Official髭男dism、SUPER BEAVER、King Gnu……同一シリーズの主題歌に起用されるバンドが持つ信頼感

 TVアニメやドラマ、映画などの映像作品を視聴する際、作品自体はもちろん、主題歌やテーマソングもあわせて楽しむ人も多いだろう。とくにシリーズ作品の場合、前シリーズの主題歌を担当したアーティストが続編も手掛けるケースは少なくない。そんななかから、直近で同一シリーズの主題歌を複数回担当しているバンドたちを取り上げてみようと思う。

 2023年10月3日より放送中のTVアニメ『東京リベンジャーズ』天竺編(テレビ東京系)のオープニング主題歌に起用されているのが、Official髭男dismの「ホワイトノイズ」だ。今年1月期に放送されていた聖夜決戦編からの続投となる。

 Official髭男dismと『東京リベンジャーズ』のタッグは、2021年放送のシリーズ第1期から始まった。この時のオープニング主題歌は「Cry Baby」。待ち受けるバッドエンドに抗おうとする主人公・武道の姿と重なる歌詞、繰り返すタイムリープを思わせる転調の数々が、作品の世界観を体現していると話題になった。

Official髭男dism - ホワイトノイズ [Official Video]
Official髭男dism - Cry Baby[Official Video]

 原作とのリンクは「ホワイトノイズ」でも見られ、本曲では弱さを自覚しながらも前に進もうとする主人公の心情が描かれているように思える。聖夜決戦編に続き、天竺編でもアニメの世界を彩ってくれることだろう。1期・2期と連続で主題歌を担当したことで、3期の放送決定時にはSNSなどで「次もヒゲダンなのでは?」と予想する声も見られていた。もはや“TVアニメ『東京リベンジャーズ』=Official髭男dism”の図式が出来上がっているといっても過言ではない。

 Official髭男dismとシリーズ作品といえば、TVドラマと劇場版3作品の主題歌すべてを手掛けている『コンフィデンスマンJP』も思い浮かぶ。「ホワイトノイズ」続投も含め、同一シリーズの主題歌を多く担当していることからは、作品ファンからの高い期待にしっかりと応えているのに加え、バンドがアニメやドラマ制作サイドと強い信頼関係で結ばれていることが感じられる。

 次に紹介したいのが、『東京リベンジャーズ』の実写映画版において主題歌を続けて担当しているSUPER BEAVERである。

 2021年公開のシリーズ1作目の主題歌に起用されたのが、SUPER BEAVERの「名前を呼ぶよ」だ。その後、2023年4月公開の『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』では「グラデーション」、同年6月公開の『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』では「儚くない」が主題歌に起用されている。

SUPER BEAVER 「名前を呼ぶよ」MV
SUPER BEAVER「グラデーション」MV
SUPER BEAVER「儚くない」MV (映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』主題歌)

 主題歌3曲を聴いて思うのは、『東京リベンジャーズ』の世界はもちろん、バンド自体にも重なる部分がある点だ。細かいテーマは違えども、3曲とも描かれているのは “人との繋がりとそこから派生する想い”であり、それは“あなたたち”ではなく“あなた”に歌い続けてきたSUPER BEAVERだからこそ強いメッセージ性を放つように思う。仲間との絆を描く『東京リベンジャーズ』と、人との出会いや繋がりを大切にしてきたSUPER BEAVERのタッグに、非常に相性の良さを感じるのだ。

関連記事