日向坂46のラジオ番組『ローソン presents 日向坂46のほっとひといき！』（TOKYO FM）に不定期で櫻坂46メンバーがゲスト出演している。この番組を通して初めて共演し、意外な相性の良さを発揮する組み合わせも多いことから、メンバーの新たな一面を堪能できるのも同番組の魅力だろう。

　まず、日向坂・加藤史帆が代打パーソナリティを務め、櫻坂・田村保乃をゲストに迎えた2022年8月12日の放送回は、双方のファンの間で伝説回との呼び声も高い。加藤の容赦ない“かとし節”のマシンガントークやおかしなツッコミに対し、普段は大人しく穏やかな田村が大きなリアクションで受け止めるという絶妙なコンビネーションを見せ、笑いと癒しの絶えない回となった。特に、櫻坂ではここまで“攻め込んでくる”先輩メンバーがいないだけに、これまであまり見せてこなかった田村の後輩力が発揮されたのは貴重だろう。とにかく田村と友達になりたい加藤の愛が実り、一緒に遊びに行くほど仲良しになったことが後日談でも語られている。

　今年2月17日の放送回に出演した、日向坂・潮紗理菜と櫻坂・大園玲も意外な相性の良さを見せた。当時、レギュラーパーソナリティを務めていた影山優佳のスケジュールの都合により、急きょ代打を務めた潮。面と向かって話をするのは初めてという2人だが、バラエティ番組では受け身で控えめな印象の大園が、潮を「さり姉」と呼んだり、潮のトークに声に出して笑ったりと、先輩を立てながら積極的に盛り上げた。『日向坂で会いましょう』（テレビ東京系）で天然の殿堂入りを果たすほどピュアな人柄を持つ潮とのコンビだからこそ、大園の新たな魅力が引き出されたとも言えるだろう。また、メンバーからの遊びの誘いを断りがちなこと、UFOを目撃したことなど、互いの共通点も語られ、意気投合した2人。一緒にどこかに遊びに行こうと約束をしていたが、誘いを断りがちな2人だけにどうなったのかは分からない。他の番組でも共演が見たい癒し系コンビだ。

　そして、6月23日放送の最新回に登場したのは、日向坂・富田鈴花とゲストの櫻坂・武元唯衣。両グループでバラエティを盛り上げる役目を担う2人だが、“負け顔が似合う玉砕タイプ”というのも共通した立ち位置である。なかでも武元が、バラエティ番組に出演する際に意識していることなどを質問して、「構えすぎないこと」だと富田が答えたり、また、「本当はボケなのに、グループにボケが多いのでツッコミをやらざるを得ない」と武元が嘆くと、「テレビで見てる一面だけじゃないですよね、アイドルって」と富田が語る場面は印象深かった。富田自身、バラエティ番組での姿勢に悩んでいたのはファンなら知るところで、以前『あちこちオードリー』（テレビ東京系）に出演した際にも、オードリーに真剣に相談し、若林正恭から「富田は全体の進行の邪魔をすればいいだけの人だから、入ってくるだけでいいのよ」とアドバイスを送られ、それ以降、バラエティでのスタイルが確立。若林の教えが「構えすぎないこと」という答えに繋がっている部分もあるだろうが、そうした悩みを共有し合えるという意味でも、富田と武元の間には特別な絆が芽生えたことだろう。番組内では「向井長田のくるま温泉ちゃんねる」の話で盛り上がり、お互いのグループのYouTubeチャンネルでコラボすることを約束した2人。仕事に対して一生懸命で、真面目な一面を持ち合わせているからこそ、波長が合っているのかもしれない。