NARLOWの7人が迎えた記念すべきお披露目の瞬間 我儘ラキア、豆柴の大群、iLiFE!ら9組が相まみえた『AN FES』のステージ
そして、本イベントもいよいよ大詰め。最後のステージを務めるのは、もちろんメインアクトたるNARLOWだ。舞台が暗転すると、フロアからは期待に満ちたざわめきと歓声が巻き起こった。繊細なピアノの高速アルペジオが焦燥感をかき立てるようなインストナンバーが場内に鳴り響き、スクリーンにはオープニングムービーが映し出される。それらに導かれるように、フードを目深にかぶったNARLOWのメンバーたちが1人ずつゆっくりとステージに姿を現した。
全員が位置につくと、中央に陣取ったパンがおもむろに歌い始める。エレキギターのバッキングに乗せて〈大丈夫 キミの味方だって何度も背中刺されて/優しい言葉はもううんざりだ〉とのフレーズが紡がれ、それに続いてバンドはアグレッシブなイントロに突入。煮えたぎる感情をすべて塗り込めたかのような声でイケダが「いくぞ、ヨコハマー!」と絶叫すると、繊細かつ攻撃的なアッパーチューン「ぜんぶ嘘じゃん。」でNARLOWの記念すべき初ステージが幕を開けた。舞台狭しと繰り広げられる7人の統制の取れたダンスパフォーマンスと、体重の乗った言葉で歌われるボーカル表現に対し、客席は惜しみない歓声で応える。
さらに「#この人生はフィクションであり実在の人物や団体などとは関係ありません」「それを優しさと呼ぶならば」といったエッジィなギターロックテイストのレパートリーを立て続けに投下し、問答無用のセットリストでオーディエンスを圧倒。楽曲制作を手がけるプロデューサーのANCHORが本プロジェクト発足時に語っていた「人が弱っているときに本当に欲しい言葉というのはキレイな言葉ではなく、むき出しの原石みたいな言葉。そういう歌を作っていきたい」(※1)とのコメント通り、社会と自分の双方に牙をむくような悲痛な言葉の数々が次々に7人の口から発せられていく。スクリーンの映像に歌詞が逐一表示される演出も奏功して、聴衆は楽曲に込められたとげとげしい情念を余すことなく浴びせられ続けることとなった。
そしてややミディアムな「大人に為ってしまった行儀良いわたしへ」を挟み、唯一の既発曲であるラストナンバー「こんな世界に為ろうと」に至るまで、約25分間のステージをノンストップで駆け抜けた彼女たち。最後にパンの発する「私たちがNARLOWです!」をきっかけに7人全員で「よろしくお願いします!」と挨拶した以外にはMCらしいMCもなく、この日の横浜を通過した台風よろしく嵐のように舞台をあとにした。フロアに立ち尽くすオーディエンスたちは、得体の知れない強烈な印象だけを胸に呆然とするほかなかったことだろう。
こうしてついにベールを脱いだNARLOW。隅々にまで明確な意志が反映された彼女たちのステージを目撃した者は、もれなく何かを感じ取ったはずだ。次回以降のライブ出演も続々決まっており、7月4日には早くも初の単独公演が開催されることも発表された。詳細は追ってアナウンスされるので、気になるファンは続報をお見逃しなく。
※1:https://realsound.jp/2023/03/post-1276012.html
■ライブ情報
NARLOW 不定期単独公演
7月4日(火)WOMB LIVE
OPEN18:15/START19:00
料金 ※各+1D
・優先チケット ¥5,000
・一般チケット ¥3,000
先行抽選
6月3日(土)18:00~6月12日(月)23:59 ※クレカ決済のみ
一般販売
6月16日(金)21:00~
お問い合わせ先
https://ticketvillage.jp/contact