ICEx、デビューを経て高まったチームの結束 2ndシングルは喜びに満ちた1年間の成長の証に

 スターダストプロモーションが手がけるEBiDANの新グループとして、今年8月にメジャーデビューを果たした8人組ダンスボーカルグループ ICEx。「すべての愛を愛す」をコンセプトにレトロトイポップを軸に据えて活動する彼らが、12月13日に約4カ月ぶりとなる2ndシングル『シブヤ 午後6時』をリリースした。今回、ICExのメンバー8人全員にインタビューを行い、デビューシングルから成長したという2ndシングルの制作過程や収録曲のコンセプト、さらに今年の活動の振り返りや、2024年春に開催されるツアーへの意気込みについても語ってもらった。“ファンから受け取る愛の大きさ”を意識したという、彼ららしい言葉をじっくりと読んでみてほしい。(市岡光子)

“EBiDANの後輩”以上の存在を目指して

——メジャーデビューしてからの約4カ月、どのように過ごされましたか?

志賀李玖(以下、志賀):新しい経験をたくさんした4カ月でした。リリースイベントをいろいろな地域でやらせてもらって、その土地でしか会えないCOOLer(ICExのファンネーム)の皆さんとお会いすることができて。ICExを応援してくださる方がたくさんいると実感できたからこそ、今日まで頑張ることができたなと思います。あと、デビューしてから、メンバー一人ひとりの意識が大きく変わりました。その結果、グループとして1つにまとまってきた感覚があります。よりICExらしさが出てきたというか。

中村旺太郎(以下、中村):僕も李玖と同じことを言おうと思ってました。デビューしてから、活動に対する僕らの責任感が日増しに強くなっているんです。夢だったメジャーデビューを叶えた先に、ファーストコンサートやツアーの開催と、いろいろな新しい物事が始まっていて。それに対して心配な気持ちもなくはないんですけど、今感じているのは責任感のほうが大きいですね。とはいえ、以前から持っていた活動やパフォーマンスを楽しむ意識も大切にしながら、日々成長していきたいなと思っています。デビューしてからいろいろな変化を感じていますが、初心を忘れたくないです。

志賀李玖

阿久根温世(以下、阿久根):楽曲も含めて、僕たちのことをたくさんの方に知ってもらえるようになったのは、メジャーデビューをして感じる大きな変化ですね。前の二人も言ってましたけど、メンバーの意識がすごく変わって、チームとして締まってきたと思います。デビュー前はふわふわしていた部分が、だんだんなくなってきているというか。ダンスや歌のレッスン中も、年齢に関係なくメンバー全員が意見を言い合っていて。いいチームになってきたんじゃないかなと思います。

——メジャーデビューシングル『CANDY』は、Billboard Japan「Top Singles Sales」で5位、オリコンのデイリーシングルランキングで最高2位と、大きな反響がありました。そうした反響については、どのように感じましたか?

山本龍人(以下、山本):チャートでの反響は、ICExのコンセプトや楽曲の雰囲気をCOOLerの皆さんに知っていただけたということなので、とても嬉しく思いました。僕たちの掲げる「レトロトイポップ」というジャンルについても、EBiDANの先輩や共演したアーティストさんなど、いろいろな方から「おしゃれだね」と言っていただけて。

 特にFM OSAKA主催の『GOOD WAVES LIVE!!』で共演させていただいたTHE SUPER FRUITさんは、TikTokで「COUNT DOWN」を踊ってくれたんです。それがめちゃくちゃ上手くて、なんなら自分たちよりも上手いんじゃないかと思うぐらいで(笑)。僕らのダンスを見て覚えててくださって、それを踊ってくださったことがすごく嬉しかったです。

山本龍人

——今、ICExはすごく勢いがあるということですよね。

千田波空斗(以下、千田):確かに自分たちでも分かるくらい、今すごく忙しいです。いろいろなライブに出て、共演などもさせてもらってて。この波に乗ってICExのメンバーともっと上まで行けたらいいなって、めちゃくちゃ思いますね。

八神遼介(以下、八神):でも今、皆さんが感じてくださっている勢いって、EBiDANの先輩方のおかげもあると思うんですよ。先輩方が大きく活躍されていて、その後輩としてデビューできたからこそ、興味を持っていただける面もあったというか。だからこそ、いつまでも“後輩”だと甘んじてちゃいけないなってすごく思います。ファンの方についてきてもらえるように、これからは自分たちの力で今よりもいろいろなことに挑戦させてもらえるようなグループになっていきたい。用意していただいた環境を活かして、そこからまた自分たちで頑張りたいなと。

——ライブに関するお話もありましたが、8月5日にヒューリックホール東京で開催した初のワンマンライブでは、どんなシーンが一番思い出に残っていますか?

竹野世梛(以下、竹野):一番印象に残っているのは、僕らが客席側に降りて、通路でパフォーマンスをした時間です。COOLerの皆さんと目の前で触れ合えるのは特典会くらいしかないけれど、ライブで皆さんの前に立って踊ることができて、すごく楽しい空間で良い経験になりました。

筒井俊旭(以下、筒井):僕はステージに登場する場面ですね。初ワンマンの前にもいろいろとリリースイベントなどをやらせていただきましたが、やっぱり自分たちのワンマンライブで登場する瞬間は空気が違いました。僕らがステージに入った瞬間、「キャー!」って大きな歓声が聞こえてきて。「あ、これがライブなんだ」ってすごく興奮しましたし、自分たちだけのライブで、たくさんのファンの方がペンライトを持ってくださっている景色を見れたのも本当に嬉しかったです。スモークや照明などの舞台演出と僕らのパフォーマンスが合わさると、あれだけの熱気を生み出せる。そんな実感があって、めちゃくちゃ印象に残っています。

筒井俊旭

「シブヤ 午後6時」で実感した感情表現の成長

——2ndシングル曲「シブヤ 午後6時」は、どんなコンセプトの楽曲ですか?

志賀:この曲も、1stシングルと同じくレトロトイポップを掲げている楽曲です。レトロ感あふれるメロディなんですけど、それでいて楽しい“トイポップ”な部分があったり、歌詞に〈TikTok〉という言葉が使われていたりと、今の若い人たちにも馴染んでいただきやすい楽曲になっていると思います。あと、サビのところで〈シ・ブ・ヤ〉ってフレーズがたくさん出てくるのですが、それがキャッチーで耳に残るなって。耳なじみの良い楽曲でもあると感じます。

——この楽曲をもらったとき、第一印象はいかがでしたか?

中村:最初の音からICExらしさがあるというか、イントロからファンの方も楽しめる楽曲だなという印象がありましたね。それでいて聴き進めていくと、急に転調する部分があって。僕はそこがすごく好きで、ステージでのパフォーマンスもダンスブレイクをするんですけど、「うわ、ここめちゃくちゃ楽しいじゃん」って思いながら楽曲と毎回向き合ってます。

八神:最初に楽曲をもらったときはインストの状態で聴いたんですけど、90年代に流行った曲とか、今までに僕たちが聴いてきた曲の良いところがいっぱい詰まっているような楽曲だなと感じました。

中村旺太郎

——この曲って、すでにリリースイベントなどでパフォーマンスされているんですよね?

阿久根:してます。「令和の待ち合わせソング」ってキャッチコピーをつけているので、僕らも待ち合わせするワクワク感を意識しながらパフォーマンスしていますね。アッパーな気持ちで、歌詞にあるように〈午後6時を待ち侘びてる〉ように歌っているので、COOLerの皆さんにも一緒にこの楽曲を楽しんでもらいたいなと思っています。

——レコーディングでは、どんなことを意識しましたか?

竹野:温世も言ってた通り、歌詞に描かれた感情をイメージしながら歌いました。僕は冒頭の〈午後6時を待ち侘びてる〉を歌っているんですけど、「待ち侘びてる」って言葉を使うくらいだから、やっぱりこの歌の主人公もワクワクしてると思うんですよね。だから僕もワクワクした気持ちでレコーディングに向かいました。

千田:歌詞を見ていただければ分かると思うんですけど、ストーリー性がめちゃくちゃあるんですよ。なので、温世や世梛が話してた通り、レコーディング時は自分が渋谷で待ち合わせをしている感覚を呼び起こすことを意識してて。サビは特に、声色を明るく元気にして歌いました。あと、2番で竹野が〈今みんなも同じ気持ち?〉と歌った後に、自分が〈もう待ちきれないよ〉と歌う部分があるんですけど、そこは竹野がどんな風に歌っているのかを想像しながら自分の歌い方を考えました。デビューシングルのときはそういうことをあまり意識できませんでしたが、今回はしっかり考えられるようになったんです。

千田波空斗

——他に2ndシングルの制作過程で成長を実感できた部分はありますか?

山本:やっぱり歌の部分で成長を感じることが多かったですね。僕はレコーディングで、歌詞の情景を伝えるためにワンフレーズごとに区別して歌えるようになってきました。例えば、サビは元気よく歌うんですけど、僕が2番の頭で担当している〈午後3時にソワソワして〉という歌詞では、その感じを出せるように息を多めで歌ってみたりして。そういう表現の変化をちょっとずつできるようになってきたのは、成長した部分ですね。

筒井:僕もまだまだ成長しなきゃいけない部分はありますが、自分の感情を歌に乗せられるようになってきました。さっき龍人や波空斗も言ってたんですけど、サビの歌詞は情景が細かく書かれているので、実際に自分も待ち合わせをしている様子を思い浮かべながら、想像力を働かせながら歌うことができたんじゃないかなと。

——では、MVも含めて、楽曲で特に注目してほしいポイントは?

竹野:MVはサビのダンスに注目してほしいです。メンバー全員で集まってパフォーマンスをしますし、バックで20名のダンサーさんも踊っているので、ダイナミックさがあると思います。

千田:僕は最後のサビのところにある李玖と温世の絡みが好きで。リリースイベントでも毎回2人がパフォーマンスをしてCOOLerの方を沸かせているんですけど。MVでも2人がフォーカスされていると思うので、ぜひ注目してもらえたらなと思います。

ICEx - シブヤ 午後6時 (Official Music Video)

関連記事