ちゃんもも◎がポジティブなマインドにたどり着くまで 容姿やセクシュアリティへの悩み、両親の死を赤裸々に語る

ちゃんもも◎が手にしたポジティブなマインド

“人生をかけたおめかし”みたいな瞬間に生きている楽しさがある

ちゃんもも◎

ーーちゃんもも◎さんは、アイドルとして活動をしていますが、トム・ブラウンのみちおさんとの交際発表をしています。そもそもバンもんが交際もオッケーなアイドルであることは存じ上げているのですが、発表したときの反響はどのようなものでしたか?

ちゃんもも◎:複雑な心境や、私のアイドルとしての真剣さに対する思いを伝えてくださる方との話し合いもありましたし、メンバーからのあたたかい祝福もあり、沢山の方に「おめでとう!」と言っていただけました。

 でも、この発表って、そもそも私にとっては突飛な流れではなかったんです。もちろん、私を知らない人からしたら、“アイドルが芸人と交際!”って感じになるのかもしれないけど、そういった話題性に本質的な意味合いはなく、私「ちゃんもも◎」という作品としての人生の流れ、つまり『テラスハウス』で整形を公言して、過去のこともほとんどオープンにしながら今を生きている私が、その後にアイドルになっている。この地続きの中では特に不自然な動きでもないんですよね。

ーーそうですね。

ちゃんもも◎:私、自分のセクシャルについて、ずっと悩みがあったんです。まず小・中・高と誰のことも「恋愛感情」としては好きになったことがなくて。自分と向き合うことに忙しくて、身近な人を好きになったり、好きになられることも気持ち悪いと思っていたんです。それが、『テラスハウス』を卒業したあとの2013年に、生まれて初めて人を好きになれた気がしたんです。それはもしかしたら、少しだけ自分の存在を認められるようになったから、一歩を踏み出せたのかなって分析しているんです。でもその時は片思いで終わってしまい、それが最初で最後の圧倒的な恋愛感情だったなと思ったんです。それから調べていくうちに、たぶん私はアセクシャルやアロマンチックのような、そういう明らかに純粋な恋愛感情を異性にも同性にも抱くことができないマイノリティな人間なのかなと思いはじめ、そういうことも発信していたんです。だから今回の発表で、私がまた人を好きになれたことに沢山の女の子のファンがチェキ会で泣いてくれたりして。私にとって人を好きになるって、そのくらい衝撃的なことだから。同じように簡単に人を好きになれないことで悩んでいた子が、「ももちゃんが人を好きになれたと聞いて、私の人生でもそういうことが起こるのかもなって思ったよ」と言ってくれたりもしたんです。別に人を好きになったほうがいいというわけではないけど「ないと思っていたものがあった、この世は何でも起こり得るんだ!」と発信できたことは大きかったなと思いました。だからそれが、本当に伝えたかったことなのかなって思います。

ーーむしろ、みんな喜んでくれたんですね。

ちゃんもも◎:ただ、みちおさんは有名な人だし、私の口からでないところで最初に知るのは、私がファンだったらイヤだなと考えました。だからそれは一番避けたかったかな。推しに恋人がいるというのをどう思うかは人それぞれですし、そもそも私自身はラディカルで独自のスタイルを貫いてきたので「推す」にあたっては「完璧なアイドル」とは真逆の覚悟は求められるタイプですが、ファンはそれでも私を好きでいるかどうかを選ぶ権利がある。私は私のリアルな生き様で勇気になったり、幸せになってほしいというのはずっと変わらないので。結果として、応援してくれてる皆さんは、今も変わらず好きでいてくれているので、それはすごく嬉しいし、全て含めてとてもありがたいことです。発表の後に、最近会いに来てくれるようになった方もいるから、特に日頃から自分の恋愛事情を事細かくアピールすることもないですが、私は私として、今後の執筆などにも活かせたら良いなと思います。確かにアイドルと恋愛って難しい問題で、誰かが泣いたり、悲しんだり、謝ったりしているのをずっと見てきているから、個人的には、私はちょっと先に進みたいなとは思ってはいますけど……。ただこれは私も答えが出ていないもので、「他の人もこうなろうよ!」っていうメッセージではなくて。でも、人が人を愛するという光のメッセージが温かく受け入れられた瞬間は、とても平和だったなと思っています。

ーー幅広い活動をされているちゃんもも◎さんですが、バンもん、自身のブランド、作家と、いろいろな表現方法があります。それぞれで伝えたいものが違うのか、それとも全てにおいて共通しているのか、というのをお聞きしたいのですが。

ちゃんもも◎:全てに一貫しているのは「生まれつきではなくていい」ということです。メイクをしたり、おしゃれをしたり、ネイルをしたり。自分らしくデコレーションしたり、武装したりして強く生きていく。それが自分好みに仕上がっている状態が本当の自分だと思うんです。自分好みに作った自分ということを、全部のテーマとしています。本当の“ありのまま”って裸でノーメイクで生きていくことではないと思うので、自分の胸がキュンとする瞬間のために、いろんなものを自由に思い描くということ。それが今自分の携わっている事業全体の一貫したテーマです。人生をかけたおめかしみたいな、そういう瞬間に生きている楽しさがあると私は思うから。だからお洋服とかも作ったりしているんですよね。ネイルスタジオも、コンセプトカフェもそう。温かさがそこに生まれたらいいなと思っています。

ーー事業が本当に幅広いですよね。アイデアと行動力がすごいです。

ちゃんもも◎:もっとやりたいです(笑)。ビジネスをやりたい気持ちがすごく強いから、バンもんでできることもすぐに思いついちゃうし、やりたくなっちゃうんですよね。行動力に関しては、本当に周りに恵まれていて。「渋家(しぶはうす)」で一緒に夢を追いかけてきたみんなが大人になって一緒にお仕事ができるようになり、そこで展開していることなんですよ。だから友達と一緒に大人になり、それまで手作りでやっていたことが事業になった。規模が変わっただけで、ずっと同じ仲間と生きているんです。

ーーそうだったんですね。それともう一つ。バンもんは現在全国ツアー『バンもん!あちちちっ♡PIZZAツアー▽~日本全国47都道府県へ愛をおとどけ✩~』開催中ですが、何か思い出に残るようなことはありましたか?

ちゃんもも◎:最初に47都道府県を回ると聞いたとき、(リリースイベントなどをやることの多い)土日に東京にいられないから、関東にいるファンの方が離れてしまうんじゃないかという不安もあったんです。でもいざ全国を回りだしたら、不安よりやる意義のほうが大きいと感じられました。各土地で「実は小学生の頃からファンで」っていう人が来てくれるんです。12歳だった子も10年やってたら22歳ですから、大人になった状態で会いに来てくれるんですよね。ここにもバンもんを好きと思ってくれていた人がいたんだ! って経験を各所でしているし、ここでライブを見たことで、またライブに行こうと思ってくれたら嬉しいし、それは大きな意味があることだと思うんです。だからやって良かったなと、今思っています。

ーーでも大変でしょう?

ちゃんもも◎:それ以上に、日本の各地で絆を深めている感じがしますよ。精神的な成長をみんなでしているというか。やっぱり誰かしらネガティブになるときはあるじゃないですか。誰かが元気がなかったら元気な人が頑張るとか、得意なこと、不得意なことがそれぞれあるから、そこを補い合って協力したり。メンバーの良いところを見ていくことで、人として大事な絆を育んでいる感じがします。これって47都道府県ツアーじゃないと無理なんですよ。だって週の半分以上を家に帰らず一緒に生活をしているわけですから、普通だったらちょっと嫌いなところが見えてくるんです(笑)。でも、そうならないのは、みんなで素敵な大人になっているからだと思うんですよね。今が一番楽しいってメンバーみんなが言っています。

ーーとてもいい話です。では最後に、読者へメッセージをお願いします。

ちゃんもも◎:私が前向きなメッセージを発信しているから、「ももちゃんみたいにポジティブになりたいんだけど、どうやったらいいか分からなくて苦しい」と言われることもあるんです。でも私もポジティブでいようとしているだけで、その考えを持つまでに、めちゃめちゃ苦しい瞬間もあるんです。前向きなことを投稿する12時間前まで本気で死のうと考えていることとかも、ガチであるんです。冷静に考えて、本当にそうしたら迷惑がかかるし、この苦しみが永遠に続くわけではないとなんとか思い出すことで切り抜けて、そのあとに光がかかった言葉が出てくる。“消えたい”っていう思いはどこかにずっとあるし、その思いが消えることがないことも分かっているんです。でも生きるというのは基本的に「苦」というものがどこかにある。それが死ぬまで続くことを前提にして、その上でどうやってきらめきとか楽しみとか、心拍数が上がる瞬間を作って、この「生」に楽しみを宿すのか。そうやって私も何度もマインドセットをやり直しているんです。だからみんなも、消えたいと思ったり、経済的なこと、家族のこと、人間関係、病気のことなどで悩むことがあると思うけど、それが人間に生まれた意味だから楽しむ! 簡単に言われたくないと思うけど、無理矢理にでも楽しむことで、人生が冒険に変わるのかなと思います。生きられる限り、あのとき苦しかったことも意味があったなと思う日が来ると信じて、一緒に楽しみましょう!

チェキプレゼント

ちゃんもも◎チェキ

ちゃんもも◎(大桃子サンライズ)のサイン入りチェキを2名様にプレゼント。応募要項は以下の通り。

<X(旧Twitter)からの応募>

リアルサウンド公式Xをフォロー、本記事の投稿、または応募投稿をリポストしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。

リアルサウンド公式

<Instagramからの応募>

リアルサウンド公式Instagramをフォロー、本記事の投稿にいいね&コメントしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンドXアカウント、もしくはInstagramアカウントよりDMをお送りさせていただきます。

リアルサウンド公式Instagram

※非公開アカウント、DMを解放していないアカウントからの応募は抽選対象外となりますのでご注意ください。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
※チェキはランダムでの発送となります。指定はできません。
※当該プレゼントは、応募者が第三者へ譲渡しないことが応募・当選の条件となります(転売、オークション・フリマアプリ出品含む)。譲渡が明らかになった場合、当選は取り消され賞品をお返しいただく場合がございます。

<締切:10月15日(日)>

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる