『プロセカ』Leo/needが音楽を通して届ける青春の煌めき リスナーを捉えてやまない“あの頃の青臭さ”
このように、レオニの書き下ろし楽曲の魅力は、4人の成長を応援するような、力強くも温かいバンドサウンドにある。ロックサウンドを軸としたボカロPが、その魅力をさらに引き立てているのだ。『プロセカ』はオリジナルキャラクターの一人ひとりが愛されているゲームであり、ユニットごとの魅力を理解する上でも、個人にフォーカスした楽曲が必要不可欠といえる。
その観点からすると、一歌にフォーカスしたイベントのために書き下ろされた「the WALL」(作詞・作曲:buzzG)も外せない。一歌は、誰の歌でも歌いこなす器用な初音ミクの存在に惹かれ続けたひとりだった。イベントストーリー「Echo my melody」では、DTMの作曲を始めた一歌が、初めて納得できるメロディを初音ミクに歌ってもらった時に、「ミクの心と私の心が、シンクロしたように感じたの」と話すシーンがある。「the WALL」は、青春を駆け抜けていくなかで生じる4人の葛藤と、それを乗り越えようとする強さを、ギターの鋭いカッティングとシンセの重厚なサウンドで表現した曲だ。〈君とならそれを、世界を、歌ってみたい すべての壁を溶かす 歪であったかい唄〉という歌詞に合わせて、MVではギターを弾く一歌と初音ミクの2人の視線がまるで交わるように重なり合う瞬間は格別に感動的である。
志歩にフォーカスをあてたイベントストーリー「Resonate with you」の書き下ろし曲となった「「1」」(作詞・作曲:164)は、孤独を抱えてきた志歩が、レオニのメンバーとの出会いで、一人ではないことの大切さに気づいたことを歌う心温まる1曲。メンバー内でもプロを目指す志歩は、ほかのバンドに誘われて気持ちが揺れ動いた瞬間があったもののレオニの4人で活動をすることを決めた。メロディアスなギターサウンドが切なさを、ベースとドラムのリズムが曲の躍動感を演出するなか、熱を帯びたリアルな歌声がまっすぐに届く。志歩の成長を感じる〈その時に私が見る景色は 独りだと意味がないから〉という歌詞に、多くのユーザーが心を熱くしたはずだ。
メンバー一人ひとりの個性が鮮やかに描き出されていることで、4人にフォーカスをあてた楽曲は、より一層感動を呼び起こす。なかでも、バンドを再結成して初めて演奏した「needLe」(作詞・作曲:DECO*27)は、演奏する4人の姿が、若々しくも力強く、胸を打つ。そして聴き手側は、あの頃の青臭さが懐かしく、愛おしく感じられる。どこまでも成長を続けるレオニのストーリーを、これからも見守っていきたい。
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■リリース情報
Leo/need 7th Single『Flyway/相生』
2023年11月22日(水)発売
価格:¥1,540 (税込)
<収録内容>
1.Flyway
2.相生
3.Flyway -instrumental-
4.相生 -instrumental-
詳細はこちら
https://bushiroad-music.com/musics/brmm-10696
『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』公式サイト
https://pjsekai.sega.jp/