ももいろクローバーZ、今年も恒例クリスマスライブ開催 『ももクリ』『春の一大事』『夏のバカ騒ぎ』“3大ライブ”の歴史を解説
12月23日、24日の2日間にわたって、さいたまスーパーアリーナにて開催される、ももいろクローバーZの年末恒例ライブ『ももいろクリスマス2023 PLAYERS』。
今回は、歌、芝居、バラエティなど全方位で活躍し、結成16年目にしてさらなる覚醒を遂げたももクロが最高峰のステージを繰り広げるということで、「PLAYER」としての4人の充実したパフォーマンスが堪能できそうだ。
ももいろクリスマス
『ももいろクリスマス』は、ももクロの“3大ライブ”のひとつ。2010年12月24日の初開催は『ももいろクリスマス in 日本青年館~脱皮:DAPPI~』と題され、これが記念すべき初単独のホールコンサートとなった。また、代表曲「ミライボウル」やクリスマスナンバー「きみゆき」のほかにも、玉井詩織、早見あかり(当時メンバー)のソロ曲も初披露。さらに同公演で、翌年4月10日の中野サンプラザでコンサート開催を発表するなど、ももクロの“前進”を印象づけた。
過去の『ももクリ』でインパクトが強かったのは、2013年12月23日に西武ドームで開催された『White Hot Blizzard MOMOIRO CHRISTMAS 2013 美しき極寒の世界』。公演名にもあるように、西武ドームが半野外であることから“寒さ”が売りのひとつになっていた。その一方で、念願だった国立競技場でのライブ開催(2014年)の発表をももクロらしい“変化球”な演出で行った。その前年には『NHK紅白歌合戦』への初出場も果たしており、ももクロの勢いをあらためて感じさせるものだった。
もうひとつ重要なのが、2019年12月24日、25日にさいたまスーパーアリーナで開催された『ももいろクリスマス2019 〜冬空のミラーボール〜』である。同公演では百田夏菜子が「新しい国立競技場でライブがやりたい」と目標を宣言。それに向かって走り出そうとしたところ、新型コロナウイルスによるパンデミックが広がった。
百田は雑誌『BRODY』2020年10月号(白夜書房)で、「今もやりたいっていう思いは変わらずに持ちながら、でもいろんな状況があるので。そのなかで『今、できること』っていうのを最善に考えないといけなくて」「できることをやっていくなかでしっかりと目指していくっていう。だから、最終目標とかじゃないんですよね。ちゃんと前に進んでいきたいなって」とコロナ禍の厳しい活動状況と向き合いながら、グループとしても、個人としても力をつけていきたいと語っていた。
ももクロ 春の一大事
“ももクロ3大ライブ”で2番目に歴史が古いのが『ももクロ 春の一大事』である。同公演開催のきっかけとなったのが、早見あかりの脱退だ。2011年4月10日、中野サンプラザでの公演『4.10中野サンプラザ大会 ももクロ春の一大事 ~眩しさの中に君がいた~』をもって早見がグループから去ることが決定。ももクロにとって重大な局面を迎えたことから『一大事』と名づけられた。さらに、この公演の最後に「ももいろクローバー」から「ももいろクローバーZ」へ改名することもサプライズ発表された。
百田は書籍『ももクロ流 5人へ伝えたこと 5人から教わったこと』(2014年/日経BP社)で、改名について「すごく抵抗がありましたよ」「勝手に変えられちゃったことが、素直な感想としてイヤでしたね」、高城れにも「それまでのももクロが全部否定された感じがして…」と“Z”への拒否感を率直に明かしていた。ももクロを振り返るうえで最も欠かせないライブである。
『春の一大事』は、2017年より地方自治体と手を組んだ形でライブが行われるようになった。ももクロの結成当初からのスローガンは、「いま、会えるアイドル」。ただ自分たちのもとへ「会いに来てもらう」のではなく、自分たちから「会いに行く」と考えた、2017年以降の『春の一大事』の取り組みは本当に素晴らしいものである。プロデューサー兼マネージャーの川上アキラは、自著『ももクロ改 4人と新たに目指す未来』(2018年/日経BP社)で「『私たちのライブがきっかけで市の魅力を知ってもらい、そういう地域と人の架け橋になりたい』と佐々木(彩夏)が答えていましたが、ももクロのライブが地元のことを知る機会になる」と『春の一大事』の目的について話している。
ちなみに、有安杏果が2018年にグループを卒業し、4人体制として再出発したのが同年に滋賀県東近江市で行われた『ももクロ春の一大事 2018 in 東近江市 ~笑顔のチカラ つなげるオモイ~』だった。そういった出来事もまじえながら、ももクロは『春の一大事』を通して笑顔のバトンを街から街へと繋いでいき、日本各地を盛り上げようとしている。「国民的アイドル」とはこういうことではないだろうか。