2023年の『紅白』はどうなる? エレカシ、イエモン、BUMP……これまで実現してきたキャリアバンドの初出場
BUMP OF CHICKENは2015年の『第66回NHK紅白歌合戦』に初出場した。デビュー当時からテレビ出演に慎重だったバンドであるが、「“その人に俺は出会いたいんだよ”って楽曲が言ってるなら、そうしなきゃいけないんですよ」(※3 )という思いで2014年からテレビ出演も選ぶようになっていた。BUMPにとっては『紅白』出場も、ブレイクの証明や到達点ではなく、楽曲を必要としているまだ見ぬリスナーと出会うためだったのかもしれない。彼らは幕張メッセでの『COUNTDOWN JAPAN15/16』からの生中継という形で「ray」を演奏。ロックフェスと『紅白歌合戦』という年末の風物詩を繋ぎ合わせた点でも印象深い初出場だった。
また、特殊なケースで言えばTHE LAST ROCKSTARSの初出場がある。YOSHIKI(X JAPAN)、HYDEL’Arc~en~Ciel)、SUGIZO(LUNA SEA/X JAPAN)、MIYAVIという強烈な顔ぶれによるバンドであり、彼らは2022年の『第73回NHK紅白歌合戦』で初パフォーマンスを行った。デビュー8日の“史上最速”出場だったが、これだけのキャリアを誇るアーティストたちが集結したバンドだからこそ、こうした大舞台に立つことも負荷にならず、むしろそうしたトピックスをも活動の推進力にしてしまうスペシャルさがあった。
そのほか長らく『紅白』に出場してこなかったMr.Childrenは2008年に、RADWIMPSも2016年に初出場するなどきっかけは違えども様々な理由でキャリアを積んだアーティストが『紅白』初出場を果たしてきた。幅広い世代の視聴者が観る番組だからこそ、長く活動しているアーティストがもたらす安心感は大きいだろう。そして固定ファンから厚い支持を受けるアーティストが、新たなリスナー層を開拓できる可能性もある『紅白歌合戦』。今年はどんなサプライズが巻き起こるか、楽しみでならない。
※1:https://www.oricon.co.jp/news/2100749/full/
※2:https://natalie.mu/music/news/215190
※3:『関ジャム 完全燃SHOW』2023年4月16日放送回