春ねむり、新曲「Wrecked」リリース 「入管難民法改正案」を受け急遽制作
春ねむりが、6月28日に新曲「Wrecked」を配信リリースした。
今回リリースされた新曲は、外国人の収容、送還のルールを見直す「入管難民法改正案」が2023年6月9日、参院法務委員会で自民、公明、日本維新の会などの賛成多数により可決、成立したことを受け、抗議の意を込めて制作された。
春ねむりはUKツアーで滞在していたロンドンで制作を開始。楽曲は1日で書き上げ、そのままロンドンにてレコーディングを行い完成した。〈船が沈むのはいのちの重さのせいじゃなくて/船そのものが腐っているから〉という歌詞にも見て取れるように、体制や権力の腐敗を強く訴えている。
また、曲名の「Wrecked」とは、「疲れてくたびれた」「難破/遭難した」という意味で、この現状に辟易としている感情が、そのまま音楽へと落とし込まれている。
なお、春ねむりは7月1日に東京・恵比寿リキッドルームにて最新アルバム『春火燎原』のツアーファイナルを開催。ゲストとして神聖かまってちゃんが出演する。チケットは現在各プレイガイドにて発売中。なお、本公演の18歳以下はチケット料金が無料となる。
春ねむりによるステートメント
春ねむりの春火燎原ツアーファイナル、東京公演は18歳以下のチケット料金が無料です。
音楽を含む芸術というものに触れられる機会が、その人の生育環境、身体や精神の事情や、所有する資本の程度に関係なく、平等であるべきだ。
わたしはずっとそう思っています。ですが、残念ながら現在の世界では、その機会が平等に開かれているとは言い難い状況にあります。
これは大変悲しく貧しいことです。ただ素晴らしいと思う作品をつくり、ライブをし、自分の音楽を必要としている人に受け取ってもらいたい。
そうして音楽という文化そのものがより豊かになっていけばいい。そう願うときに、さまざまな社会的要因で、そこから取りこぼされるひとたちが居るということだからです。家庭や保護者という環境を選択することがほぼ不可能な子どもたちにとっては特に、これらは大変重要な課題であると、大人と言われる年齢になったわたしは考えています。
ティーンネイジャーのときにこんな音楽が存在していてほしかった。春ねむりというのは、わたしにとってそういう音楽です。
あのとき抱きしめてもらえなかった自分、一度切った皮膚からは消えない傷痕、自らの暴力性に耐えかねて傷つけた人、そのすべてが、今から何をしても、どれだけ幸福になっても、どれだけ善い行いをしても、もう二度と報われることはない。
それが人間の人生だとわたしは思います。その不可逆性を噛み締めながら、それでもできることは、そのときの自分が切実に必要としていたものをつくること、そしていままさにそれを必要としているひとに届くよう最善を尽くすことではないかと信じてここまでやってきました。
以上の経緯から、今回のライブは、スタッフのみなさんとも話し合い、東京公演の18歳以下のチケット代金を無料にしました。
これをすることができるのは、チケットが有料である19歳以上の観客の存在に他なりません。大変感謝しています。
ひとりのミュージシャンとして、音楽を「つくる」ことの文化的な側面と、音楽を「売る」との経済的な側面との間で、絶えず揺れ、引き裂かれ、矛盾を抱えながら、それでもその時々で真剣に考えて選択し、自分が素晴らしいと思う作品をつくり、ライブをしています。
7月1日の恵比寿LIQUDDROOMで、あなたたちひとりひとりと出会えることを楽しみにしています。
■リリース情報
春ねむり デジタルシングル「Wrecked」
2023年6月28日(水)配信リリース
URL:https://lnk.to/wrecked_haru
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