NMB48 安部若菜・山本望叶・上西怜・新澤菜央・瓶野神音・隅野和奏……最新選抜メンバーを徹底解説【Vol.3】
NMB48が29thシングル『これが愛なのか?』をリリース。本シングルは、18歳コンビの塩月希依音&坂田心咲という次世代メンバーをWセンターに起用した意欲作だ。
グループの象徴的存在だった渋谷凪咲が昨年末に卒業し、新たなフェーズを迎えたNMB48。リアルサウンドでは新シングル選抜メンバー16名の一人ひとりにスポットをあて、それぞれの個性や強みを解説する。本稿では安部若菜・山本望叶・上西怜・新澤菜央・瓶野神音・隅野和奏の6名を紹介したい。(編集部)
NMB48 塩月希依音・小嶋花梨・泉綾乃・桜田彩叶・平山真衣……最新選抜メンバーを徹底解説【Vol.1】
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NMB48 坂田心咲・川上千尋・出口結菜・芳賀礼・和田海佑……最新選抜メンバーを徹底解説【Vol.2】
NMB48が新シングル『これが愛なのか?』をリリース。表題曲の選抜メンバー16人の中から坂田心咲・川上千尋・出口結菜・芳賀礼・和…
多彩な才能を持つマルチプレイヤー 安部若菜
安部若菜はとにかく多彩な才能に溢れている。2022年発表の小説『アイドル失格』が好評を博し、翌年テレビドラマ化&コミカライズされた。同小説は、安部の観察眼の鋭さが人物描写からうかがえ、若者特有の心情の揺れも瑞々しかった。ほかにも安部は、上方落語の聖地である天満天神繁昌亭で落語を披露した経験もある。2022年には“ピン芸人”として『R-1グランプリ』で2回戦進出。大阪で毎年開催されているカルチャーの祭典『大阪コミコン』では2023年、2024年にPR大使を担当し、映画関連のトークイベントなどでクレバーな感性と豊富な知識の一端を見せた。これは同イベントを取材で訪れた筆者が、映画会社の宣伝マンと話した際の“オフレコ”な話題だが「NMB48の安部さんは映画の話がすごくうまい」と絶賛していた。
5月14日にNMB48劇場で開催された新オリジナル公演『天使のユートピア』では、ラストのMCが盛り上がり過ぎて脱線しそうになったところ、「でもこの公演のタイトルの意味も10年分の思いが込められている」と軌道修正して同公演キャプテンの泉綾乃に話をまわした。小嶋花梨も思わず「わかぽんの振りが完ぺき」と舌を巻いたほどのうまさだった。「メンバーで一番の常識人」を自認する安部が、マルチなタレント性がより広範囲の人たちに“見つかる”のも時間の問題だ。
我が道を突き進む“顔面国宝” 山本望叶
山本望叶は“カリスマ”の資質が抜群にあるメンバーだ。“ビジュアルエース”、“顔面国宝”との異名をとるルックスの持ち主で、ファッション誌などのモデルとしても活躍。同性人気も高く、インフルエンサーとしても今後期待される。その一方、すさまじすぎるポテンシャルゆえ、その生かし方を、周りだけではなく本人もまだ模索しているようにも思えた。ただ、なにかに媚びることをしない山本の特性がじわじわと発揮されるようになり、ある意味、吹っ切ったように“我が道をいくこと”を選択した風に見えてからは、かなりおもしろい存在に。
加えて、このところはそういう“お高めなキャラクター”をメンバーにイジられたり、自分でイジったりできるようになってからは“無双状態”。MCなどでも話のオチに使われることがあったりして、それがうまく機能している。渋谷凪咲の成功であらためて気付かされたが、アイドルのおもしろさは人間力であることだが、山本は、人並外れたビジュアルの持ち主だからこそ自分のなかにあるヒューマニティをどのように出していくのかがポイントだった。現状、それが良い形にあらわれているのではないだろうか。
パフォーマンスを支える大黒柱 上西怜
NBM48のパフォーマンス面での命運を握っているのが上西怜だ。歌唱力は圧倒的で、ステージ上で彼女が歌うと世界がガラッと変わる。アイドルとしてはもちろんだが、一人のシンガーとしてもこれから長く評価されそうな存在である。また、NMB48の活性化プロジェクト『NAMBATTLE2~がむしゃらにならなNMBちゃうやろっ!』(2022年)のファン投票による選抜企画などでも感じられたが、上西はとにかくストイックだ。
2021年8月、当時の絶対的エース・白間美瑠の卒業タイミングで開催された『NMB48 次世代コンサート~戦わな次世代ちゃうやろっ!~』では、「白間美瑠さんが卒業すると1期生がグループからいなくなり、先頭もセンターも空く。私はNMB48のセンターに立ちたい」と宣言。以降のライブなどでも、センター奪取を口にし続けるなど、自分はどのポジションに立つべきかにこだわってきた。ただ、「自分を追い詰めすぎじゃないか」と心配になるほどでもあった。ただこのところは良い意味で肩の強張りがやわらいだように映って、良いムードに。その秘めたる向上心は、間違いなく後輩メンバーたちの意識を高めるものではないか。
“あざとかわいい”を更新する 新澤菜央
新澤菜央と言えばやはりSNSでの「#毎日彼女」の投稿だ。2019年頃から投稿されている同ハッシュタグ付きの動画などは、「しんしんがもし恋人だったら」というドキドキするようなシチュエーションや、あざとかわいい仕草、コスチュームなどが楽しめる。NMB48のレジェンドメンバーである吉田朱里からも、かつて「しんしんは、ピンクでか弱い女の子を演出してあざとい感じを狙ってほしい」とアドバイスされたそうで、その持ち味がどんどん発揮されている。
新澤自身「SNSとかをもっと活用して、NMB48を知ってくださる入り口的存在になりたいです」(『NMB48 10th Anniversary Book』(2020年/光文社)より)と語っていたように、“あざとかわいい”というポップなやり方は、いろんな人を“NMB48沼”に引き込めているのではないだろうか。また、趣味が“花嫁修行”というのも興味深い。料理、家事などに積極的に取り組んで“できる女”をアピールしていたところなどは、良い意味でいろいろ狙いまくっていておもしろい。「恋愛リアリティショー」に出ればピッタリとハマりそうなキャラクターの持ち主と言える。