『まんが日本昔ばなし』をSpeciaL 和田優希、NGT48 小越春花らが舞台化 『伝説・桃太郎~鬼の絆~』ゲネプロレポート

『伝説・桃太郎~鬼の絆~』ゲネプロレポ

 TVアニメ『まんが日本昔ばなし』(TBS系)を舞台化した、『まんが日本昔ばなし 舞台版「伝説・桃太郎~鬼の絆~」』の公開ゲネプロが6月7日、東京・有楽町のヒューリックホール東京で行なわれた。誕生からおよそ50年を経た国民的アニメをベースに、日本で最もよく知られたお伽噺「桃太郎」を題材として上演される本作品。主演を和田優希(SpeciaL/ジャニーズJr.)が務めるほか、大和悠河、小西貴大、花園直道、小越春花(NGT48)、田代大悟、石井智也、谷田ラナ、黒田こらん、門戸竜二、さらに特別出演として松原智恵子、片岡鶴太郎が参加、多様なバックグラウンドをもつキャストが顔を揃えた。

 多くの人々にとって親しみのある『まんが日本昔ばなし』のオープニングテーマをはじめ、随所に映像も用いながら進行するこの公演では、時に設定をスムーズに伝えるイントロダクションとして、時に舞台上のキャストたちの芝居と融合しながら世界を作り上げる装置として、スクリーンに映写されたアニメーションが効果的に役割を果たしていく。

小越春花
小越春花

 川上から流れてきた桃から生まれ、おじいさんとおばあさんに育てられた桃太郎(和田優希)は、犬次郎(小西貴大)、猿吉(花園直道)、キジ姫(小越春花)ら動物たちと心を通わせながら日々を送るうちに、鬼が人里でやりたい放題に暴れていることを知り、鬼退治に向かうことを決意する。冒頭の初登場シーンから若きヒーロー然とした振る舞いをみせる和田の桃太郎に、立ち回りを得意とする花園の猿吉、その猿吉の受け役のような立場でコンビを組む小西の犬次郎、そして喧嘩しがちな犬猿2匹を手際よく捌き、啖呵を切る姿も鮮やかな小越のキジ姫。四者がそれぞれに個性を見せながら、鬼退治へ向かうパーティーとしての絆を表現する。

門戸竜二
門戸竜二

 かたや、鬼子母神・羽衣(大和悠河)と鬼・温羅(門戸竜二)、さらに配下の赤鬼(田代大悟)・青鬼(石井智也)ら、鬼たちの側にもまた、相応の論理があり大義がある。正義や欲望のあり方もまた単純ではない。鬼子母神や桃太郎はそれぞれに思索し、二人の内なる存在として立ち現れる妖っ子(谷田ラナ)の投げかける言葉とともに、己自身のあり方にも思いを巡らせていく。そして、桃太郎が鬼ヶ島に踏み入り鬼たちと対峙するとき、両者のさらなる因縁も明らかになる。

谷田ラナ
谷田ラナ

 一方、この作品はまた、イザナギ(片岡鶴太郎)とイザナミ(松原智恵子)のエピソードも挿入されながら進行する。桃太郎一行や鬼たちの動的な趣きとは対照的に、長いキャリアをもつ片岡・松原によって演じられる二神は静謐な空気を生み出し、異なる世界に存在する者たちであることを明確に伝える。イザナギが自らの思いをこの桃太郎の物語に託したと語るように、「桃太郎」パートと「イザナギ・イザナミ」パートは、どこか呼応するように進んでいく。やがて、黄泉醜女である巫女・みやび(黒田こらん)の訪れとともに二神にも変化が訪れ、同時に双方の物語はさらにクロスオーバーしていく。

 昔ばなしや神話を繋いで立体的な物語に仕立てつつ、ともに生きる人々同士の絆にクローズアップした『まんが日本昔ばなし 舞台版「伝説・桃太郎~鬼の絆~」』。誰もが知るストーリーを骨格にしながら、馴染み深い登場人物たちの関係性を新鮮に描き直し、主題を明快にした舞台になっている。

 本編終演後にはキャストを代表して主演の和田が挨拶をし、「不思議とそんなに緊張はなく、自分が和田優希だということもしばらく忘れていたくらい、まっすぐやることができた」「この気持ちをスタートラインだと思って、最終日までどんどん伸び続けられるように、僕たち一同頑張っていきたい」と意気込みを語り、公開ゲネプロは幕を閉じた。公演は6月11日まで、ヒューリックホール東京で行なわれる。

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