KOHHとBAD HOP、国内ヒップホップシーンを広げた功績 トレンドにも適応して独自の存在へ
こうして国内ヒップホップシーンの多様化が進み、2024年、今まさに新たな金字塔を打ち立てようとしているのがBAD HOPである。ヒップホップアーティスト未踏の地である東京ドームでのライブがもうそこまで来ている。
彼らはUSメインストリームのトレンドを取り入れたビートに、等身大のリリックを乗せるスタイルを確立している。ブーンバップ、トラップ、ドリルなど様々なジャンルが乱立する現在のシーンにおいて、海外のトレンドにアンテナを張るBAD HOPの嗅覚は国内ヒップホップシーンの底上げに大きく貢献したと言えるだろう。
東京ドームでのラストライブはさることながら、2014年のデビューから解散まで事務所に所属せず、楽曲の制作から販売、さらにライブの演出までを全て自分たちでプロデュースしているストイックぶりや、有観客で行われるはずだったアリーナライブをコロナ禍の自粛要請のため無観客で開催、赤字覚悟でステージに臨むワイルドさも彼らが大衆を惹きつける理由だろう。ラストアルバム『BAD HOP』を携えたドームライブを経て、彼らもまたシーンに名を残すレジェンドとなる。
彼らが提示した新たなスタイルにより、今や大衆に受け入れられる音楽となった日本語ラップ。メディアで取り上げられる機会が増えたのはもちろん、最近ではヒップホップを聴くイメージがないアーティストからも「BAD HOPめっちゃ好きで……」という言葉が出たりする。また、様々な背景はあるが日本語ラップ楽曲がYouTubeの急上昇ランキング上位に滞在していることが多いのも、ラップ/ヒップホップというスタイルが国内でも受容されるようになった証拠と言えよう。名だたるレジェンドたち、そしてKOHHやBAD HOPによって開かれた国内ヒップホップシーンに、今後新たな足跡を残すアーティストの出現を期待したい。
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