WONの次なる挑戦はシティポップ おかもとえみ、tamimoonとのコラボ作「sayonara diver」で遂げた華麗なる変貌

 WONが新曲「sayonara diver」を配信リリースした。フレンズのボーカルとしても活動するシンガーソングライター・おかもとえみが作曲と編曲、WONが作詞を担当したこの曲は、しなやかなグルーヴを感じさせるサウンド、切ないメロウネスを含んだ歌を軸にしたミディアムチューン。ネオシティポップ、R&Bのテイストを反映した「sayonara diver」は、WONの新たな表現を切り開くターニングポイントになりそうだ。

 2021年3月に配信シングル「日記」でトイズファクトリー内のレーベル・VIAからデビューしたWON。その後、アクションRPGアプリ『ドラガリアロスト』挿入歌「Unique」「ありきたり」、ずっと真夜中でいいのに。の楽曲アレンジで知られるボカロP・100回嘔吐が作・編曲した「咲かない」「ヘイトキラー」「ギャンラブ」といった楽曲をリリースし、多彩なボーカル表現と尖った音楽性によって徐々に注目を集めてきた。

日記 - WON
Unique - WON
ありきたり - WON
咲かない - WON
ヘイトキラー - WON
ギャンラブ - WON

 さらに「家庭教師のトライ」のテレビCMにハイジ役として歌唱&ナレーション出演、中孝介、竹原ピストル、suis(ヨルシカ)などが歌ってきた『ザ・ノンフィクション』テーマ曲「サンサーラ」を担当するなど、さまざまなメディアで彼女の“声”を耳にする機会が増加。SNSでも「トライのハイジが熱唱してる新しいCMめちゃくちゃ好きな声してて誰!ってなった」「サンサーラ-WON めちゃ良いなすごい綺麗なんだけど透明過ぎない暖かみがあって癒される」と、その歌声に注目が集まっているようだ。

サンサーラ - WON

 今年3月にはイベント『TALTOナイト 2023』(東京・Zepp Haneda)に出演。初めての“現地ライブ”が実現した。WONのステージは、紗幕に映像や歌詞を映し出しながら進行。SNSをテーマにした歌詞と中毒性のあるメロディが突き刺さる「ヘイトキラー」、危うく、脆い人間関係を映画にたとえた「裏目シアター」などによって、観客の目と耳を楽しませた。「咲かない」「日記」は、竹縄航太(ex.HOWL BE QUIET)のアコギ、ピアノとともにアコースティックスタイルで披露。喜怒哀楽をリアルに映し出す歌声からは、シンガーとしての高いポテンシャルが真っ直ぐに伝わってきた。「現地ライブ初ということで、とても緊張していましたけど、想像の100億倍、温かくて。もっとライブをやりたくなりました」というMCも印象的。このコメントの根底にはおそらく、“自分の音楽をもっともっと広げたい”という思いがあったはずだ。

WONライブ写真
WONライブ写真
WONライブ写真
WONライブ写真
WONライブ写真
WONライブ写真
WON『TALTOナイト 2023』ライブ写真(撮影=酒井ダイスケ)
WON『TALTOナイト 2023』ライブ写真(撮影=酒井ダイスケ)
WON『TALTOナイト 2023』ライブ写真(撮影=酒井ダイスケ)
WON『TALTOナイト 2023』ライブ写真(撮影=酒井ダイスケ)
WON『TALTOナイト 2023』ライブ写真(撮影=酒井ダイスケ)
WON『TALTOナイト 2023』ライブ写真(撮影=酒井ダイスケ)
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WON『TALTOナイト 2023』ライブ写真(撮影=酒井ダイスケ)
WON『TALTOナイト 2023』ライブ写真(撮影=酒井ダイスケ)
WON『TALTOナイト 2023』ライブ写真(撮影=酒井ダイスケ)
WON『TALTOナイト 2023』ライブ写真(撮影=酒井ダイスケ)
WON『TALTOナイト 2023』ライブ写真(撮影=酒井ダイスケ)
WON『TALTOナイト 2023』ライブ写真(撮影=酒井ダイスケ)
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 新曲「sayonara diver」は前述した通り、WONの新機軸と称すべき楽曲だ。ややレイドバックしたリズムセクション、心地よい憂いを感じさせるオルガン、シンセの音色、なめらかなグルーヴを内包したメロディライン。1990年代中盤〜後半の日本のR&Bの雰囲気ーーUA、Sugar Soul、宇多田ヒカルなどーーを匂わせながら、2010年代以降のオルタナR&Bの潮流を捉えたこの曲は、ちょっと懐かしくて、オシャレ。昨今のシティポップの文脈もあり、幅広い層のリスナーに直感的に“気持ちいいな”と思わせる楽曲に仕上げている。作曲・編曲を手がけたおかもとえみは、フレンズのメインソングライターであり、シンガーソングライターとしても活躍。90’sフレイバーを現代的なポップスに導く彼女のセンスは、「sayonara diver」にもしっかりと活かされている。

 WON自身によるリリックも素晴らしい。ありきたりな恋愛(≒人生)では満足できないという切実な思いを起点に、〈サヨナラダイバー 最後の愛は/忘れたまま 会えずにいたいわ〉というキャッチーにして謎めいたサビのフレーズにたどり着く歌詞は、まちがいなく、作詞家としての彼女の新たな表現と言えるだろう。日本語を心地よく響かせ、洗練された歌として成立させているフロウ(メロディと言葉のバランス)も絶品だ。

sayonara diver - WON

 楽曲のリリースに合わせ、アーティストイラストも一新された。新たなイラストは、伊勢丹やLOWSONとのコラボレーションで知られるSNSでも人気のイラストレーター・tamimoonが担当。洗練とノスタルジーを共存させたビジュアルは、もちろん「sayonara diver」の世界観ともつながっている。

 おかもとえみ、tamimoonとのコラボによって、鮮やかなモードチェンジを実現させたWON。活動の“第二章”の幕開けを飾る「sayonara diver」をきっかけに、エモーショナルな強さと柔らかい繊細さを兼ね備えた彼女の歌は、さらに多くのリスナーに届くはずだ。

WON「sayonara diver」ジャケット写真
「sayonara diver」

■リリース情報
デジタルシングル「sayonara diver」
2023年8月9日(水)配信リリース
配信リンク:https://tf.lnk.to/sayonaradiver

■関連リンク
WON
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