に星街すいせいが投稿した歌ってみたの代表曲「フォニイ」の作者。このカバーはおおよそ人間には歌えないボカロ特有のメロディを追求した難易度の高い楽曲と、それを歌いこなそうとする力強い星街すいせいのボーカルとの掛け合いが話題となった。

フォニイ / 星街すいせい(Cover)

 今回の「ビビデバ」は、その延長線上にありつつも、きらびやかなディスコファンクを基調にしたよりポップなサウンドが特徴的。そこにラップと歌の中間のようなメロディや低音の効いたビート、複雑な楽曲構成などで魅力的なエッジが加えられている。その様子はまるで、未来のダンスフロアで鳴るミュータント化したディスコファンクのよう。星街すいせいらしい力強い歌声が牽引する高難易度&アップテンポな楽曲にプロダクション面で斬新なフックを加えることで、ショート動画などでも様々なインフルエンサーを巻き込んで人気を拡大。MVは3月の公開後、VTuber史上最速となる約16日間で1000万回再生を突破。8月中旬現在ですでに7300万回以上再生されており、まだ勢いは止まりそうにない。

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