家入レオ、試行錯誤を重ねて肯定できた自分らしさ 恋愛観の変化、変わらない向上心も語る

家入レオ、肯定できた自分らしさ

今の家入レオが“恋愛に求めるもの”

――「ワルツ」は失恋ソングでありながら、心に残った優しく温かな気持ちを描いていて切なさを生んでいますが、最初からそういう曲にしたいと思っていたんですか。

家入:それはありました。失恋して悲しくて傷ついたときって、「こんなに苦しいなら出会わなければよかった」なんてよく言いますけど、そんな風にはどうしても思えなくて。時間でしか傷を癒せないってとても残酷だけど、それでも本当にこの人に出会えてよかったな、成長させてもらえたなって思うんです。でも、すごく素敵な人生のギフトを貰ったけど、そのギフトの意味を理解するときには、もうその人と一緒にいられないなんて切ないですよね。

――これまでもたくさんの恋愛ソングを歌ってこられて。10代、20代、そしてこれからも変化していくものだと思いますが、今の家入さんが恋愛に求めるものってなんですか。

家入:お互いが“自立した自分のままでいられる”ことかな。私はこれまで、自分とは正反対のものを持った人を好きになることが多かったんですよね。自分にないものを持っていることに魅力を感じていた。だから、なんとなく無意識に“相手が好きな自分”に寄せていく。でもそれは本当の自分とは違うから、だんだん無理が出てきて、ある日突然「もう難しいかも……」って。そんなのホラーじゃないですか。

――「急に!?」ってなりますよね。

家入:そうなんですよ。でも新しい自分になって、「今までこういう服着てなかったな」「こういうメイクしてなかったな」「こういう映画観たことなかったな」とか、そういうことが楽しい時期があったんですけど、そこを通過して、本当に心地よく、無理せずに一緒にいられる人が、今の自分にとってはいいかなって思うようになりました。

――さっきの曲作りにも通じる話ですね。いろいろと試行錯誤して戻ってきて「やっぱりこれでいいんだ」と肯定できるような。

家入:そうですね。自分の生き方が定まったのかもしれないです。もちろんこれから先、もっと定まっていくんでしょうけど。選択肢がたくさんある20代を過ごす中で、全部試した上で「私ってこれだったんだ」って自信を持てるタイプなので。時間はかかったかもしれない。

――「ワルツ」を聴きながら、家入さんは10代の頃とはまた異なるメッセージ性を持って、自分の人生をしっかりと歩まれているんだなという印象を受けました。

家入:自分でもそう思います。「誰かに好きになってもらいたい」「誰かの想いに応えたい」と思いすぎて、無理してた自分も自分だったし、そういう時期も全部含めて今の自分に繋がっている。本当に今、デビューしてからの12年が地続きだったなと思うし、その一つひとつにありがとうと思えます。そして、その先にまたここから新しいものをお届けできていくんじゃないかなっていう気がしていて。

 「何が私の新しさなんだろう?」と思ったときに、無理をしない優しさだと思いました。純粋な優しさ。これまでは自分に余裕がなかったから、どこか張り詰めたりしていたけど、肩の力が抜けたんでしょうね。

――そんな「ワルツ」の制作は家入さんにとってどんな体験でしたか。

家入:今回こうして「ワルツ」という曲ができ上がって、私は自分の言葉とメロディを大事にしていこうという想いがより一層強まりました。人からいただいた曲を自分のものにするのも学ぶべきものがあるし、愛が生まれる瞬間なんですけど。やっぱり自分の魂から出てきた言葉とメロディである「ワルツ」を好きですと言ってもらえたら、私の心を好きだと言ってもらえているような気持ちになって、それがどんどん自信に繋がっていきます。歌を歌うことが好きですけど、やっぱり音楽を作ることもやめたくない。どちらかを選ばなくていいんだと改めて思いました。

ご褒美みたいな出来事から生まれたカップリング「愛をあげる」

――そしてカップリングの「愛をあげる」は「ワルツ」とは対照的な“求愛ソング”とも言えるロックな曲ですね。

家入:この2曲、キャラクターが全然違いますよね。「愛をあげる」の制作は、これも私にとってご褒美みたいな出来事でした。というのも去年、ライブハウスツアー(『家入レオ TOUR 2023 ~NAKED~』)をまわっていたんですけど。トレーニングして持久力を上げながら日々ライブをしていたので、確かライブを終えて広島にいた日の朝だったかな、体がバキバキの状態で起きたんです(笑)。そしたら須藤(優)さんからポンッとLINEが入って「レオちゃんにぴったりな曲を作ったから聴いてみて」って。そしたらすごくいい曲で「頑張ってたらご褒美ってあるんだ!」とすごく力になった。どこかでリリースしたいなと思っていたので、今回『ワルツ』のカップリングに収録できて嬉しいですね。須藤さんはXIIXをやりながらベーシストとしてサポート活動もして、作曲家としてもご活躍されているので、人として相当研ぎ澄まされている方だなと改めて感じました。

――そんな中で、依頼されていないのに家入さんのために曲を作ってくれるのがまた感動ですね。

家入:嬉しかったですね。歌詞も須藤さんが書いてくださったんですけど、〈オーバーウェイトの愛をあげる〉って、私のことをどんなイメージで見てくださってるんだろうって(笑)。歌うと難しさもある曲で、だからこそ歌い手として表現しがいがあって、やっぱり歌うことも好きだなと、改めて思わせていただきました。自分が頑張っていたら、いいご縁や出会いも多くなっていくので、活動していてすごく楽しいなって今思えています。

◾️リリース情報
家入レオ New Single『ワルツ』
2024年5月22日(水)リリース
購入:https://www.jvcmusic.co.jp/leo-ieiri/Linkall/VICL-37738.html

【完全生産限定盤:CD+DVD】¥4,400(税込)
<CD>
1. ワルツ
2. 愛をあげる
3. ワルツ(Instrumental)
4. 愛をあげる(Instrumental)
<DVD>
『LEO IEIRI FANCLUB LIVE 2023 〜Rebuild〜』

【初回限定盤:CD+DVD】¥2,200(税込)
<CD>
完全生産限定盤と共通
<DVD>
「ワルツ」Music Video & Making Movie

【通常盤:CD】¥1,400(税込)
<CD>
完全生産限定盤と共通

■ツアー情報
『家入レオ TOUR 2024』
10月12日(土)[埼玉]三郷市文化会館
10月17日(木)[大阪]オリックス劇場
10月19日(土)[香川]サンポートホール高松 大ホール
10月26日(土)[静岡]静岡市民文化会館 中ホール
11月4日(月・振)[愛知]愛知県芸術劇場 大ホール
11月7日(木)[北海道]札幌市教育文化会館
11月15日(金)[岡山]倉敷市芸文館
11月16日(土)[山口]シンフォニア岩国 コンサートホール(山口県民文化ホールいわくに)
11月24日(日)[宮城]トックネットホール仙台(仙台市民会館)
12月1日(日)[福岡]福岡サンパレス ホテル&ホール
12月12日(木)[東京]LINE CUBE SHIBUYA
12月13日(金)[東京]LINE CUBE SHIBUYA

<チケット情報>
[LEPYシート]¥12,900(税込)
[指定席]¥7,900(税込)
※LEPYシートは<1階前方エリア確約+限定オリジナルグッズ付き>の指定席。

家入レオ オフィシャルHP

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