『音楽の日2023』、ダンスコラボ企画に感じた可能性 中居正広の言葉で生まれた高揚感を経て各グループは“仲間”に

 7月15日に放送された音楽特番『音楽の日2023』(TBS系)。総勢71組のアーティストが出演し、「GIFT ギフト」をテーマにこの日しか見られないスペシャルな企画が行なわれた。

 その中でも、一際話題となったのは「エンタメ界からダンスのGIFT」。s**t kingz、DA PUMP、三代目 J SOUL BROTHERS、GENERATIONS、JO1、INI、BE:FIRST、Travis Japan、&TEAM、郷ひろみ、PSYCHIC FEVER、DXTEEN、MAZZEL……音楽界の盛況の一端を担うダンスボーカルグループが、事務所の垣根を越えてコラボした企画だ。

 放送から1週間経とうとも未だにSNS上では興奮冷めやらない様子が窺える。7月21日放送の『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)で、同企画の裏側に密着した映像がオンエアされるとTwitter上では再び関連ワードがトレンド入りを果たした。

 なぜ、ここまでの盛り上がりを見せたのか。この記事では、その理由を考察したい。

 まずは2組ずつのコラボパートで見せた、それぞれのグループカラーと新たな可能性だ。このパートではTravis JapanとBE:FIRSTは「JUST DANCE!」(Travis Japan)、&TEAMとINIは「Under the skin」(&TEAM)、INIとTravis Japanは「Rocketeer」(INI)を披露。各グループのデビューを彩った名刺代わりとなる1曲でコラボすることにより、コア層だけでなく「なんとなくグループ名だけは知っている」視聴者、はたまたコラボ相手のファンをもしっかりと巻き込んだように思えた。

 一方で、GENERATIONSとJO1は根強い人気を誇るダンサブルな1曲「AGEHA」(GENERATIONS)、JO1と&TEAMは高速シンクロダンスが特徴の「SuperCali」(JO1)、BE:FIRSTとGENERATIONSはHIP HOPダンスナンバー「Boom Boom Back」(BE:FIRST)でコラボ。各グループの強みであるダンスを、それぞれの個性を残したまま魅せた。

 どちらのパターンのコラボも楽曲を通してグループの魅力やカラーをアピール。それでいて普段とは違ったテイストの楽曲で、新たな表情を見せ、可能性を感じさせるステージとして仕上げていた。

 また、コラボと言いつつ、バトルのような高揚感と緊迫感もあった。これはPSYCHIC FEVER、DXTEEN、MAZZELという若手グループによるコラボステージからも感じたことだが、各グループが「ここで爪痕を残してやる」との気概を纏っていた。

 おそらく各グループは、この企画が決まった時点から「これはアピールの場だ」と捉えていたに違いない。そこに加えて司会者である中居正広が本番直前に「視聴者見てるからね! どのグループが1番すごいんだって」と焚きつけたことも少なからず影響しているに違いない。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる