EXILE THE SECOND、5年ぶりツアー『Twilight Cinema』ファイナル徹底レポ 表情豊かなパフォーマンスで届けた再会の喜び

 鳥のさえずりや花火、虫の音や風音といった四季折々の音色が連れてきたのは、“Chapter3 Seasons”。自身のナレーションと共に登場したTETSUYAは、雅やかな琴のフレーズを纏いながら、手に持った白いバラを愛おしそうに見つめている。次の瞬間、SHOKICHIの歌声で世界がパッと華やぎ、「花鳥風月」がステージを春色に染めた。そうかと思えば、“許されざる恋”を描いたエキゾチックな「アカシア」では、燃え上がる愛を思わせる鮮やかな赤が5人を照らす。椅子に腰かけながら踊るパートも見どころで、5人の息の合った足さばきには、客席だけでなく、カメラの向こうからも熱っぽい視線が送られたことだろう。さらに、このブロックにはTETSUYAのソロパートも用意されており、怪盗を探しているかのような雰囲気でスポットライトが各所を照らしていくと、ステージ上に黒のハットを被ったTETSUYAを発見。得意のタップダンスで手拍子を煽ったり、床を手で叩きながら「全国のセカ友のみなさん、届いてますかー!」と叫んだり、両手でハートを作ったりと、ユーモア溢れるコミュニケーションで観客と心を通わせていく。しかし、再びライブパートに戻ると、すぐさま楽曲の世界観に入り込むからさすがだ。白い布やジャケットを用いたダンスで魅了した「Dirty Secret」の後には、彼が白いバラの花束をステージに置く演出で、春・夏・秋……と燃え上がった恋の終わりを知らせた。そんな別れのワンシーンに寄り添うのは、SHOKICHIが手掛けたラブバラード「カゲロウ」。同曲は彼のソロワーク再始動を告げる1曲でもあり、アコースティックギターを手に現れたSHOKICHIは、観客が叫ぶ自分の名前をにこやかに受け取ると、意を決したように歌い始めた。別れた相手に対する〈誰かがくれた花束で笑ってる〉という切ない描写が、ステージに残された花束と重なる。それでも、別れがあれば、新たな出会いもある。最後には前を見据えて〈涙ののちには晴れだろう〉と歌い上げ、晴れやかな気持ちでChapter3を締め括った。

 続いてのブロックは、ウェディングベルが厳かに響く中、NESMITHのナレーションがエスコートした“Chapter4 Love is Over”。白のセットアップ衣装のNESMITHが歌う「Beautiful Angel」(ピアノアレンジ)は新郎から新婦への愛の言葉のようで、彼の人柄を物語る愛情深い歌声が、じんわりと身体に染み渡った。歌い終えたNESMITHはSHOKICHIと共にツアーを振り返ると、声出し緩和に続き、観客のマスク着用も任意になったことを受けて「久しぶりに僕たちも、皆さんの表情を見ながらライブができています。これ、結構すごいことなんですよ!」と満面の笑みで語る。加えて、本ツアーを完走するのに欠かせなかった大切な存在として、頼もしいバンドメンバーのゴトウカツオミ(Ba)、FUYU(Dr)、AssH(Gt)、MAKO-T(Key)を紹介。極上のアンサンブルのもと、もっと傍にいきたいという願いを「Missing You」に込めて、メンバーは客席に手を伸ばした。

 SHOKICHIが「この旅はまだまだ続いていきます! 一緒に歩いていきましょう、この道を!」と叫ぶと、早くも“Chapter5 Feel Alive”へ。5年前のツアータイトルにもなっていたロックチューン「Route 66」で加速した5人は、そのままの勢いで「Step into my party」を携え、アリーナエリアに駆け出した。心からの笑顔を向けながら、各所に手を振るAKIRA。かつてないほど近距離で客席を練り歩くメンバーに、客席の至るところから黄色い声が上がった。

 嬉しいサプライズにひとしきり盛り上がった後、ステージにはケンチが登場。今年小説家デビューした彼は、タイプライターを打ちながら、来場者に向けた手紙を読み上げる。「僕がリリースした小説『パーマネント・ブルー』は読んでくれたかな?」と問いかけるケンチの横で、バンドのムードメーカーのゴトウが著書を読んでいるというボケには笑いが起こった。とはいえ、リーダーであるケンチの言葉はいつだって誠実で、EXILE THE SECONDの未来を明るく照らしてくれる。

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