GARNiDELiA、ワールドツアー開幕 “雨の初野音”を大成功へと導いた堂々たるステージとファンの熱量

 「みんなのおかげで初野音は大成功。雨でむしろ思い出に残るステージになったね!」(MARiA)

 最新アルバム『TEN』を携え、GARNiDELiA初となる東京・日比谷野外大音楽堂でのスペシャルライブ『GARNiDELiA premier stellacage “TOKYO” World Tour 2024 -TEN- [MAKUAKE]』が6月30日に開催。雨天という逆境をはね除ける迫力のステージで、8月にスタートするワールドツアー『GARNiDELiA 10th anniversary stellacage tour 2024 -Link The World-』の“開幕”を告げた。

 最新アルバム表題曲「―TEN―」で始まったライブ。ヘヴィで壮大なビートに、クラップが鳴り響いた会場。金のベールをまとって現れたMARiAに、ブルーのペンライトが揺れ、歓声が飛ぶ。〈雷を轟かせ 嵐を巻き起こして 恐るるには足らぬ 立ち止まらずに往け〉と、パワフルに歌ったMARiA。雨天上等、望むところだといった気迫で、高々と天を指さした。

 インディーズ時代から14年、メジャーデビューからの10年を振り返るような選曲で、長年のファンを沸かせた序盤。個性の在り方をデジタルビートに乗せて、爽快に歌った「COLOR」(2015年)。プレデビュー曲「True High」(2014年)では、スピード感あふれるビートにあわせて勢いよく観客の声が上がる。「ONE」(2010年)は、青空の代わりとばかり、観客がブルーのペンライトを掲げた。懐かしい曲のオンパレードに、当時のことを思い出したファンも多かっただろう。その一方、「蒼天」「暁桜」「謳歌爛漫」など、最新アルバムからも楽曲を繰り出す。しかし、真っ直ぐなメッセージと強靱なデジタルビートは時を経ても共通で、GARNiDELiAらしさは決して薄れてはいないことを実感した。

 見どころとなったのは「猫の城」からの“猫ゾーン”だ。tokuが「猫ふんじゃった」のフレーズを弾くと、ダンサーとともに猫耳を付けて現れ、猫のポーズを取り入れたダンスで、小悪魔っぽく観客を魅了したMARiA。「野音の猫ちゃんたち、恥ずかしがらずにカワイイ声を聴かせて!」と呼びかけ、会場を巻き込んだ“猫ワールド”を作り上げる。また「PiNK CAT」ではセクシーさのあるダンスを繰り広げ、〈ワタシのしっぽは掴ませない〉と歌う「幻愛遊戯」では、軽快なリズムに合わせて客席からの合いの手が入るなど、大きな盛り上がりを見せた。

 後半戦は、アルバム『TEN』からの選曲で会場を沸かせた。マントを羽織り、ティアラを付けたMARiAに野音が揺れた「QUEEN(S) GAME」。ステージでの堂々たる立ち居振る舞いから、中国ではクイーンの異名を取る彼女。ダンサーと息の合ったダンスを繰り広げ、パワフルなボーカルと圧倒的な存在感はまさしくクイーンだ。

 また「フィクション」では、tokuのピアノをバックに切ない歌声を響かせた。物語の主人公を演じるように、狂おしいほどの思いを歌い上げたMARiA。インディーズ時代からの人気バラード「ホシノウタ」は、スタンドマイクに手をかけて歌う。また軽快なリズムながらマイナー調のメロディが秀逸な「スズラン」は、〈憂鬱な 雨に打たれて〉というCメロの歌詞が、雨の野音の情景とシンクロ。雨というシチュエーションが、GARNiDELiAの紡ぐ物語をさらに切なく演出した。

 「歌詞にぴったりになっちゃった」と笑いながら、この1年くらいのことを振り返ったMARiA。

「数えきれないとんでもない景色と出会い、無理かもしれないと諦めかけたあの日から、めちゃくちゃ頑張ってたどり着けたこの景色を、みんなと観られて本当にうれしい。ステージに立って、みんなの声を聞くと、心の底から思う。“みんなとなら無敵だ”って」

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