SCANDAL、にしな、のん、日比谷野音でそれぞれの“強さ”を見せた一夜 『Women In Music vol.1』レポート
トリを務めたのはSCANDAL。今年8月には「同一メンバーによる最長活動ロックバンド(女性)」としてギネス世界記録™️に認定された彼女たち。この日は新旧織り交ぜたセットリストで臨んだ。
冒頭から10月にリリースされた新曲「ハイライトの中で僕らずっと」で沸かせ、「瞬間センチメンタル」の後半サビではシンガロングが響きわたる。ガールズバンドとして10代から30代まで駆け抜けてきた彼女たちだが、MCでHARUNA(Vo/Gt)は「(今の)30代の気持ちで10代の頃に書いた歌詞を歌うのも楽しい」と語った。その言葉からは、年を重ねていくなかでの変化さえも楽しむ、彼女たちの強さや凛々しさが垣間見える。
そして、その強さや凛々しさは、ある意味ではかつて男社会とも捉えられるロックシーンで長年戦ってきたからこそ培われたものなのかもしれない。〈Hey! sister/その足で立ち上がれ/怖いものにウィンクして/上手く生き抜くのだ〉と歌う「Sisters」は、逆境でも負けるなとエールを送ってくれているように思えた。力強いパフォーマンスの一方で、ラストの「SCANDAL BABY」では、HARUNA、MAMI(Gt/Vo)、TOMOMI(Ba/Vo)がステージ中央に寄ったり、MAMIとRINA(Dr/Vo)が顔を見合わせて演奏したりと、無邪気な様子を見せる一幕も。4人全員が、一緒に音を鳴らすことを心底楽しんでいるのが伝わってくるステージだった。
3組それぞれが真っ直ぐに音楽に向き合う姿を見届け、彼女たちの魅力に触れた本イベント。来年2月8日には、『Billboard JAPAN Women In Music vol.2』が東京・TOKYO DOME CITY HALLで開催されることも決定している。同公演には家入レオと加藤ミリヤが出演し、オーケストラとコラボレーションする。この取り組みが、ジェンダーについて考えるきっかけになればいいと思う。何かを行う時、性別はきっと関係ない。ただ純粋に、何かに一生懸命になる姿。それだけで十分かっこいいし、人は輝いて見えるのだから。