WENDYは自らのスタイルを貫いていく メジャーデビュー後初のワンマンライブで示す“音楽”という居場所

 後半はPaul、Johnny、Senaのソロパートをそれぞれ挟みつつ、『Don't waste my YOUTH』に収録されていない楽曲も惜しみなく披露。「Hollywood」は明るい疾走感のあるナンバーで、フロアからは自然とクラップが起きた。以前からライブで披露してきた曲だという「Rock my heart」では、優しくも力強い演奏が会場を包む。

 WENDYが結成されたのは2020年10月で、コロナ禍真っ只中だ。当時彼らは、自分たちの居場所を失ったように感じていたという。

Johnny Vincent(Ba)

「4人とも好きだったのが音楽だったから、バンドを組もうってなって。皆さんがこうしてWENDYを応援してくれるから、俺たちも居場所をもらえているし、皆さんも同じように思ってもらえたら嬉しいです。悩むこともあると思うけど、そういうときはWENDYのライブに来てください」

 少し照れるように語ったSkyeは、「喋るの苦手なんで歌います!」と付け加え、アルバムには未収録の「HOME」を披露。言葉にせずとも、彼らの温かい演奏からは、音楽に懸ける情熱や応援してくれる人たちへの感謝が伝わってくるように思う。

Sena(Dr)

 その後は爽やかなロックナンバー「When U Played Me」、アルバムの最後に収録された「Runaway」と畳みかけ、フロアを大いに沸かせた。ここで4人は一度ステージから去ったのだが、止まない歓声と手拍子に応えてすぐに戻り、「用意してなかったけど」と「Pull me in」を披露。観客に寄り添うように、PaulとJohnnyもステージ前方に歩み出て演奏し、にぎやかにライブを締めくくった。

 ライブ中、「アルバムを出すのが夢だった」と語っていた4人。ようやく夢が叶ったわけだが、まだまだ目指したい場所がたくさんあるという。そこにはきっと“世界”も含まれているのだろう。自分たちのスタイルを確立し、迷いなく突き進む彼らは、無限に飛躍する可能性を秘めているように思う。そんな彼らの姿に、勇気をもらえる人も多いはず。若きロックスターが大きな夢を叶えていく日が、今から楽しみだ。

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