East Of Eden、音楽への向き合い方で共鳴する凄腕5人 結成秘話や初ライブの手応えを語る
5人の共通認識としてあった“歌を立てる”大切さ
──ここからは、メジャー1stミニアルバム『Forbidden Fruit -1st piece-』について伺いたいと思います。今作には1stライブでも披露された5曲が収録されていますが、これらの楽曲でEast Of Edenとして何を伝えたいと考えましたか？
Ayasa：こないだの1stライブで演奏した曲たちの中でも、この5曲はかなりバラエティに富んでいると思っていて。メンバーがいろんな場所で、いろんな経験を積んできたからこそ作れる幅広さというか、そういう面を出したいなという思いが強かったので、あえて統一性にこだわることなくバラバラの5曲を選んでみました。特に、私たちは「Evolve」を最初に出したので、良くも悪くも「Evolve」の印象がずっとつきまとうじゃないですか。「Evolve」は技巧的な面も強く、ソロもすごく長くて楽器隊が映える曲ではあるんですけど、East Of Edenは「Evolve」みたいな曲しかやらないとか「そういう系のバンドでしょ？」とは思われたくなかったので、いろいろなタイプの曲をやりたくて。1枚目だからこそ幅広さを皆さんにお伝えしたいなと思い、この感じになりました。
──「Evolve」の印象だけでこのミニアルバムに初めて触れた人は、きっと2曲目の「This Moment」でびっくりすると思うんです。個人的にすごく印象的だったのは、どの曲も歌を盛り上げるために各プレイヤーが押し引きを考えながら演奏していること。そういった点で、アレンジはかなり考えたのではないでしょうか？
Ayasa：今回の5曲に関しては、すべての作曲とアレンジを「East Of Eden＋Mao」という形で作っていますけど、基本的にまず最初の骨組みをMaoさんが作ってくださって、そこから実際にレコーディングしながら各メンバーが自分のパートで肉づけをしていったんです。みんなうまいメンバーだからこそ「私こんなことやってるんですよ」ってテンション感で行くことだってできるんですけど、でも別にそうじゃないよねというのはみんな理解していて。バンドであり、しかも湊さんというボーカリストがいて、一番届けるべきは歌。その歌をカッコよく支えながら、歌がないところで楽器隊が前に出るっていう、その構図をみんなそれぞれに考えてくれて、その押し引きは常に意識しました。East Of Edenとして幅広いアプローチをしていきたいし、でも楽器をやっている人にもすごいと思われたいし、歌に注目して聴く人にもちゃんと届いてほしくて。
わかざえもん、Yuki、MIZUKI、湊：（深く頷く）
Ayasa：みんなすごい頷いているけど（笑）、お互い確認せずとも「そうだよね？」と理解できていたんですよね。ここで「いや、そういうことじゃないんで」みたいな感じで、私がひとりでバイオリンソロを弾き始めたり、それこそYukiさんが「いやいや、私リードギターのYukiですけど」みたいな感じでソロを弾きまくっていたら……。
Yuki：それは面白い（笑）。
Ayasa：（笑）。ざえもんちゃんもMIZUKIさんも、「そこはちゃんと立てるべきは歌だよね」と共通認識として最初に持って走り出せたのは、よかったと思います。
──ドラムに関しても、曲の骨格を作る役割だからシンプルに徹しようと思えばできると思いますが、その中にも随所に個性的なフレーズが散りばめられていて。
MIZUKI：ありがとうございます。歌や他のパートが目立つところでは前に出すぎないようにしているけど、「ここだ！」っていうときはフィルを頑張ろうと前に踏み込んでいますね。レコーディング自体はバラバラで録ったんですけど、私が先に録るときもあれば、ざえもんが先に入れてくれたときもあって。ざえもんが先に録ったときはめちゃくちゃいろんなことをやってくれていたので、そこに合わせてユニゾンしたりフィルを絡めたりも結構しました。
──わかざえもんさんがレコーディングでこだわったポイントは？
わかざえもん：自分たちのバンドなので、他のプロジェクトやサポートではできないことをやろうとは思っていて。ベースって極論、どシンプルでも別にカッコいい楽器ではあると思うんですけど、自分が今まで他の現場で学んでことを選抜しながら、このバンドの色になっていくであろうフレージングを目指して、いつか「East Of Edenの曲を聴いてベースを始めました」みたいな人が現れてほしいなと思うキャッチーさも残しながら、いろいろ練りました。
──「This Moment」のベースラインなんて、めちゃくちゃカッコいいですものね。
わかざえもん：ありがとうございます。さっきAyasaさんがおっしゃっていましたけど、Maoさんが枠組みを作ってくださった段階だとまっさらなスケッチブックみたいな状態で、あとはメンバーでどうぞみたいなところに私が特攻隊長になって（笑）、「何でもやっていいんすか？」みたいな感じで盛りに盛って。他の楽器を入れる段階で邪魔なフレーズがあったら、あとで引いていけばいいという感じで録ったら、最終的に全部通っちゃってライブがヤバくなるという形でした（笑）。
2ndワンマンライブでは「変拍子についてくるお客さんを見たい」
──加えて、随所で楽しめるギターとバイオリンのユニゾンプレイはこのバンドの持ち味のひとつだと思いました。
Yuki：私はイベントなどでバイオリンとセッションしたことはありますけど、こうしてバンドとして、しかもツインリードをやるのは初めてで。レコーディングでは私から先に録ることがほとんどで、わかざえもんちゃんとMIZUKIさんが録ったリズムトラックを聴いて「2人がこうプレイするんだったら、私はこのプレイをしよう」と臨んでいたので、そのあとにAyasaさんがどんな絡みをしてくれるのかがめちゃくちゃ楽しみだったんです。そしたら、いい感じのバトル感もありつつ、Ayasaさんが私のニュアンスにめちゃくちゃ合わせてくださったりして、すごく気持ちいい形に仕上がっていましたし、レコーディングやライブでのツインリードがますます楽しみになりました。
Ayasa：普通の現場だとソロは基本ギターか鍵盤の方が担当して、何曲かのうち1曲くらいバイオリンとかストリングスのソロがあるくらいですし、逆に『バンドリ！』ではバイオリンソロ祭りなので、ツインリードみたいなことはあまりやったことがなくて。前からギターとのツインリードはやってみたかったですし、今はギターに絡みにいけることが本当に楽しいんです。
──湊さんはそこに歌を入れていくわけですが、ご自身の中で特にこだわったポイントや大切にしたことは？
湊：やっぱり歌詞の世界観を壊さないように、ちゃんと歌いたいなと思って。自分で「この歌詞はこういう解釈なんだろうな」ということをひたすら読みながら考えたりしてから、レコーディングに挑みました。例えば「This Moment」だったら、「二度と同じ瞬間はない」という歌詞に、この5人で集まれた奇跡があったからこそ今があるよという現実と重ねて、聴いた人に「自分らしく輝いていたら、また新たな奇跡も生まれるんだ」という希望を感じてもらえるように歌いました。
──そして年明け3月19日には、早くも2ndワンマンライブ『East Of Eden - World Premiere Special Showcase - [Encore]』の開催も決定しました。このミニアルバムに収録された5曲を聴き込んでから臨めるという点では、前回と大きく異なります。
Yuki：確かに！
湊：ということは、この5曲は絶対にやらないといけないわけですよね。
Ayasa：1stライブのときはみんな「Evolve」しか知らないから、「あとは何が起こっても大丈夫！」というのが心の安定剤だったんだけどね（笑）。
わかざえもん：ついに曲を細部まで知られてしまいましたね（笑）。
──前回は仮に演奏を間違ったとしても、初めて聴く人にはそれが「正解」だったわけですものね（笑）。
わかざえもん：ヤバいですね。「螺旋回廊」にちゃんとついてくるお客さんを、私は見てみたいです。
MIZUKI：確かに！ あの変拍子にどうついてくるのか（笑）。
Ayasa：後ろでカウントダウンしてあげたいよね、「変拍子まであと〇〇秒」とか「復帰するまで〇〇秒」とか（笑）。
全員：（笑）。
Yuki：次のライブまでには1stライブのBlu-rayも出ているのかな。このミニアルバムとライブBlu-rayで、しっかり予習できるわけですものね。
Ayasa：じゃあ、めっちゃ知ってるわけだ！
わかざえもん：えー、困る（笑）！
Yuki：（笑）。とはいえ、次は曲をよく知っているから、さらに楽しめると思うんです。それに加えて、1stライブよりもバンドとしても成長して、前進している姿を絶対に見せたいという気持ちでいます。
湊：1stライブでは皆さんも探り探りなところもあったと思うので、次はもうちょっと親切なライブを心がけたいなと（笑）。それに、皆さんもCDやBlu-rayで予習することで万全な体制で臨めるはずなので、前回のライブを会場で楽しんだ方も、次に初めて会場で体験する方も、みんな同じように楽しめるライブにしたいなと思います。
※1：https://realsound.jp/2023/10/post-1466485.html
■リリース情報1
East Of Eden
1stミニアルバム『Forbidden Fruit -1st piece-』
2023年12月20日（水）CD＆配信同時リリース
配信：https://eastofeden.lnk.to/ForbiddenFruit_1stpiece
＜収録曲＞
全5曲入り、3タイプ共通
1. Evolve [Album Version]
2. This Moment
3. 螺旋回廊
4. 無重力飛行
5. 花美
【初回限定盤A】CD+Blu-Ray、VIZL-2262、￥4,950（税込）
＜Blu-ray収録内容＞
1. Evolve [Extended Version](Music Video)
2. 楽曲未定(Music Video)
3. Evolve [Extended Version](Music Video) -Making Movie-
【初回限定盤B】CD+DVD、VIZL-2263、￥4,730（税込）
＜DVD収録内容＞
1. Evolve [Extended Version](Music Video)
2. 楽曲未定(Music Video)
3. 楽曲未定(Music Video) -Making Movie-
【通常盤】CD、VICL-65904、￥2,750￥4,730（税込）
■リリース情報2
East Of Eden
ライブ映像作品『World Premiere Special Showcase 2023』
発売日：2024年3月13日（水）
＜商品詳細＞
【Blu-ray】8,580円（税込）／ライブ本編＋メイキング映像収録
【DVD】6,380円（税込）／ライブ本編のみ収録
【完全生産限定盤】ビクターオンラインストア限定販売 14,080円（税込）／Blu-ray＋A4サイズ豪華フォトブック＋スリーブケース仕様
収録曲（※全13曲入り、3タイプ共通）
1. Evolve [Extended Version]
2. Deep Dive
3. 無重力飛行
4. 鈍色のラビリンス
5. New Day
6. 螺旋回廊
7. 残された果実
8. echo echo
9. YELLOW CARD
10. 花美
11. Chasing The Moon
-Encore-
12. This Moment
13. Evolve [Extended Version]
