ME:Iメンバー紹介第5回:山本すず ふわふわした雰囲気と軸のしっかりしたパフォーマンス

 しかし、そんな山本でさえも順調に進んだわけではなかったのが、オーディション番組の難しさ。表現力に課題を感じる場面が時折見受けられた。

推しカメラ┊山本すず(YAMAMOTO SUZU)✧︎ INI ♫ Rocketeer [ポジションバトル|DANCE]

 そのことが顕著に現れたのが、オーディション番組の中盤に行われたポジションバトルにおいてINIの「Rocketeer」を練習していた際。ダンストレーナーのYUMEKIから「表現力0」とはっきりと告げられる苦しい場面だ。この言葉を受けて、山本は自分を出しきれていないと自身のことを分析。踊りも歌も完璧に難なくこなしているからこそ、あと一歩、何かが足りないことを悩む姿が視聴者をももどかしくさせた。しかし、その困難を諦めずに乗り越えたのが山本の力強さだ。2回目のレッスンの際には、YUMEKIから「すずが特に良かった」と名指しで褒められる場面もあった。

推しカメラ┊山本すず(YAMAMOTO SUZU)♫ &ME [コンセプトバトル]

 また、コンセプト評価「&ME」での練習中には、熱望したセンターに選ばれることなく、悔しい思いを吐露する一幕も。しかし「TOXIC」グループに所属しており、同じくデビューメンバーとして選ばれた石井蘭から「センターじゃなくても私を見てと思ってパフォーマンスしている」と心持ちを伝授してもらってからは意識が一変。ポジションにこだわらず、視聴者の目を惹くスキルを倍増させ「&ME」のグループを牽引する存在を担っていた。

 このような紆余曲折を経て、今や怖いものなしとなった山本。その魅力を挙げるなら、もともと幼少期からやっていたという空手で身につけた、しっかりとした体幹だ。妖艶な曲も、パワフルな楽曲も、かわいらしい振り付けも、芯を感じさせる。それは体幹がしっかりとしているがゆえだろう。

 また、トーク中のふわふわとした雰囲気と、パフォーマンス中の曲に合わせた解像度の高い表現力というギャップも彼女の持つ魅力。オーディションを見ていた国民プロデューサーはもちろん、デビュー後に歌番組などで彼女を“見つけた”視聴者をも沼にハマらせる未来が容易に想像できる。

 このような魅力から、山本がグループの魅力を底上げする存在として魅力を発揮すること間違いなし。今後、どのようなコンセプトの楽曲で、オーディション時に培った表現力を見せてくれるのか期待が高まる。

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