飯田栞月、小林萌花、矢花黎、佐野晶哉……専門的な音楽スキルを活かすアイドルたち

　10月よりLeminoで配信されたサバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』が12月16日に生放送されたファイナルで華々しく幕を閉じた。視聴者である国民プロデューサーの投票によってデビューする11人が決まった新グループ・ME:Iには、オーディション内で著しい進化を遂げSNSでも大きな話題となったメンバーがいる。それが最終7位でデビューを決めた飯田栞月だ。

　彼女は元宝塚音楽学校受験生であり現役音大生。最初の現場評価であるグループバトルで披露した「Body & Soul」では彼女が長年培ってきたクラシックのような歌唱法で響かせた歌声が大きな話題となり、一躍注目の練習生のひとりとなる。

　その後彼女は“脱クラシック”を掲げて練習を重ね、次のポジションバトルで披露した「Hero」では肩の力を抜いたストレートな歌声にトレーナーが「変わってる、全然」と驚いた。彼女が担当した〈振り向かなくてもいい／今までの君のまま進めばいいから／あきらめないで everyday〉というパートはまさに当時の彼女を表すようだった。

　それからも彼女はダンス、歌ともにアイドルとしての成長を見せ、デビューを掴み取った。宝塚音楽学校の受験経験などで学んできた声楽を自信に変え、歌唱に不安を覚えるチームメイトを「音程なら任せて！」と励ます様子は国民プロデューサーに特に強いインパクトを与えた。高い歌唱力と今まで学んできた知識でME:Iを引っ張ってくれるだろう。

　飯田の他にも、音大・音楽短大での経験をグループ活動に活かしているアイドルは珍しくない。例えばハロー！プロジェクトのアイドルグループ・BEYOOOOONDSのメンバー 小林萌花は音楽大学を卒業した。YouTubeチャンネル『アプカミ』ではグループの楽曲「英雄～笑って！ショパン先輩～」のレコーディングにピアノで参加する様子が公開されている。「アクの強い演奏にした方がアーティストっぽい」「よりルバートな方向に」などのディレクターの難しいリクエストに応え、何度もテイクを重ねながら集中を途切れさせずに弾く姿がプロそのものだ。彼女はこの他にも多数の楽曲のレコーディングにピアノで参加しているだけでなく、バースデーイベントでもピアノの演奏を披露するなど精度の高い実力をアイドルとしての武器のひとつにし、ステージを彩っている。