『あんさんぶるスターズ!!』オルタードとfine-Oが紡ぐ物語 細かな演出で示す過去の絆と新しい歩みの肯定

 アイドルプロデュースゲームアプリ『あんさんぶるスターズ!!』(以下、あんスタ)の最新楽曲、オルタード「Twilight Pentagram」とfine-O「Dawning Angels」が話題だ。公式YouTubeチャンネルで4月12日にゲームサイズのMVが公開されて以来、ハイスピードで再生数を伸ばしている。

 今回の楽曲は、ゲーム内イベント『Origin★星空を歌うAltered』に伴うもので、かつてfineとして活動していた青葉つむぎ、巴日和、乱凪砂、天祥院英智によるfine-Oと、五奇人と呼ばれた朔間零、深海奏汰、日々樹渉、斎宮宗、逆先夏目という5人の天才によるユニット・オルタードが、再び対決する”OO(ダブルオー)”なる舞台のために発表された楽曲だ。

第1話「Wizard Memory」 - あんさんぶるスターズ!!追憶セレクション「エレメント」

 現在、この五奇人とfineの過去を描いたアニメ「追憶セレクション『エレメント』」がYouTubeで配信されていることもあり、ファンにとって彼らの物語はあらためて鮮烈なものとなっている。同アニメにつながる今回のイベントストーリーや楽曲が大きな話題となったのも当然と言えるだろう。

 しかし、ただ話題性がある楽曲というだけでは、ここまでの支持は得られない。音楽的にもパフォーマンス的にも、キャラクターとストーリーに沿ったものであり、『あんスタ』らしく細部までこだわりが見られるからこそ、ファンの熱狂を呼んだのではないだろうか。

 多数のアイドルの中で、臨時ユニットやシャッフルユニットが組まれることは多々あること。『あんスタ』も例外ではなく、50人以上という人数がいるからこそ、無限の組み合わせと可能性がある。特に今回は、前述のとおり重要なストーリーに沿ったユニットだからこそ特別な化学反応が生まれ、現在の輝きをあらためて示した楽曲となっている。

オルタード「Twilight Pentagram」 あんさんぶるスターズ!! Music ゲームサイズMV

 強烈な個性と実力を持ったバラバラな5人が集ったオルタード。朔間の妖艶な表情から始まるMVは、ユニットから滲み出る絶対的な自信を感じさせる。一人ひとりの表現にスポットライトを当てながら、同じ振り付けでも強い個が前面に出ているのが特徴的だ。

 かつて五奇人と呼ばれ畏怖された彼らのスケールの大きさを感じさせる、幻想的なステージ。妖しさを含みつつ、スマートでスタイリッシュなアレンジが楽曲を軽やかで楽しいものにしている。5人の特徴的な声質をいかし、タペストリーのようにメロディを織り込んでいく様子が心地よい。自由を愛する5人のキャラクターに沿って、自由闊達にメロディを行き来する彼らの歌声がオルタードをひとつのユニットたらしめているといえるだろう。

 なによりも5人がこのステージを楽しんでいるのが、映像の要所要所から伝わるよう工夫されているのが何とも言えず粋である。目を合わせ、笑顔を見せ、変わらない友情によって繰り広げられる特別な瞬間を心から喜んでいるように見えるのだ。

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