あいみょん、表現の奥深さを再認識! MV1億回再生超の名作「愛を伝えたいだとか」アート展示を体験レポート

あいみょん「愛を伝えたいだとか」展示レポ

 あいみょんのメジャーデビュー10周年を記念して、東京、大阪、愛知の3都市を巡回している『「愛を伝えたいだとか」MUSIC VIDEOアート展示』。2017年に発表された同曲のMVに登場するワゴン車やその世界観を再現し、映像のなかで見てきた空間を実際に体感できる企画だ。東京での開催に続き、8月7日から9日まではJR大阪駅・大阪ステーションシティ 南ゲート広場(サウスゲートビル1階南側正面入口東方)で開催された。

 今回筆者が訪れたのは、大阪会場。大阪駅を行き交う人々の間を抜けて南ゲート広場へ向かうと、まず目に飛び込んでくるのが、2017年に公開された「愛を伝えたいだとか」のMVの舞台となったワゴン車だ。

あいみょん『「愛を伝えたいだとか」MUSIC VIDEOアート展示』

 「愛を伝えたいだとか」のMVは、「狭い部屋とそこにあるモノで楽曲を表現する」というコンセプトのもと、林響太朗監督によってワンカメ、ワンカット、ノー編集で撮影された作品。言ってしまえば、映像の最初から最後まで現れ続けている場所なのだが、それが実際の空間として目の前に現れると、やはりインパクトがある。赤やピンクを基調にした照明、ベッドやカーテン、棚、電話、壁に貼られたものや細かな小物まで、見慣れているはずのMVの世界観がそのまま立体になったようで、その再現度には驚かされた。

あいみょん『「愛を伝えたいだとか」MUSIC VIDEOアート展示』

 何度も観てきたMVではあるが、映像の中ではやはりあいみょん本人の表情や動きを追ってしまう。こうして車内をじっくり見てみると、「こんなところにこれが置いてあったのか」と気づかされるものも多い。画面のなかでは一瞬しか映らない小物や、セットの細かな作り込みまで確認できるのは、実物の展示だからこその面白さだ。

 同時に感じたのは、想像していた以上にコンパクトな空間で撮影されていたということ。MVではあいみょんがベッドに寝転がり、身を乗り出し、モノを手に取りながら、カメラの前を自由に動き回っている。その姿を思い返しながら実際の広さを目にすると、この限られたスペースをここまで大きく見せていたのか、と驚かされる。

あいみょん『「愛を伝えたいだとか」MUSIC VIDEOアート展示』

あいみょん『「愛を伝えたいだとか」MUSIC VIDEOアート展示』

 何より印象的だったのは、車内を眺めているうちに、MVでのあいみょんの動きまで自然と思い出されることだ。ベッドに寝転がったり、カメラに向かって歌ったり、小道具を手にしながら車内を動き回ったり。今にもあいみょんが現れて、この空間で再び歌い始めそうなほど、MVの世界観がそのまま再現されていた。

あいみょん『「愛を伝えたいだとか」MUSIC VIDEOアート展示』

あいみょん『「愛を伝えたいだとか」MUSIC VIDEOアート展示』

 そもそも「愛を伝えたいだとか」のMV自体が、ひとつの空間をどう見せるかというアイデアに溢れた作品だ。カメラは切り替わらず、舞台も変わらない。それでも、あいみょんの動きや表情、小道具、照明の変化によって、映像の印象は目まぐるしく変わっていく。固定された空間でありながら、決して単調にはならない。その舞台を実際のサイズで見ることができるという点にも、今回リアルな場所で展示する意味を感じた。

 2017年にリリースされた「愛を伝えたいだとか」は、今やあいみょんの代表曲のひとつ。軽快に跳ねるリズムとファンキーなベース、乾いたギターが絡み合う、グルーヴ感の強いサウンドが印象的だ。フォークや歌謡曲の香りを感じさせる楽曲も多いあいみょんだが、その中でも彼女の音楽性の幅広さを早い段階から示していた一曲と言える。

あいみょん『「愛を伝えたいだとか」MUSIC VIDEOアート展示』

あいみょん『「愛を伝えたいだとか」MUSIC VIDEOアート展示』

 一方で、そこで描かれている恋愛は決してスマートではない。相手に思いを伝えたいのに素直になりきれず、格好をつけたり、考えすぎたり、気持ちばかりが先走ってしまう。そんな面倒くささや格好悪さまで隠さずに歌うところに、あいみょんらしい人間臭さがある。

 タイトルも面白い。「愛を伝えたい」とまっすぐ言い切るのではなく、その後ろに「だとか」が付く。その少しだけ逃げ道を残したような言葉に、照れや強がり、感情をそのまま差し出すことへの恥ずかしさまで感じられる。恋愛の核心を歌いながら、どこか一歩引いた目線も忘れない。この距離感は、デビュー初期から現在まで続くあいみょんの歌詞の大きな魅力のひとつだろう。

あいみょん『「愛を伝えたいだとか」MUSIC VIDEOアート展示』

あいみょん『「愛を伝えたいだとか」MUSIC VIDEOアート展示』

 雑然とした車内をあいみょんが縦横無尽に動き回るMVも、「愛を伝えたいだとか」の軽快さやどこかもどかしい感情によく似合っている。モノが所狭しと置かれ、鮮やかな色が入り混じる空間のなかで、あいみょんの表情や動きが次々と変化していく。その情報量の多さも、このMVを何度も観返したくなる理由のひとつだろう。展示を見たあとにMVをあらためて観ると、これまで見過ごしていた小物やあいみょんが車内をどう動いていたのかにも自然と目が向く。見慣れていたはずの映像にも、実際の空間を目にしたからこそ気づける部分があり、再びMVを楽しむきっかけにもなった。

あいみょん - 愛を伝えたいだとか 【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

 2026年は、あいみょんにとってメジャーデビュー10周年のアニバーサリーイヤーである。これまでの歩みを振り返るさまざまな企画が展開されており、今回のMVアート展示もそのひとつだ。

 3月から4月にかけてはファンクラブツアー『AIMYON FAN CLUB TOUR 2026 “PINKY PROMISE YOU vol.2”』を開催。これまでに発表してきたオリジナルアルバムのアナログ盤も順次リリースされている。さらに、これまでMVが制作されていない楽曲のなかから、ファンのリクエストによって新たに一曲を映像化する「あいみょんMVリクエスト」も実施。4万3000件を超えるリクエストのなかから「RING DING」が1位に選ばれ、7月30日に新たなMVが公開された。7月には地元・兵庫県の阪神甲子園球場で10周年を記念した『AIMYON 10th anniversary LIVE 2026 「、、、」 IN 阪神甲子園球場』も開催。そして9月9日には、自身初となるベストアルバム『AIMYON BEST ALBUM - 唇を追え! -』の発売も控えている。過去のライブ映像を届ける企画なども展開され、新たな活動を進めながら、この10年間に生み出してきた楽曲やステージにも光が当たる1年となっている。

 『「愛を伝えたいだとか」MUSIC VIDEOアート展示』は、大阪に続いて8月18日から20日までJR名古屋駅直結のJRゲートタワーイベントスペースで開催される。MVで何度も目にしてきたワゴン車やその世界観を実際の空間で体感できる貴重な機会だけに、ぜひ会場でその再現度を確かめてほしい。

あいみょん『「愛を伝えたいだとか」MUSIC VIDEOアート展示』

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