クボタカイ、アコースティックライブ&トークでファンと交流 最新アルバムリリースイベントレポ

 クボタカイが、2ndアルバム『返事はいらない』のリリース記念イベントを10月21日に開催した。イベントはミニライブとトークおよびサイン会で構成。司会はFM802のDJであり、クボタとも番組で共演経験のある土井コマキが担当した。

左からクボタカイ、土井コマキ

 イベントはまず、クボタと土井によるトークパートからスタート。10月18日にリリースされた『返事はいらない』は、前作の『来光』以来約2年半ぶりのフルアルバムである。「“新しいクボタカイを見つけたい”ともがいているように感じた」という土井の言葉に頷きつつ、クボタはこの2年半を「今までの自分にはないものを追求していた」と振り返る。アルバム『返事はいらない』には、『来光』以降に配信リリースされた全シングルが収録されているが、一曲ずつ自分がやりたいことに挑戦し、それを積み重ねていった結果として見えてきたのが今回のアルバムだったという。

 収録曲は曲調もさまざまだが、誰かを想って書いたり、“誰かに届け”と歌った曲たちを、クボタは共通して“手紙”のように思っているそうだ。そんな“手紙”というコンセプトから、アルバムタイトルの『返事はいらない』が生まれたという。続けて、「僕も手紙のように歌うので、ラブレターを受け取るような気持ちで――もしくは誰かに差し出すような気持ちで――自由に聴いてほしい」と語りかけた。

 アルバムについてのトークを繰り広げたあとは、弾き語りミニライブへ。アコースティックギターを抱えたクボタは「手拍子ください!」と観客に呼びかけ、1曲目に軽快なストロークで「バニラ」を奏でた。その後も「エックスフレンド」「カップル」と、最新アルバム収録曲を次々に届けていく。

 MCでは「東京以外から来た人?」「アルバムでいちばん好きな曲はどれですか?」と観客と会話を交わし、続いてアルバムのなかでも華やかなバンドサウンドが印象的な「ふたりぼっち」へ。先程のトークタイムで、クボタは「やっと明るい曲が書けるようになった」と語っていた。今まではネガティブな感情をそのまま曲にしていくようなことが多かったが、最近はネガティブな感情を受け止めたうえでどう進んでいくのかを考え、一歩先のことを書くようになったと語る。ポップな雰囲気のなかで届けられた「ふたりぼっち」は、まさにその言葉を象徴する一曲だった。

 続く「タイムリミット」では、力強くギターをかき鳴らして会場を沸かせる。低音と高音を自由自在に使い分けるクボタの感情豊かな歌声も、ギター1本のシンプルな演奏だからこそより際立っていた。

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