RHYMESTER、キングギドラ、スチャダラパー……90年代から今なお第一線を走り続けるラップグループ

スチャダラパー

 2020年にデビュー30周年を記念したアルバム『シン・スチャダラ大作戦』をリリースしたことはまだ記憶に新しいスチャダラパーだが、今年4月には、盟友・ロボ宙を迎え「リンネリンネリンネ feat. ロボ宙&LUVRAW」を配信し、衰え知らずの活動を続けるレジェンドグループだ。

リンネリンネリンネ feat. ロボ宙 & LUVRAW(Visualizer)

 1994年に小沢健二と共に「今夜はブギー・バック」をリリースし、明るく軽快なメロディとリリックで、お茶の間にヒップホップを広め、50万枚のセールスを記録した。

 宇多田ヒカルや加藤ミリヤ&清水翔太など、名だたるアーティストにカバーされ、原曲を知らなくてもカバーを通じて一度は聴いたことのある楽曲として、これほどまでに愛されているラップミュージックは他にはないだろう。

 また、スチャダラパーは子ども向け番組である『ポンキッキーズ』への出演でも知られており、彼らは番組内でラップを披露し、子どもたちにヒップホップ文化を広める役割をも果たした。

 こういった功績から、他ジャンルのアーティストとも共演を多数行い、東京スカパラダイスオーケストラや斉藤和義、SKE48など、あげればキリがないほど、ジャンルレスに活動を行っている。

 結成から30年以上たった現在も、『SUMMER SONIC』や『FUJI ROCK FESTIVAL』など、日本を代表する大型フェスに毎年出演し、老若男女に愛されるラップグループであると言えるだろう。

 今回紹介した3組が90年代から現在まで最前線を走り続けているのには、彼らなりのヒップホップへの答えが明確だからかもしれない。他にもシーンに多大な影響を与えてきたグループは数知れず、彼ら一人ひとりが活躍していなければ、現在のシーンはなかったと言える。

 今年はブロンクスでヒップホップが誕生して50周年という節目の年。レジェンド達が築き上げた日本独自のヒップホップが、さらに盛り上がりを見せてくれることに期待せずにはいられない。

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