ちゃんみな×BMSG、Adoも……アーティストによるアイドル/グループプロデュースのメリットは?

アーティストがプロデュース業へ乗り出すことでシーンもより多彩に

 ほかにもアーティストがプロデュースするグループとして、ELLEGARDEN/MAYKIDZの高田雄一のEGR{えぐる}、Halo at 四畳半の白井將人はmay in filmなどがある。また、特撮やCOALTAR OF THE DEEPERSの鬼才・NARASAKIは、バンド・DRINKPEDのメンバーとして活動してアイドルグループ・代代代も手がけた小倉ヲージと共同で新グループの結成を進めている。変わったところでは、大阪の名物バンドである赤犬のコーラス隊・ナイトサパーズのテッペイ(鉄平)も、sui suiのプロデュースを行っている。

 アーティストがアイドルのプロデューサーを務めることのメリットはまず、アーティスト本人が楽曲を制作できる(または深く関われる)ことが可能な点。そうすることで、グループの方向性や世界観を音楽面でしっかり表現できる。また、集まってくるメンバーやファンからの信頼が厚いところも強みとして挙げられるだろう。

 反対に、アイドルシーン全体の問題点は、素性の知れない“アヤシイ”プロデューサーもいて、実際にトラブルが多数報告されているところ。その点、アーティストとしてよく知られていたり、音楽活動における実績があったりすることは、いろいろな意味で信頼につながる(それがプロデューサーとしての腕に直結するかどうかは、また別軸の話だが)。つまり“ヘタ”なことはできないのだ。ほかにも、話題性の面でもよさがあると言えるだろう。

 アイドルグループはメンバーのパフォーマンスだけではなく、プロデューサーがどのようなものを作ろうとしているかなどもファンからの評価対象となる。だからこそ、アーティストとして得た経験は計り知れない。

 特に、冒頭でも挙げたちゃんみなやAdoは、信念を感じさせる楽曲が数多く、さまざまな角度から現代を見る内容が受け入れられている。これからプロデュースしていくグループが、歌唱面などパフォーマンスがどのように仕上がっていくのかも楽しみでならない。TikTokなど、SNSでその楽曲たちが脚光を浴びるのは間違いないだろう。なにより、このふたりがプロデュース業に乗り出すことで、アーティストがアイドルを手がける風潮にさらなる拍車がかかるかもしれない。

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