YOSHIKIが名曲を作り続けられるのはなぜか? X JAPANと歩んできた男が語る、アーティスト・プロデューサーとしての本当の才能

「YOSHIKIはとにかく音楽に命をかけています」

ーーそうして、Xは日本中で熱狂的なファンを持つバンドになりました。この成功の鍵の一つはおっしゃる通りYOSHIKIさんの作曲の才能だったと思うのですが、なぜ、YOSHIKIさんは名曲を作ることができたのでしょうか。

津田:簡単に答えることは難しいですが、僕が思うに、彼の生き方にも関係していると思います。YOSHIKIはとにかく音楽に命をかけています。心の底から納得できる、素晴らしい曲を生み出すために生きているようなところがあって、そんな凄まじいエネルギーで曲を生み出しているから、生命力に溢れた作品になるのだと思います。彼は音楽以外もすごくエネルギッシュに活動していますよね。命をかけて創るというのは音楽以外でも同じなのかもしれません。

津田直士とYOSHIKI

ーーたしかに、YOSHIKIさんは音楽以外にもたくさんのものをプロデュースしていますね。同じプロデューサーとして彼のプロデュースワークについてはどのように見ていますか?

津田:プロデュースに関しての才能はダントツだと思います。人の心を掴む才能があるんですよね。「X」ってバンド名も一見「バツ」に見えてネガティブな印象がありますが、ずっと前から生活に馴染んでいたものですよね。そういう「なぜか分からないけど、懐かしい気持ちになる」というものが世の中で愛されると思うのですが、それを捕まえるセンスがあるのだと思います。「ENDLESS RAIN」「Forever Love」などのタイトルから「YOSHIKIMONO」「XY」などの命名まで、たくさんの人の気持ちがクロスする部分を深くまで探求して掴んだものだからこそ、聴く人にどこか納得感を持たせるような言葉が選べるのかもしれません。

 それに、YOSHIKIは何をしていても自分らしさを出すことができる人だと思います。音楽はもちろん、ワインや着物でも、なんだかYOSHIKIらしいなと多くの人が感じることができるのは、YOSHIKIが常に自分らしくいて、自分を信じ続けたからだと思います。これはhideなど他のメンバーもそうです。当時金髪のヘアスタイルは日本では珍しくて、理解できない人からは奇妙な目で見られることもありました。それでも続けていたら今では金髪に染める人なんて珍しくないですよね。それに、最近はジェンダーレスな雰囲気を持つ人も増えてきましたが、Xは何十年も前からそうでした。当時世界で成功しているロックスターは筋肉質で男性的なイメージが強い人が多いなかで、中性的な雰囲気を持った彼らが先駆者であり開拓者として時代を作っていったところもあるんだろうなと思います。

ーー津田さんは本を執筆したり、YouTubeでの動画投稿など、さまざまな媒体でX JAPAN、YOSHIKIさんのことを発信しています。8月12日には『津田直士トークショー~YOSHIKIの本当の姿~』として、トークショーも開催予定です。こういった場で情報発信をするのにはどういった想いがあるのでしょうか。

津田:まずは、XやYOSHIKIの本当の素晴らしさを、もっとファン以外の人たちにもきちんと伝えたいという想いがあってインタビューや動画などで情報を発信しているのですが、さらにリアルな場で話せたら、その場の空気で話題を変えたり、質問に答えたりもできるので、トークショーはいつかやりたいなと思っていました。今回、ちょうどサポートしてくださる方々が声をかけてくれて、トークショーを開催することになりました。YOSHIKIは多くの人に長い間愛されてきた存在ですが、今まで大切な人との別れも含めて苦難の連続でした。そんなYOSHIKIがなぜこんなに輝いているのかを考えると、若い方にはすごく参考になる部分があるんじゃないかなと思います。今のYOSHIKIを見ると「これからどのように生きれば自分らしく輝けるか」というヒントになると思うので、僕はそれを多くの人に伝えていきたいと思います。

■関連情報
・今回のインタビューで語った内容がさらに詳しく分かる『すべての始まり』や「BLUE BLOOD」リリース後から東京ドーム3Days公演までの日々を描く新刊『Memories』(8月12日販売開始)など、YOSHIKIやX JAPANに関する津田直士の著書はこちら
https://www.tsudamia.jp/tsuda-book

・YOSHIKIの魅力を伝える配信番組「YOSHIKIの凄さ」やI.o.Youの作品が聴けるYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@I-o-You
 
・津田直士と井上水晶による音楽ユニット I.o.Youの新曲「さよならしよう」9月21日リリース
https://www.tsudamia.jp/

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