MY FIRST STORY Hiro、ONE OK ROCK Takaと叶えた約束の東京ドーム コラボも果たした熱狂の夜

 スモークが焚かれたステージに青いライトが妖美な雰囲気を醸し出す。スクリーンにMY FIRST STORYのバンドロゴがあらわれるとオーディエンスの歓声がこだました。彼らだけでなく、ファンも東京ドームでのライブを夢見てきたのだ。大きな歓声を打ち破るようなHiroのデスボイスで「最終回STORY」から後攻、MY FIRST STORYのライブがスタート。「人生を賭けた下剋上をみせてやるからな。お前ら本気でかかってこいよ」とHiroが咆哮をあげると勢いそのままに「ALONE」へ。ステージに上がった火柱に会場が湧き上がると〈NO MORE!!〉のコールでオーディエンスの熱量が急上昇。エモーショナルなラップパートとキャッチーなメロディが印象的な「メリーゴーランド」やHiroのハイトーンボイスが心を揺さぶる「君のいない夜を越えて」が披露されるころには、完全に東京ドームがMY FIRST STORYのホームグラウンドとなっていた。

 むかえたMCでは、前半のハイペースなステージ運びに息を切らしながら会場に駆けつけたオーディエンスへ感謝の気持ちを伝え「今日という日は、バンドを始めた頃からの目標でもあり、なにより夢でした。2011年から始めて約12年かかりました」と語った。「何度も何度も兄のことを妬んでひがんで、それと同時に心のどこかで憧れ続けてきました」とTakaへの素直な想いを口にし「せめて自分にだけは負けたくないので、今日は全力で勝ちに行こうと思います」と高らかに誓うとロックな太いリフから「アンダーグラウンド」へ。「東京ミッドナイト」では、東京の夜景をイメージした映像とネオンの輝きを思わせる照明が、東京ドームをサイバーパンクな雰囲気に染め上げた。

Photo by Taka"nekoze photo"

 ダークなベースラインが地響きを思わせる「PARADOX」につづき、ダンサブルなイントロにのせて「虚言NEUROSE」が始まると「今日一日にかけてきた」と力の限りシャウトするHiro。「ここからは一分一秒無駄にするなよ」「全力で楽しんでいこうぜ」とオーディエンスを煽ると「ACCIDENT」「I'm a mess」「MONSTER」を立て続けに披露した。メンバーのソロからなだれ込む「モノクロエフェクター」では、コールアンドレスポンスとクラップが会場をひとつにする。「全力でかかってこいよ」の掛け声とともに花火が上がると「REVIVER」で盛り上がりは最高潮。最後までフルスロットルで駆け抜けることを決めたMY FIRST STORYをもう誰も止めることはできない。追い打ちをかけるように代表曲のひとつ「不可逆リプレイス」をプレイし、ラストナンバーには、Hiroが家族への気持ちを綴った「Home」で完全燃焼。MY FIRST STORYの歴史に大きく刻まれるエポックメイキングなライブとなった。

 最後には、ONE OK ROCKとMY FIRST STORYがステージに上がり、ONE OK ROCKの「Nobody's Home」をともに演奏。家族の絆や夢を追うことの苦しさと希望をテーマにしたこの楽曲。TakaとHiroの兄弟だからこそ、より切実に響く。〈心から愛してるよありがとう〉とラストフレーズをHiroが語りかけるように歌うとTakaと熱い抱擁を交わし、一人のバンドマンとしての夢を叶えた熱狂の夜に幕をおろした。

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