関ジャニ∞、胸を打つ大阪仕込みの“実直さ” サブスク&『THE FIRST TAKE』で再発見された魅力
1月3日より配信されているYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』での関ジャニ∞のパフォーマンス映像が、公開からわずか10日で550万回を超える再生回数を記録した。
同動画では、「ズッコケ男道」(2007年)と「友よ」(2021年)の2曲を演奏。コメント欄には「男らしくて、熱のある演奏と歌声に心を奪われました」「関ジャニの曲って気取っているところが少なくて、なんというか泥臭いというか『実直』という言葉が似合う曲が多くて好き」など、関ジャニ∞の曲の持ち味を再認識したり、感動できたりしたとの声が相次いだ。1月1日にはサブスクが解禁。関ジャニ∞のかつての楽曲の人気が再燃する気配が漂っている。
関ジャニ∞にしか「ズッコケ男道」は歌えない
関ジャニ∞の楽曲はバラエティに富んでいるが、その良さの一つとして、感想でも目立っていたように「気取らなさ」「実直さ」「がむしゃらさ」が伝わる点が挙げられる。
メンバー全員が関西出身で、拠点も関西。そんな出自のアイドルグループということもあり、「お笑い」を軸に独自の路線を歩んできた。大阪らしいコテコテでベタベタな感じ、昭和の浪花節といった一昔前の雰囲気。楽曲もその世界観に寄せたものが多かった。普段からテレビ番組などでも関西弁(大阪弁)でしゃべくる。デビュー当時からアイドルとしては異質な要素を持ち合わせていた。
そういうこともあって、メンバーにももちろん戸惑いがあった。2015年11月11日放送『Rの法則』(NHK Eテレ)では、大倉忠義が「ズッコケ男道」について「恥ずかしいなって思う時期もありました。かっこいい曲もやりたかったりとか……」とし、さらに「『ズッコケ男道』とか『無責任ヒーロー』とかそういう歌はもちろん好きなんですけど、もっと俺らかっこつけれるのにってずっと思ってた」と素直な気持ちを吐露していたほど(※1)。
しかし、だからこそ「ズッコケ男道」のような曲が聞き手の心にちゃんと伝わるのだと思う。J-POPではあまり使われない関西弁をまじえた歌詞(〈ずうずうしく 生きてこーや〉〈焦りを 蹴散らしてこーや〉)も、「これは関ジャニ∞にしか歌えないものだ」と唯一無二性が感じられた。メンバーがボケツッコミ文化で育ったことで、関西や大阪のイメージである「つらいことがあっても笑っていればなんとかなる」という楽観的なムードが、ほかの楽曲含めて全体的に良いように作用している。だから〈ホントは内心ビクビクで〉と臆病な心情を明かしながらも、〈イェイ イェイ〉〈ブンブン〉という良い意味で“ダサめ”な言葉でとりあえずクリアできるし、〈バイタリティーこそ 男道〉となりふりかわまず突き進んでもいける。
グループの関西色の強さが、楽曲をとびっきり明るくてポジティブなものへと“発展”させている。