風男塾、15周年締め括ったLINE CUBE SHIBUYAワンマン 卒業メンバーも登場、最高の未来を確信させるステージに

 2007年の始動以降、“人を元気にする”をモットーに活動を続け、2022年9月24日にデビュー15周年イヤーに突入した男装ユニット、風男塾。その周年ラストを飾るワンマンライブ『風男塾 LIVE 15th ANNIVERSARY FINAL~歌鳥風月~』が、9月3日、東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にて開催された(ニコニコ生放送で9月24日までアーカイブ配信中)。本公演には、現メンバーの柚希関汰、英城凛空、葉崎アラン、胡桃沢鼓太郎、赤星良宗、天堂太陽、凰紫丈源の他、“風男塾15周年PR大使”としてアニバーサリーイヤーを盛り上げた卒業メンバーの武器屋桃太郎、青明寺浦正、赤園虎次郎、瀬斗光黄、愛刃健水も登場。中野風女シスターズ、腐男塾、そして風男塾へと姿を変える中、総勢26名(卒業メンバー19名)で作り上げた15年の歴史が、ステージを華やかに彩った。

 会場に入るや否や、鼓太郎&関汰が実演する“某通販のパロディ風グッズ紹介”VTRが笑いを誘った本公演。脈々と受け継がれてきた笑いのセンスを実感した後、ライブの1曲目を飾ったのは、コロナ禍に突入した2020年にリリースされた「笑う門に明日は来る」だった。チャイムの音に誘われ、中野腐男子学園の制服(初期衣装)を身に纏った現メンバー7人が登場すると、特攻隊長・凛空の「風男塾、LINE CUBEに来たぞ! 最高の1日にしようぜー!」という煽りで、客席は一気にヒートアップ。みやとまコンビ(神那橙摩・偉舞喜雅)をはじめ、思うように活動ができない時期でさえ、絶えず笑顔を振りまいてきた当時のメンバーの想いを抱きしめながら、全身全霊のパフォーマンスで、草歌部宙・桜司爽太郎・香月大弥のラストシングル曲「ミュージック」へと繋ぐ。躍動感溢れるポージングが印象的な「人生わははっ!」も、風男塾の前向きな姿勢を表した1曲。当時プロデューサーであったはなわが作詞したこの歌は、きっと歴代メンバーにとっても、その時々で自分達を奮い立たせるエールとして響いていたことだろう。自己紹介を挟み、丈源が「お手元にあるペンライトやタオルをブンブン回していただきたい楽曲です!」と紹介した「ピースサインミーティング」では、メンバーが客席に降り立ち、風王(風男塾のファン)と笑顔を交わしながら歌唱。現体制初のリリースとなったシングル曲「Hello Hello」は、サビのハイキックで一際足が上がっていた良宗を筆頭に、加入当時、初々しかった4人の存在感が増しており、この1年でさらにパワーアップした風男塾と、そこに至るまでの努力を実感させた。

 MC中、ふいに電話が鳴り、鼓太郎が「ちょっと誰ですか! ライブ中ですよ!?……僕でした!」とボケをかますと、その画面には先輩・愛刃健水の名前が。「セイラさんって、知ってる? 先輩の彼女なんやけど、7人の誰かにちょっかい出されたって……」と切り出す健水に続き、浦正・光黄・虎次郎も電話(影アナ)に登場した。後輩に詰め寄る懐かしい声に歓喜のどよめきが上がる中、現メンバーも、戸惑った表情や相手に犯人役をなすりつけるジェスチャーで寸劇を盛り上げる。その結果、実はセイラがガンダムオタクである桃太郎の推しキャラ“セイラ・マス”であることが判明。そこから「センパイの彼女」が始まる演出は、コミカルな演技に強い風男塾の本質を表すと共に、積極的に演技の仕事に挑戦していきたいという現メンバーの意気込みも伝えていた。さらに、続けて披露された「下を向いて帰ろう」は、2014年に行われた桃太郎の卒業公演でも歌われ、PR大使の5人にとっては、風王と大合唱した思い出の曲。15周年を機に風男塾と再会した風王の中には、久しぶりに帰ってきた先輩へのリスペクトを込めて歌う現メンバーの姿に、あの日を重ねた人も多いのではないだろうか。

 幕間には「事情通が激白!風男塾 15年目の真実!!」と題して、インタビュアー・天堂太陽が事情通のU氏(青明寺浦正)に風男塾の裏事情を聞くVTRを上映。「瀬斗光黄は宇宙人です!」という証言に拍手が起こるなど、U氏の赤裸々トークが客席を温めた。だが、シックな黒衣装に着替えた7人が再登場すると、会場の雰囲気は一変。鋭い視線で風王の心を貫きながら、2015年にリリースされた「瞬間到来フューチャー」を歌い踊る。同曲は桃太郎が卒業した後、新メンバー・仮屋世来音を迎え、7人組の新生風男塾として発表した“所信表明”のダンスチューン。曲の見どころとなっているソロダンスパートでは、関汰が華麗なバク転で風王を魅了。彼の見事な身のこなしは、紅竜真咲のラストシングル「BLESS」(2022年リリース)のMVで挑戦したアクロバットを彷彿とさせる。色とりどりの愛の言葉を捧げた「チェンメン天国」も、光黄の“頭ポンポン”を良宗が再現し、画面越しに配信視聴者の心を奪ったり、健水らしい関西弁の名台詞で、アランが風王とのコール&レスポンスを楽しんだり、鼓太郎が末っ子キャラの先輩・雪村涼真を想起させるギャップを見せつけたりと、見どころ満載。関汰もはにかみながらプロポーズ(緑川狂平パート)を告げて、黄色い歓声に包まれた。

 ここからは、凛空のエスコートで、女性をときめかす夢のスポット「CLUB風男塾」に足を踏み入れることに。人気の高いユニット曲が、次々にステージを塗り替えていった。まずトップバッターの太陽・丈源ペアが歌ったのは、事情通U氏が「風男塾の代表曲の1つ」だと語るURAREN(青明寺浦正・流原蓮次)の「BOY'S LOVE~拳のハーモニー編~」。見覚えのある色違いのスカジャンを着てはいるものの、演技パートで、地元の方言である沖縄弁で捲し立てる丈源はオリジナリティたっぷり。先ほどの「チェンメン天国」でライバル役を演じた2人が拳を交える展開も、ストーリー性が感じられて新鮮だ。イントロから大きな歓声が上がったのは、W♠PRINCE(瀬斗光黄・愛刃健水)の名バラード「もう君以外...」。歌唱力に定評のある関汰と、加入時、健水から「(自分も昔は個性がないと言われて悩んでいたけど)真面目に続けていけば、見てくれてる人はいる」(※1)とエールを送られていた凛空が、美しく誠実な歌声で歌い上げる。キレのあるダンスに定評のあるアラン・鼓太郎は、「頑張っちゃいました!(キメ顔)」という良宗を加えて、コンサ・ドゥ・ワニーナ(赤園虎次郎・愛刃健水)のダンスチューン「MOVE」をパフォーマンス。最後は7人全員で、コンサ・ドゥ・ワニーナワニーナ(赤園虎次郎・愛刃健水・仮屋世来音)の「Fighting Man」をエネルギッシュに届けた。そんな個性豊かなユニット曲の後には、現体制で近年リリースした楽曲達も披露。「Baby U」では甘えるような表情で風王の心を揺さぶり、和の香り漂う最新曲「君日和」をしなやかに歌う姿からは、“この先も四季折々の風男塾を見ていてほしい”というメンバーの切なる願いが感じられた。

 再び「事情通が激白!風男塾 15年目の真実!!」VTRの続編を挟むと、7人はメンバーカラーのスパンコールが眩しい新衣装で登場。2019年、桜司爽太郎と香月大弥が加入したタイミングでリリースされた「Dash&Daaash!!」で再び加速していく。アランの「よっしゃいくぞー!」がいつにも増して絶好調だった「LIKE A RAINBOW」は、7色の個性が弾ける現風男塾を体現するポジティブソング。そのままの勢いでアランが客席を煽り、コール&レスポンスを行うと、たくさんの風王を引き連れて「大航海ボーイ」へ。小柄な鼓太郎から放たれた「さあ行くぞ!」のシャウトと、それに合わせて突き上がるペンライトはじつに圧巻だった。武器屋桃太郎のラストソング「BE HERO」では、良宗の力強い低音ボイスに呼応するように、アラン・凛空がソロを歌いながら立ち上がっていくドラマティックな演出も。最後は7人の心を1つに束ねて大サビを歌い上げ、輝かしい未来への一歩を踏みだしたのだった。

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