『セーラームーン』がアーティストに与える影響 ミーガン・ジー・スタリオン、ホールジー、ビリー・アイリッシュらも夢中に

 武内直子の人気コミックを原作とした『美少女戦士セーラームーン』シリーズの最終章を描く『美少女戦士セーラームーンCosmos』の前編が現在、劇場公開中だ。1992年に第1シリーズの放送が始まって以来、美しい変身シーン、かわいい衣装やステッキなどに魅了され、「セーラームーンになりたい」と夢を抱いていた人は少なくないだろう。

 『セーラームーン』は、セーラームーンに変身する月野うさぎをはじめとした魅力的なキャラクターの存在、少女がヒーローとなる世界観に加え、輪廻転生やSF、学園ロマンスなど、一つの物語の中にあらゆる要素が詰め込まれていたことで多くのファンを獲得してきた。『セーラームーン』と共に過ごした子供たちは、大人になった今もなお作品を応援しており、SNS上にはコラボグッズ購入の話題や作品に言及する声が溢れている。さらに平成の懐かしいカルチャーを振り返るレトロブームや、2000年代の流行を取り入れるY2Kファッションなどのトレンドもあり、平成を代表するアニメである『セーラームーン』はますます注目度を高めている。

 『セーラームーン』に夢中なのは日本人にとどまらない。世界各国でアニメの放送が始まった90年代半ば以降はイタリアや北米でも人気を獲得してきた。こうした背景から、海外アーティストも『セーラームーン』には高い注目を示し、それぞれがファッションやクリエイティブのインスピレーションとしている。ミーガン・ジー・スタリオンは『SUMMER SONIC 2022』のステージにセーラームーン風の衣装で出演。ホールジーは『セーラームーン』のキャラクター・ちびうさがお気に入りのようで、ちびうさ風のコスチューム姿を披露したことも。2022年のハロウィンにはパリス・ヒルトンがセーラームーンの仮装をしたほか、ビリー・アイリッシュやポスト・マローンはセーラームーンがプリントされた衣装で幾度もメディアの前に登場してきた。

 
 
 
 
 
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 『セーラームーン』にインスピレーションを受けるのは日常の一コマだけではない。ドージャ・キャットは2020年に発表した「Like That」のMVに、『セーラームーン』を彷彿とさせる変身シーンや、惑星のモチーフ、2Dアニメーションのハートなど作品を想起させるエッセンスをふんだんに取り入れたことで話題となった。

Doja Cat - Like That (Official Video) ft. Gucci Mane

 また、かねてから日本好きを公言するデュア・リパは2021年に「Levitating」のMVで日本の80〜90sアニメーションをオマージュした。このMVは日本のアニメーション・チームNOSTALOOKが制作している。近年のYouTubeやテレビ画面のアスペクト比が9:16なのに対し、『セーラームーン』放送当時の映像が4:3だったことを受けてか、「Levitating」のMVも4:3で制作されている。ドージャ・キャット同様、『セーラームーン』の象徴的シーンである変身シーンもオマージュされているが、普通の中学生が美少女戦士になるという『セーラームーン』のコンセプトは、アーティストたちのオン/オフの顔と重なりインスパイアの元となっているようだ。

Dua Lipa - Levitating (Official Animated Music Video)

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