Bialystocksに聞く「近頃」制作プロセス ドラマ『RoOT / ルート』OPテーマに導かれたラフなモード

Bialystocksインタビュー

『オッドタクシー』の面白さから得た歌詞の着想も

Bialystocks写真

――ドラマではいろんな登場人物を巻き込みながらストーリーが展開されていきますが、そこは楽曲制作においても意識されましたか?

甫木元:『オッドタクシー』を観たときに、リアルな話をああいうキャラクターで描いているギャップが面白かったのかなと。結構残酷なことが描かれていたりするじゃないですか。みんな本当はこういうことを思っているんだろうなというか。そういった内面性が描かれているのにキャラクターはすごくポップな感じで。またタクシーっていうのが、乗っている人たちは行き先を言っているんですけど自分たちは運転していないっていう、主体性がどこにあるのかわからない、その乗り物自体も含めて面白いなと思って。みんな思っていることはあるんだけど、どんどん勝手に自分が言った進行方向に進んで行っちゃう感じっていう、それもすごく大枠なんですけど、そういう誰かの内面性に少しかけられたらいいのかなっていうのは『オッドタクシー』のアニメ版を観た時に思ったところではありました。

――あとは『RoOT / ルート』の主役二人の若さだったり?

甫木元:そうですね。ベテラン探偵というわけでもない二人組ですからね。行き先が曖昧な感じや、今後どうなっていくかわからない年齢っていうのは一個あったかもしれないですね。でも「あ、そういう年齢だよね」という感じというか、若さそのままを言いたいというよりちょっと皮肉めいた歌詞かなと思いつつ。

ドラマ「RoOT / ルート」 30秒予告【4月2日(火)テレ東ほかにて放送スタート】

――「近頃」を歌っているのが誰の視線なのかっていうのも想像すると面白いですよね。これまでの楽曲よりも第三者の視線かなという。

甫木元:確かにそれはそうですね。全部が全部そう思っていたわけじゃないですけど、例えば、二人が乗っている車がしゃべれるとしたらどういうことを思うんだろうなとか。人間以外の街自体がその二人を見ているとか、そういうちょっと第三の目線で半ば代弁のような形で二人を語っているみたいな構図になるといいなとは思ってましたね。

――なるほど。ちょっとお題めいた質問なんですけど、お二人にとって「探偵モノと言えばこれ!」という作品はありますか?

甫木元:全然違うんですけど、自分の中では『インディ・ジョーンズ』は勝手に探偵モノだと思っていて(笑)。ちっちゃい頃に観ていてすごく好きだったんですよ。お客さんとも共有しながら謎を解き明かしつつ物語が進んでいくっていう。ジャンル映画ってわかりやすく一緒に没入できるじゃないですか。そういうところはいわゆるジャンル映画のいいところだなと思っていて。『RoOT / ルート』にも言えることだと思いますし、そういうのはすごく好きですね。

菊池:探偵モノにあまり思い入れはないのですが、刑事ドラマだったら『コールドケース』という未解決事件を扱った海外ドラマは好きですね。捜査が中止された事件をもう一回調べていく話なんですけど、暗い冷めたテイストは『RoOT / ルート』にも近いのかなと思います。

アルバム、映画制作、ホールツアー……2人の近況は

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――近況もお伺いしたいと思います。アルバム制作はいかがですか?

甫木元:そうですね。頑張ります(笑)。

――「頬杖」以降のシングルを含めてアルバムを構成していく感じですか? 現状は候補曲出しをしていると思うのですが。

甫木元:曲を出している段階で全体像が見えていたことは今までもあまりないんですけど、このあと会議をしてどうなるかって感じですね(笑)。とりあえず今はアルバムに向けての曲を作っている段階です。

――甫木元さんは並行して映画(『BAUS 映画から船出した映画館』)の制作もされていて。今までの作品と規模感も違うのでは?

甫木元:そうですね。関わっている人の人数など初めての規模感でしたし、脚本ももともとあるものを生かすということが初めてでしたし。

――青山真治監督の企画を引き継ぐ作業はどういうものでしたか。

甫木元:そうですね……やってくれないかとプロデューサーに言われて、最初は結構悩みましたね。もっとちゃんとした人がやったほうがいいんじゃないかと思ってたんですけど。新作で脚本を改稿していったので、青山さんは何を考えていたんだろうかとか、ここを落としていいものか、逆に何を膨らませていくかを考える作業でしたね。実在する映画館とその家族の話ではあるんですけど、青山さんが何を考えていたんだろうなって、対話しながら作っていくような感じはありました。

――映画の制作を並行していることで音楽制作への影響はあるものですか?

甫木元:そうですね。脚本を作っている段階の時に曲を書いたりとかはありましたかね。脚本を書いている時のほうが曲ができるんですよ。

――これまでもですか?

甫木元:これまでもそうですね。「頬杖」とか「幸せのまわり道」とかもそうでした。全然脚本の内容は関係ないんですけど、調べものをしている時に見た本とか。単純に脚本に煮詰まってたっていうのもあるかもしれないんですけど(笑)。

――菊池さんはひたすら作曲と制作を?

菊池:甫木元が映画を撮っているときはだいたいひたすら甫木元が残していったボーカルをなんとかしていい感じにするための編曲をしています。たまに個人で参加するライブもありますけど、主にトラックメイキングをしている時が多いですかね。

――6月は初めてのホールツアーです。具体的に考えていることはありますか?

菊池:座って楽しめるような感じにしたいなというのはあります。ホールで立ち上がって盛り上がるようなライブも多く存在するんですけど、個人的には座って観るのが好きなので。会場がせっかくホールなので、できるだけーーまあ立ちたい人は立ってももちろんいいですけど、座っても楽しめるような没入できるようなライブにできたらと思ってます。

Bialystocks「近頃」ジャケ写
「近頃」

■リリース情報
「近頃」
2024年4月10日(水)配信スタート
https://lnk.to/chikagoro

■ドラマ概要
『RoOT / ルート』
出演:河合優実 坂東龍汰
黒田大輔 寺本莉緒 福田温子 紗羅マリー
中村麗乃(乃木坂46) 小林桃子 菊池日菜子 伊藤友希 鳥谷宏之
中込佐知子 吉本菜穂子 富川一人 遠藤雄斗 ユースケ(ダイアン) 津田篤宏(ダイアン)
篠原篤 政修二郎 稲葉友 奥野瑛太 山口航太
三浦誠己 渡辺いっけい 松尾貴史

原作:P.I.C.S./此元和津也 監督・脚本:土屋貴史
チーフプロデューサー:伊藤裕史・平賀大介 プロデューサー:松竹奈央
音楽制作:ポニーキャニオン 
オープニングテーマ:「近頃」 Bialystocks (IRORI Records / PONY CANYON)
主題歌:「Roller Coaster」 SIRUP, SUMIN (Suppage Records)
制作プロダクション:P.I.C.S.  製作著作:RoOT製作委員会
放送表記:テレ東ほかにて4月2日(火)放送スタート、毎週火曜深夜24:30〜

コピーライト:©P.I.C.S.・此元和津也 / RoOT製作委員会
公式HP:https://www.tv-tokyo.co.jp/root/
公式X:@drama_RoOT
公式TikTok: @oddtaxi

■ツアー情報
『Bialystocks Tour2024』
2024年5月31日(金)愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
2024年6月2日(日)大阪・NHK大阪ホール
2024年6月28日(金)東京・TOKYO DOME CITY HALL
特設サイト・チケット詳細:https://bialystocks.com/tour2024/

■関連リンク
About Bialystocks:https://lit.link/bialystocks

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