連載「lit!」第104回:Mrs. GREEN APPLE、SEKAI NO OWARI、sumika……ピアノが彩る最新ロック5選
マカロニえんぴつ『ぼくらの涙なら空に埋めよう』
EPのタイトルは、TVアニメ『忘却バッテリー』(テレビ東京系)エンディングテーマであり、1曲目に収録された「忘レナ唄」のサビの一節である。他に、映画『FLY!/フライ!』日本版主題歌の「月へ行こう」、コカ・コーラ「紅茶花伝」CMソングの「poole」と、4曲中3曲がタイアップ付き。特に「忘レナ唄」と「月へ行こう」がそうだが、タイアップソングが作品に寄り添った比較的シンプルな仕上がりなのに対し、完全新曲の「JUNKO」でしっかりと遊んでくるのがマカロニえんぴつらしい。初恋の先生をテーマにした歌詞も斬新だが、ジャズ風の曲調から唐突に挟まれるラップなど、アレンジにも随所に実験的な試みが見られる。バンドの魅力がぎゅっと凝縮された一枚。
Omoinotake「蕾」
今年1月に配信リリースした「幾億光年」がバンド史上初のストリーミングの累計再生回数1億回を記録し、ますます注目を集めるOmoinotake。5月5日に配信リリースされた新曲「蕾」は、TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』(日本テレビ系)の第7期エンディングテーマ。〈擦れ違ってもがいて わかりあえず痛くて/「それでも」って叫ぶ 蕾のような 僕の願い〉という悲痛な想いが、歌詞の通り藤井怜央(Vo/Key)の叫ぶようなボーカルで表現されている。ブロックごとに拍子やアレンジが目まぐるしく変化することからも、他人同士簡単には分かち合えない、複雑な感情の渦が読み取れる。
連載「lit!」第103回:BE:FIRST、SixTONES、JO1……個性がひしめくボーイズグループ新譜5選
新年度が始まり忙しなく動く世の中とともに、ボーイズグループ界も様々な動きを見せる。桜は散れど、賑わいの衰えぬ群雄割拠のボーイズグ…