竹内唯人と$HOR1 WINBOYを「Good Bye」へと導いた“失恋体験” 「MIRAI」とも共通する姿勢

“失恋”をきっかけに動き出した「Good Bye」制作秘話

ーーそして今回、2年半ぶりとなる二人のコラボ曲「Good Bye」がリリースされます。楽曲制作の経緯はなんだったのでしょう?

竹内:「MIRAI」の後、VILLSHANAも加えて「YOZORA feat. VILLSHANA & $HOR1 WINBOY」をリリースして。そこから1年ぐらい$HOR1と会わない期間が続いて、ある日、久しぶりに会おうと思ったんです。そのきっかけが、俺が彼女と別れたんですよ。そのことを$HOR1に言おうと思って。$HOR1のバックDJの家でレコーディングをしていたので、そこに$HOR1を呼んで「実は、俺別れたんだよね」と言ったら、なんと$HOR1も彼女と別れたばっかりで。「そんなことある!?」ってビックリしたんですよ。それで自然と「……曲やるべ」と言ってね。

ーーじゃあ、額面通り2人の破局がきっかけで生まれた曲なんですか。

竹内:そう、完全な「Good Bye」です!

ーー恋愛の曲という雰囲気は醸しつつも、歌詞に「mirai」というフレーズが出てくるので、前作と絡めているのかなと思っていました。

竹内:ありがとうございます。その要素ももちろんあります。

ーー自分のいた場所とか仲間たちと離れて、「俺はもっと上へ行くよ」という別れの曲でもあるのかなって。

竹内:それいいね! そういう受け取り方をしていただけるのは、俺らとしては嬉しいです。

ーー曲のテーマが決まって、そこからどのように形にしていったんですか?

$HOR1:唯人の家で「まずは適当に作ろうぜ」と言って、朝方5時ぐらいにフックが降りてきて「やばくね?」って。そのままの勢いで作りました。

ーーどんなこと考えながら作詞されたんですか?

竹内:俺は彼女と別れたことや、付き合っていた時のことをいろいろと思い出して。自分の反省する部分と、言いたいことをバーっと書き出してグッと固めた感じですね。

ーー作詞している時、メンタル的にはどんな感じでした?

竹内:そういう心の揺らぎみたいなのは、あんまりなかったです。ネガティブな気持ちはなくて、前向きに言いたいことを書いたら、ちゃんと「Good Bye」っぽい内容になりましたね。

$HOR1:俺は多少ネガティブな部分がありました。「ほんまに別れたんかな?」という心の整理がついていなかったけど、でも別れたのは事実やから「これでGood Byeするか」って気持ちになりました。

竹内:この若さ(※竹内は22歳、$HOR1は23歳)にしては、俺らめっちゃいい恋愛をしたよね。俺は4年半、$HOR1は3年半付き合っていたんですよ。

$HOR1:結構、真面目な恋愛をしてたね。

竹内:まあ……いろんなことがあったんですよ。

$HOR1:うん、濃かったよね。

ーー付き合っている最中に、彼女のことを書いた曲ってあるんですか?

$HOR1:俺はめっちゃ書いてますね。ほとんどの曲がそう。

竹内:俺は……あ、1曲だけ書いたわ!

$HOR1:ええ! それ、知らんぞ。

竹内:2年前に出した「XX」がそうだね。

$HOR1:あ、そうやったんや!

竹内:$HOR1のこともそうだし、大事に思っている人のことを思い浮かべながら書いた曲だから、2番に彼女のことを歌ったフレーズも入ってます。それ以外では書いたことはないですね。

ーー先ほど竹内さんが言っていた「いい恋愛してた」というのは?

竹内:別れてから年上の人と話した時に「俺が22歳の時なんて遊びまくってた」「唯人はエラいね」と言われました。ということは? っていう。だって4年半の内、3年半は同棲していたんですよ。

ーーなるほど。そもそも、お互いが同じタイミングで彼女と別れていたのもすごい偶然ですよね。

竹内:ビックリです! 3秒ぐらい口開きましたもん。

$HOR1:引き寄せあっているかのようにね。

ーー彼女との別れを歌った歌詞でありながら、曲自体は明るくて希望を感じるサウンドになっていますね。

竹内:確かに、なんでこの曲で「Good Bye」になったんだろう? デモを録った時から〈Good Bye〉のフレーズはあったよね。

$HOR1:そうそう。俺が「Good Bye」って言ってたんですよ。いつもは宇宙語みたいな感じで適当な言葉をはめるんですけど、今回はハッキリとそのフレーズを入れていて。きっと、さよならをしたかったんでしょうね。

竹内:そのフックが以前にも聴いたことがあるくらい、気持ちいいし耳馴染みが良くて。「もう、これでいこう!」となってね。サウンドがどうっていうよりは即決でした。ニュアンスとしては「MIRAI」とも通じる感じでした。

$HOR1:「MIRAI」から「Good Bye」に行く間で、実は2人で曲を出そうという話は何回も出ていたんです。しんみりした曲も作ったけど、「別にこういうのは、求められてないよね」となって。ただ、聴いた人の心に響く曲がいいよね、とは言っていて。辿り着いたのが「Good Bye」だったんです。いろいろと葛藤していたんだよね、2人で出す曲を。一発目の「MIRAI」が結構伸びたから、どこかプレッシャーみたいなのがあって。「これは別に求められてないか」とか「伸びないか」とか、模索していたら2年半ぐらい空いちゃったんです。

竹内:無理やり出しても、いい曲は作れない気がして。そしたら突然タイミングが来ちゃったんですね。

$HOR1:妥協せずに待ってよかったよな。

竹内:知ってる? 「MIRAI」の配信日が「Good Bye」のリリース解禁日だったらしいよ。

$HOR1:マジで!? 話ができすぎてて、さすがに引くな。

ーー「MIRAI」も「Good Bye」も過去にすがらず、前へ進んでいく曲なんですよね。この前進力がお二人の音楽性の1つなんだなと思いました。

$HOR1:やっぱり「MIRAI」の続きじゃない? 唯人のフックのところにも〈miraiを見つけることができる〉としっかり繋げているし、前向きな曲でもあるから最後に「一人で」と歌っているように「これから一人で頑張るから、あなたも頑張ってください」という感じですよね。

ーー個人で曲を作る時と、お二人で曲を作る時とで意識は違います?

$HOR1:唯人と曲を作るのはめっちゃ楽しいですよ! 気持ちが乗るよね?

竹内:俺もめっちゃ楽しい。逆に、1人の時はめっちゃ集中する。もちろん楽しいけど、また全然違うね。

$HOR1:やっぱり1人だと、こだわり過ぎるんですよね。唯人とはお互いに曲をシェアできるし、全然違うメロディラインなので、楽しいし刺激を受けますね。

ーー一緒にやることで「自分のこんな部分が引き出される」という感覚はありますか?

竹内:男女含めていろんな人と音楽を作ってきたけど、$HOR1の場合は綺麗な色になるイメージなんですよね。もちろん、これまでコラボした中でもめっちゃいい曲はあるんですけど……$HOR1はすごくいいんですよね。いい意味で何も考えずにできる。

$HOR1:俺も同じ気持ちです。楽しいし、マジで素直に書いてる感じが毎回ある。何も考えずに、今本当に書きたいことを作り話とかじゃなくて、自分の身に起きたことを包み隠さず、そのままトラックに乗せられる。そういう飾らないリアルさが毎回あるから、すごく楽しいです。

竹内:フィーチャリングする時って、「相手に負けないように頑張ろう」という気持ちがあったりするんですけど、$HOR1とやる時はまったくないんですよ。“いいモノを作らないと”っていうだけなんですよね。

$HOR1:確かにな。ヴァースでこいつを食いたいな、と思わないです。その感覚って唯人にしかないかも。お互いのスタイルが違いすぎるんですよね。「MIRAI」も「Good Bye」もそうなんですけど、俺のヴァースは基本ラップなんです。俺が淡々としていて、唯人がメロで来るから、戦うどうこうとかスキルどうこうじゃなくて。それがマジでいいよな。だから俺らでライブをやりたいんですよね。

ーー今の段階で構想はありますか? いつ頃にライブをしたいとか、いつ頃にEPやアルバムを出したいとか。

竹内:もちろんEPは出したいけど、それは「Good Bye」の結果次第ですね。

$HOR1:これがバーンと伸びてくれたら、みんなも待ってくれているハズだから、一緒に何かやらないと意味がない。「Good Bye」が伸びたらEPのリリースも早いやろな。

ーー「Good Bye」もバズる感じがしますよね。

竹内:めっちゃします! むしろバズらないとヤバいよね。

$HOR1:自信がありすぎるよな。

竹内:ある! 本当にあるね! $HOR1と久しぶりに会って、2人の写真をインスタに上げた時も、ずっと連絡がなかったファンから突然DMが来て「マジで待ってました!」と言われました。

$HOR1:2年ぐらいお互いのSNSに出てくることもなかったし、そもそも会ってもなかったしな。「Good Bye」を作っている最中に、2人で湘南の海に行ってインスタのストーリーに写真を上げたら、かなりの人が反応してくれたよね。「やっとだ!」みたいな。本当にやっと、やもんな。

竹内:「MIRAI」で竹内唯人を知ってくれた人も多いし、俺1人のライブなのに「MIRAI」を歌わなかったら「やらなかったんですね」と言われることもあるし。やっと新曲を出せるのが、すごく嬉しいですね。マジで妥協してないし、心からいいと思って出すので自信しかない。これさ「MIRAI」と同じくらいか、それ以上に曲がバズったら1カ月以内にEPを出そう! これはマジで!

$HOR1:宣言します!

竹内:マジで猛スピードで出します。

ーーちなみに2人で叶えたい夢ってありますか?

$HOR1:俺は2人だけでデカいところに立ちたいですね。Zeppに立てたら大満足。

竹内:俺もZeppですね。2人だったら絶対にいけると思う。それもこれも「Good Bye」次第です!

■リリース情報
竹内唯人 & $HOR1 WINBOY「Good Bye」
配信:https://umj.lnk.to/good_bye

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