香取慎吾、「グループとソロでは全然違う」ライブに懸ける変わらない想いと進化したステージ 『Black Rabbit』のすべてを語る

若き日を思い出すくらい、いろんなことをいっぺんにやれています

――ライブが終わったあとには、エゴサーチなど反響を確認する作業はされますか?

香取:あ、めちゃくちゃしてます、いつも! ただ、最近は個展をやっている地域にライブをしにも行っているから、ライブよりも個展についてのツイートとかがまず出てきたりして。気づいたらライブ終わりに汗だくのまま、個展の感想を読んでいることもありますね。

――(笑)。印象的な感想などはありましたか?

香取:個展に関しては「あの作品のキャプション、文字が違うよ」というツイートとかがありました。そういうのを見かけたらすぐに確認して、「あ、本当だ」ってスタッフに直すようにお願いしています。あと、僕の絵を詳しく知ってる方だと「あの絵の展示の仕方、あれで合ってるのかな?」「前に展示してた時と逆になってない?」というコメントもありましたね。僕の絵って、上下逆にしてもわからないものもあるので。それもまたすぐにスタッフに連絡して直してもらって……。

――めちゃくちゃ優秀なNAKAMAのみなさん(笑)!

香取:本当に。今まで200点以上も展示してきてるのに、よく見てくれているなって。ライブに関しても「衣装の一部がプラ〜ンってなってたけど、あれは取れちゃったのかな?」って教えてくださったりしたこともありましたね。やってる最中に僕は気づけないから、それもすぐにスタッフを呼んで確認して、「あ、本当だ」「取れてるね」って(笑)。チェックしてもらっている感じですね。僕の個展もライブも演出家がいないし、全部自分でやってるから。本当にありがたい存在です。

――地方ではご当地グルメなどを楽しむ時間はあったのでしょうか?

香取:ライブ終わりに、みんなで「お疲れ!」ってお酒を飲んでワーッ!という感じではないんですけど、近しいスタッフだけでごはんには行きました。でも、今回のツアーはライブの合間に個展会場の設営もしているので、もはや個展の合間にライブをしているのか、ライブの合間に個展をやっているのか、わからないくらい。そのまた合間に始球式とかもしているのでね。なんだろう、若き日を思い出すくらい、いろんなことをいっぺんにやれています(笑)。

 本当はバンドやダンサーたちともごはんに行きたいんですけど、気づいたら結構な大所帯で。ダンサーだけでも12人いるから、全体で20人以上はいるんですよ。そうなるとぷらっと「行こうよ!」と言うような人数じゃなくて。僕はそういうことも考えるほうなので、スタッフもお店を用意するのが大変だろうなとか思っちゃう(笑)。だから、『BISTRO J_O』(稲垣吾郎が手がけるレストラン)にみんなで行こうかなとは考えていて。打ち上げだと少し先まで続くから、中打ち的に!

グループに慣れてやってきたから、チームを作り始めたのかも

――有明アリーナでの公演を拝見しましたが、歌もダンスもさらにパワーアップした印象です。何か舞台裏で行っていることなどはありますか?

香取:3〜40年、何もやってこなかったんですけど、今始めました(笑)。ウォーキングしてみたり、自転車に乗ってみたり。エレベーターじゃなくて、階段を使うように意識してみたり。あとはストレッチとかも。そういうの本当にやってこなかったんだけど、やったら変わりましたね。

――逆に今までされていなかったのがすごいですよね。

香取:やっぱり、グループとソロでは全然違いますね。5人の時は5人がそれぞれソロを歌う時間があったので。15分くらいは、なんだかんだステージから下がる時間ができるんですよ。でも、ソロだとそれがまったくないから。(グループの時は)ステージに立ってる時でも、スポットライトが当たってない時間がある。それが今はずっとライトが自分に当たっているので。そういう意味でも全然違いますね。

 僕はグループでステージを作ることに慣れてやってきたからというのもあるのかな。いつの間にかチームを作り始めましたよね。バンドがいて、ダンサーがいて……そういうチーム体制にするかどうかも自分で決められるわけで。あれだけの人数に囲まれて安心感はあるけど……やっぱりひとりで歌って踊るって、大変ですよね(笑)。

――明治座の頃は「白湯を飲み始めた」とお話ししていましたけれど、今は?

香取:白湯はもうほとんど飲んでない(笑)。このあいだ、ライブ会場に行って「ちょっと冷えてるな」って思って飲んだくらいで、ずっと飲む感じではなくなってる。そのかわり、喉のケアをするようになりましたね。声出しとかしちゃったりして。

――あの香取さんが声出しを!?

香取:そうですよ。前は、ずっと本番20秒前まで寝てましたからね(笑)。

――そうしたケアの方法は、どなたからアドバイスをもらっているんですか?

香取:体のメンテナンスをしてくれる、トレーナーのような方が各地方にいて、ライブ会場ごとに連携を取りながら3〜4人で対応してもらっているんです。いちばんお付き合いの古い方だと、もう何十年も前から一緒にいるんですけど。でも、みんなそれぞれやり方があるんですよね。で、その方たちといろいろ話しているうちに「これなら取り入れられそうだな」というものを取り入れて、じわじわと始めていったっていう感じですね。本当に動けるようになってきたし、ストレッチとかそういうことも気持ちよくなってきたので、このまま続けたいと思ってます。

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