FANTASTICS、亀田誠治プロデュース曲がバイラル首位に ヒットの鍵は“全国のファンと分かち合った感動”

 Spotifyの「Daily Viral Songs(Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの4月26日付のTOP10は以下の通り(※1)。

1位:FANTASTICS「PANORAMA JET」
2位:Aiobahn feat. KOTOKO「INTERNET YAMERO」
3位:millennium parade × 椎名林檎「W●RK」
4位:カラフルピーチ「On-party!」
5位:JISOO「FLOWER」
6位:紗倉ひびき(CV:ファイルーズあい)、街雄鳴造(CV:石川界人)「お願いマッスル」
7位:JO1「Tiger」
8位:Lucky Kilimanjaro「Burning Friday Night」
9位:新しい学校のリーダーズ「オトナブルー」
10位:MAZZEL「MISSION」

 今週は1位となったFANTASTICS「PANORAMA JET」をピックアップする。

 同曲は亀田誠治がサウンドプロデュース、佐藤可士和がグラフィックデザインを手がけるスペシャルプロジェクト“FAN FAN三部作”第3弾シングルで、サウンドプロデュースには亀田に加え、MATZが参加している。2月15日から開催中の全21カ所21公演の全国ホールツアー『FANTASTICS LIVE TOUR 2023 “FAN FAN JUMP”』のテーマソングとして2月10日に先行配信がスタートし、ツアーファイナルを前に、4月19日にシングル盤としてもリリースされた。

 「PANORAMA JET」のデイリーバイラルチャートのアクションを追いかけると、他の楽曲とは異なるパターンで1位に到達していることがわかる。100位以内に初めてランクインしたのが4月3日。4月9日に23位を記録したが、一度100位圏外へ。4月19日に100位以内に再登場すると、4月20日は前日より55位も順位を上げた。4月21日には17位、22日にはトップテン入りを果たして7位にランクインすると、以降数日2位をキープし、4月24日にはついに首位に到達した。

 初ランクインからの初動は、メンバーサイン入り非売品ポスターが抽選で当たるというSpotifyでのTwitterシェアキャンペーンが影響しているだろう。再登場以降の動向は、各地でのリリースイベントがアクションに表れた結果だと思う。驚くのは、このイベントのスケジュールが開催直前に発表され、さらに随時追加されていったことだ。出演メンバーの人数がフレキシブルなこと、ファンの瞬発力と行動力があるからこそ成立する開催スタイルと言ってもいいだろう。FANTASTICSとファン、相互のフットワークの軽さを最大限に活かしたアクションがバイラルチャートを動かしたのである。『FANTASTICS LIVE TOUR 2023 “FAN FAN JUMP”』と並行して、全国各地に足を運び、直接パフォーマンスを見せ、観客の心を動かし、その感動をSNSでシェアしてもらう。この草の根と拡散の両方がうまく作用したからこそ、「PANORAMA JET」はバイラルチャートの1位に輝いたのだ。まさにFANTASTICSとファンが一体となって獲得したチャート1位と言える。

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