LAGHEADS、Blue Note Tokyoレポ　KIRINJI、HIMIら個性豊かなゲストと開いた新しいポップミュージックの可能性

　それぞれのゲストがLAGHEADSとのコラボならではのフランクなムードとアンサンブルで場を温める中、いよいよKIRINJIが登場。ストラトキャスターを携えた堀込高樹との1曲目はレコーディングに小川、伊吹、宮川も参加した「Runner’s High」。宮川のフューチャリスティックなシンセでこれまでの空気を変え、堀込と小川二人のカッティングが心地よい。ステージとフロアの距離が近いこともあって、MCも普通の会話に近い感じで、今回のコラボ曲「どうして髭を？」の歌詞について掘込が話す。曰く「男性の嗜好品について書こうと。みんな髭ですよね？　可愛い髭だけど、それをいじろうと思って」ということらしい。そのままコラボの経緯を雑然と話すタームに入りそうになったところで、小川が「（あんまり話してると）時間がなくなるから」と、次のレパートリーの曲振りに繋げ、洒脱なメロディ展開やシンセリフが特徴的な「時間がない」を披露。佐々木のコーラスもキュートで、KIRINJIのオリジナルへの敬意を払いながら、楽曲を楽しみ尽くす演奏が展開した。そして本編ラストはお待ちかねの「どうして髭を？ feat. KIRINJI」だ。イントロ短めですぐ歌に入る構成ももちろん、特徴的なファンクのリズムに跳ねるように乗る堀込のボーカルが新鮮。愉快なナンバーであると同時にこの日最も立体的なグルーヴが展開し、演奏も随所にトラップを仕掛けてくる。何より掘込が非常に歌いやすそうなのだ。ライブならではの熱量も込められた演奏で痛快にフィニッシュ。正直何時間でもこの顔合わせで見ていたかった。アンコールは再びHIMIが登場し、オーガニックなグルーヴを纏った「Simple Song  feat. HIMI」がフロアを優しく包み込んだ。

　個性豊かなゲストボーカルを迎えるコラボに新しいポップミュージックの可能性を見せるLAGHEADS。そこに力みは見受けられない。グッドミュージックを作る人とそれを求める人の幸福な化学反応はどこまでも自然だ。

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