映画『コンサート・フォー・ジョージ』ムビチケ前売券特典公開 ビートルズ研究家 藤本国彦の解説&曲目も

映画『コンサート・フォー・ジョージ』ムビチケ前売券特典公開

 7月28日に公開されるジョージ・ハリスン生誕80周年記念上映『コンサート・フォー・ジョージ』のムビチケ前売券(オンライン)の購入特典が公開された。

『コンサート・フォー・ジョージ』ムビチケ前売券(オンライン)購入特典「メモリアル・チケット」壁紙データ
ムビチケ前売券(オンライン)購入特典「メモリアル・チケット」壁紙データ

 リンゴ・スター83歳の誕生日でもある本日7月7日に公開された特典は、2002年11月29日にロンドン ロイヤル・アルバート・ホールで開催された当時のコンサートチケット画像と、映画のアートワークをデザインしたスペシャルな『メモリアル・チケット』壁紙。ロイヤル・アルバート・ホールから特別に使用許諾を得て実現した、日本のファン限定の特典となっている。なお、すでに購入している方にも本特典は付与される。

 また、The Beatles研究家の藤本国彦から本作見どころの曲解説も到着。演奏曲目とともに本日よりオフィシャルサイトにて公開される。今回は本編で歌われる20曲のうち、クラプトンとポールが終盤に歌う「While My Guitar Gently Weeps」をはじめとする11曲の解説が届いた。「All Things Must Pass」、「While My Guitar Gently Weeps」は藤本の曲解説から抜粋したテキスト入りの“曲解説クリップ映像”があり、今回解禁する「All Things Must Pass」以外のクリップ動画も随時公式HPにアップされる。

『コンサート・フォー・ジョージ』場面写真
(C)2018 Oops Publishing, Limited Under exclusive license to Craft Recordings

藤本国彦 曲解説全文

「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」 ポール・マッカートニー&エリック・クラプトン
 ポールの登場後、コンサート終盤のハイライトの1曲として演奏された、ビートルズ時代のジョージの代表曲。もともとは68年に発売された2枚組のアルバム『ザ・ビートルズ』(通称;ホワイト・アルバム)制作時に、ジョージがまず68年7月にアコースティック・ギターの弾き語りでレコーディングし、続いて8月に4人で演奏し直し、さらに9月にジョージの誘いからクラプトンが参加した最終ヴァージョンがレコーディングされる、という経緯をたどっている。
 ステージでは、ビートルズのそのセッションと同じく、ポールがピアノとハーモニー・ヴォーカルを加え、リンゴがドラムを叩き、そしてクラプトンがリード・ヴォーカルとリード・ギターという、感涙の演奏を観ることができる。オリジナルに忠実に弾こうとしているクラプトンに泣ける。

映画『コンサート・フォー・ジョージ』より「オール・シングス・マスト・パス」藤本国彦氏の楽曲解説動画

「オール・シングス・マスト・パス」 ポール・マッカートニー
 69年1月の「ゲット・バック・セッション」用にジョージが書いた新曲だったが、ビートルズとしては取り上げられず、解散後の最初のソロ・アルバム『オール・シングス・マスト・パス』(70年)のタイトル曲になった。 
 「ゲット・バック・セッション」ではポールがハーモニー・ヴォーカルを受け持つ演奏もあったが、このコンサートでは、やはり大きな聴きどころとなった「サムシング」に続いてポールが、ジョージの思いを伝えるかのように歌心たっぷりに披露。クラウス・フォアマンがベースを弾いている場面が映るのも見逃せない。エンディング前に一度ブレイクする場面でポールがダニーにギターを向けてちょっとした合図を送るも、弾くのに一生懸命で無反応なダニーの様子が、父親譲りの健気な表情に重なって、何とも微笑ましい。

「ハンドル・ウィズ・ケア」 トム・ペティ&ハートブレイカーズ w/ジェフ・リン&ダニー・ハリスン
 “覆面バンド”としては過去最大・最強と言えるトラヴェリング・ウィルベリーズ(メンバーはジョージ、ロイ・オービソン、ボブ・ディラン、ジェフ・リン、トム・ぺティ)のヒット曲。もともとはジョージの『クラウド・ナイン』(87年)の好セールスを受け、同アルバムからのヨーロッパでのサード・シングル「ディス・イズ・ラヴ」のB面収録曲としてジェフと用意した新曲だった。
 ウィルベリーズのライヴは一度も行われなかったので、この曲がこうして演奏されたのが何よりうれしい。トム・ぺティ&ザ・ハートブレイカーズにジェフ・リン、ダニー、ジム・ケルトナーなどが加わり、ロイ・オービソンのパートはジェフが歌っている。マイク・キャンベルのスライド・ギターとスコット・サーストンのハーモニカの熱演も素晴らしい。

「想い出のフォトグラフ」 リンゴ・スター
 リンゴのソロ時代の代表作『リンゴ』(73年)からの最初のシングルとして発売され、アメリカ1位、イギリス8位を記録したリンゴの代表曲。ビートルズ時代の自作曲「オクトパス・ガーデン」は、実質ジョージとリンゴの共作曲と言えるものだったが、71年春にジョージと2人で船旅に出た時に一緒に書いたというこの曲は、しっかり2人の名前がクレジットされている。
 クラプトン、ジェフ・リン、ダニー、ビリー・プレストンらをバックに、中央で歌う楽しそうに歌うリンゴ。ジム・ホーンのサックス・ソロがさらに見せ場を作っている。

「マイ・スウィート・ロード」 ビリー・プレストン
 ビートルズ解散後のジョージの最初のソロ・アルバム『オール・シングス・マスト・パス』(70年)からシングル・カットされ、英米1位を記録する大ヒットとなったジョージの70年代の代表曲。シングルに推したのは、アルバムの共同プロデューサーのフィル・スペクターだった。
 この曲は、ジョージよりもビリー・プレストンのヴァージョンが先にレコード化されていて、ここでもゴスペル色のやや強いビリーの歌声がいい味わいだ。ダニー、クラプトン、ジェフ・リンが揃ってアコースティック・ギターを弾く様子も見映えがいい。他の見どころは、ジョージ愛用のサイケデリックなストラトキャスターでスライド・ギターを弾くアンディ・フェアウェザー・ロウと、珍しくも完璧に脇役に徹してピアノを弾くポール、である。

「フォー・ユー・ブルー」 ポール・マッカートニー
 69年1月の「ゲット・バック・セッション」では、ジョージの新曲が、むしろジョンよりもたくさん演奏された。その中でジョンとポールが最も関心を示したのが、それ以前の“ジョージ節”とは異なるカントリー・ブルース調のこの曲だった。
 このコンサートでは、リンゴの紹介でステージに登場したポールが、最も大きな歓声を浴びながら最初に演奏した曲である。アコースティック・ギターを弾きながら一声歌っただけで、安心感が強いのに、いきなり引き込まれてしまう空気を即座に生み出すのだから、やっぱりポールはすごい。マーク・マンのスライド・ギター・ソロやゲイリー・ブルッカーのピアノ・ソロも含め、まさに絢爛豪華。

■演奏曲目
1. オープニング 「サーブ・シャーム」
2. 「アイ・ウォント・トゥ・テル・ユー」 ジェフ・リン
3. 「恋をするなら」 エリック・クラプトン
4. 「タックスマン」 トム・ペティ&ハートブレイカーズ
5. 「ハンドル・ウィズ・ケア」    トム・ペティ&ハートブレイカーズ w/ジェフ・リン&ダニー・ハリスン
6. 「想い出のフォトグラフ」 リンゴ・スター
7. 「ハニー・ドンド」 リンゴ・スター
8. 「シット・オン・マイ・フェイス〜ランバージャック・ソング」       モンティ・パイソン with トム・ハンクス
9. 「ヒア・カムズ・ザ・サン」 ジョー・ブラウン
10. 「ホース・トゥ・ザ・ウォーター」 ジュールス・ホランド&サム・ブラウン
11. 「ビウェア・オブ・ダークネス」 エリック・クラプトン
12. 「イズンド・イット・ア・ピティ」 エリック・クラプトン&ビリー・プレストン
13. 「フォー・ユー・ブルー」 ポール・マッカートニー
14. 「サムシング」 ポール・マッカートニー&エリック・クラプトン
15. 「アルバン」 指揮:アヌーシュカ・シャンカール
16. 「ジ・インナー・ライト」 ジェフ・リン&アニューシュカ・シャンカール
17. 「マイ・スウィート・ロード」 ビリー・プレストン
18. 「オール・シングス・マスト・パス」 ポール・マッカートニー
19. 「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」 ポール・マッカートニー&エリック・クラプトン
20. 「夢で逢いましょう」 ジョー・ブラウン

■関連リンク
公開作オフィシャルサイト:https://www.culture-ville.jp/concertforgeorge

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