赤西仁、「ムラサキ」から始まった軌跡を辿る旅 山田孝之、錦戸亮らも駆けつけた独立10周年ライブ

 赤西仁が7月1、2日の2日間にわたり『JIN AKANISHI 10th Anniversary Live 2023』を国立代々木競技場 第一体育館で開催した。独立から10周年ーー「ムラサキ」から始まるアニバーサリーライブは、赤西の音楽と共に軌跡を辿る旅のようだった。

 暗転した会場に映像が流れると、ファンの拍手と共にビールジョッキ型のペンライトが揺れた。スクリーンに西暦を表す「2004」が表示され、「ムラサキ」のイントロが流れると悲鳴のような歓声が響き渡った。赤西がマイクスタンドに右手を添え、紫色の照明に照らされながら歌唱する姿は幻想的。疾走感あるサウンドと柔らかい歌声と共に丁寧に歌い上げた。続く「Care」では柔らかなゴールドの光に包まれ、伸びやかで強くて柔らかい声を響かせた。特にサビからは歌声に渋さが感じられた。赤西が花道を歩き出すとオーディエンスもペンライトを掲げて迎える。そして再び、イントロから悲鳴のような声があがった「Eternal」へと続いた。後方から一本のブルーの光が赤西を照らし、センターステージが上昇。冒頭から制作順に楽曲を披露し、当時の記憶が走馬灯のごとく蘇るようなステージで魅了した。

 深くお辞儀をした赤西。「独立して10周年ということで、独立前の曲から振り返って、僕の曲の進化と退化をご堪能していただければ」と自虐を交えながらも、「最後まで楽しんでいってください」と挨拶。会場は笑いと拍手に溢れ、「ジン!」と彼の名も飛び交っていた。

 「じゃあいくよ」と赤西の掛け声と共に「LOVEJUICE」へ。衣装も黒のノーカラージャケットのセットアップから、体が泳ぐようなストライプのオーバーシャツへとチェンジ。ダンサブルなステージにオーディエンスを誘う。スモーキーでラテンの雰囲気が漂う「Wonder」。続く「TIPSY LOVE」ではコールアンドレスポンスも交え、オーディエンスのペンライトの揺れも激しさを増していく。「Hey What's Up?」ではカラフルな照明も相まって会場のボルテージはさらに増していった。

 衣装もブラックのシアーシャツへと変わり、布をなびかせるように花道を歩く。ハイセンスなグラフィックと、楽曲の世界観をさらに盛り立てる照明に照らされながら、透明感のある歌声と色褪せない楽曲の数々。赤西のセンスでオーディエンスを圧倒した。再びイントロから歓声が上がった「Sun Burns Down」、「アイナルホウエ」と、高まり続ける熱気に包まれ、前半では12曲を披露した。

 歌い終えた赤西が「しんどい……」とこぼすと、「ジンちゃん!」と励ますファンの声が飛び交う。「振り間違えたしー」と笑いを交えながら、改めてライブ構成を説明。「最初の3曲、前からファンでいてくれてる人からしたらあそこで終わりだよね。何回『今日はありがとう』って言おうと思ったことか」と冗談交じりに語る。ステージと花道をつなぐ階段の2段目にちょこんと座り、ファンとの対話を楽しんでいた。「飲んでいい?」と赤西がお酒を手にするとファンも「乾杯!」と声をかける。赤西の「10周年おめでとうございます」の言葉に合わせて、ファンもビールグラス型のペンライトを高々と掲げていた。

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