Chevon、地元札幌で結成3周年を華々しく祝う CLAN QUEENとw.o.d.を招いた自主企画『よしなに2024』
Chevonが、結成3周年自主企画『よしなに2024』を6月9日、札幌ペニーレーン24にて開催した。“ワンマンとはまた違った楽しいイベントにしたい”というChevonの想いのもとに集まったCLAN QUEEN、w.o.d.とともに、札幌の初夏を彩るライブイベントとなった。
Chevonは2021年6月に札幌で結成。ジェンダーレスな美貌と歌声をもつ谷絹茉優(Vo)、Ktjm(Gt)、オオノタツヤ(Ba)が奏であう、狂気を孕んだ歌詞や複雑なメロディ進行に中毒性を覚えるスリーピースバンドだ。
場内が暗転し、最初に登場したのは盟友CLAN QUEEN。「今日は呼んでくれてありがとう。どうぞよしなに!」というyowa(Vo)の一声からはじまったクールなパフォーマンスで、バンドのダークな世界観に引き込まれる。続いて登場したのは、Chevonの熱いコールに応える形で共演が実現したw.o.d.。ガレージロックやグランジを基調としたアッパーなギターチューンでフロアを沸かせていく。
バンドタオルを手にしたファンがそれぞれに緊張した面持ちで待ち構える中、大トリのChevonが満を持して登場。谷絹のシャウトから幕開けした3周年記念祭は、1曲目「No.4」からスタート。この曲はバンドとして初めて完成させた曲というヒストリーもあり、歯切れのいいロックサウンドと文学的な詞が特徴で、Chevonの原点ともいえる楽曲だ。一転して、2曲目はスローナンバー「プノペタリラ」。先ほどの「No.4」はバンドとしての初“楽曲”。そして「プノペタリラ」は初“映像作品”ということで、初心に立ち返る時間が連続する。うねるベースと歪んだギターが切ない印象を持たせ、どこか懐かしい歌声に耳を傾けながら、観客は自然と手をひらひらさせ、リズムをとっていた。
「やっとChevonの番がまわってきました!」と始まった3曲目はエレクトロニックでダンサンブルな楽曲「ですとらくしょん!!」。フロアのボルテージは一気に急上昇し、そのまま「ダンス・デカダンス」へと突入。谷絹が煽ると観客も呼応するように声をあげ、踊り狂う。嫌なことを忘れさせ、窮屈になっている考え方を前向きに変えられるようなポジティブな楽曲にあわせて一人ひとりが楽しそうな笑顔を浮かべていた。
MCでは、『よしなに』の初主催時は5組のアーティストをゲストとして招聘していたことに触れ、「初ライブの際に訪れた客はいたか?」というメンバーからの問いに女性が手を挙げ、場内が騒然となることも。「自分たちの楽曲について、歌詞やメロディを大切に作ってきた。これからもそうやっていきたい」と改めて真剣に伝え、5曲目「薄明光線」を披露。白いライトに照らされた3人が穏やかな世界を描きだし、谷絹が2番サビで力強く歌い上げる様は、まさに「薄明光線=天使のはしご」のような存在であった。
続いて披露したのは、Chevonの中でも官能的な楽曲「愛の轍」。谷絹のセクシーな歌声と片足をあげたダンスが、薔薇のような妖艶さを際立たせる。7曲目のライブ定番曲「サクラループ」では「もう1回、もう1回」とコール&レスポンスが鳴り響き、会場の一体感がより強固なものとなっていた。