Ken Yokoyamaが取り戻したバンドとしての実感 シングル『Better Left Unsaid』リリースまでのストーリー

ライブの凄さをツアーを通じて実感してる

一一はい。真面目な話のあと、カップリング「Whatcha Gonna Do」についてお聞きします(笑)。

Ken:なんで笑うんだろう? これすごく真面目な曲だよ?

一一ふふふ、孤独についての真面目な曲。原曲はWANIMAにプレゼントした下ネタの日本語ですけど、よくこの歌詞に着地しましたね。

Minami:えっとね、元の日本語の歌詞があって、「なんでもいいから英語にして」って言われたんですよ。

Ken:そう。Minamiちゃんに丸投げしたの(笑)。元の日本語、WANIMAが歌ってる冒頭のところを書いたのは俺だけど、そのあとKENTAが言葉をさらに加えて、レコーディングして、インターネットにアップして。要するに俺とKENTAの共作曲を、またKen Yokoyamaでセルフカバーしようってことで。それでMinamiちゃんに「これ、英語にして」って丸投げ。

Minami:原曲の言葉がすごく強烈じゃないですか。これを普通に英訳にしても、それをレゲエでKen Bandがやったところで何も面白くない気がして。「KenさんとKENTA、なんで俺を巻き込むんだ?」と思いながら。

Ken:(笑)!

Minami:Kenさんから歌詞をもらったら3〜4日くらいで叩き台は作れるんだけど。でもこれは2週間くらい手ぇつけらんなかった。何していいのか本当にわかんない(笑)。いろいろ語呂のいい言葉も考えたけど全然上手くいかなくて。「もう……日本語で歌えばいいじゃん」ってずっと思ってた。

一同:(笑)!

Minami:出だしの言葉も強烈すぎるし、でもこれが聴こえなかったらこの曲の意味もないし。で、練習の休憩時間にポロッと「そういうふうに聴こえる英語にすれば面白いかもね」ってKenさんが言ったのかな。それで方向性がようやく決まって。決まったはいいけど、そこからもすごく時間がかかった。

一一本当に労作だと思います。いいアクセントになるレゲエの曲調でもあって。

Ken:うん。この曲嫌いな人っていないと思うんだよなぁ。

一一これもみんなのシンガロングを望みます?

Ken:いや、むしろじっくり聴いてほしい(笑)。一行目の〈Think of〜〉とか、二行目の〈Man,Cause〜〉のとこ。これがもう最高で。人前でこんなにはっきり言えるなんて!

Minami:(苦笑)言ってるじゃないですか、いつもMCで。

EKKUN:言ってますね(笑)。

Ken:MCでは言うけど。僕がこの話をすると、中には本気で怒る人も本気で嫌がる人もいるわけで。でもこれはMCじゃなくてね、歌詞だから。もう逃げられねぇ。逃がさねぇぞって(笑)。

一一はい。そして、すでに発表されているのが5月20日、日比谷公園大音楽堂での『DEAD AT MEGA CITY』。久々の『DEAD AT〜』シリーズです。

Ken:うん。武道館以来になるのかな? 7年ぶりの『DEAD AT〜』。特別な会場でやる時はそのタイトルを冠したくなる。俺は野音でやるの初めてだけど、いい場所だっていうのは知ってるし、なんかすごく特別なものにしたいなぁって思いがあったから。それでこのタイトルをつけて。

Jun:この野音公演も、コロナでいろいろホールとかやってみる中で、椅子があるのも全然アリだなって思えたからで。

Ken:うん。お客さんもね、声さえ出せれば、あとは暴れるか暴れないかの差でしょ? ホールでやってる時も「これはこれで楽しいけど、あとはお客さんの声さえ聴ければなぁ」って常に思ってたから。

一一選曲はもう考えてますか?

Ken:「Whatcha Gonna Do」は絶対やる(笑)。今回のシングル2曲はやろうと思ってる。野音でみんなの声が聴こえたら嬉しい。

一一楽しみにしてます。最後にもうひとつだけ、ツアーの初日、F.A.DではHi-STANDARDの「The Sound of Secret Mind」も急遽やっていたとか。

Ken:はい。

一一その話も聞きたくて。恒岡章さんがいなくなってもハイスタを続けると決めた今、何かファンに言えることってありますか。

Ken:……いや、あんまりないかな。続けていくってことを俺とナンちゃんで決めたっていうだけ。みんな「これでハイスタなくなっちゃうのかな?」って心配してくれて。「ある」のか「ない」のか、好きでいてくれる人にとってはすごく大事なことだと思うし。だから「あるよ」ってことをまず僕らで決めて、それを心配してくれてる人たちに伝えてあげたかった。で、Ken Yokoyamaでハイスタの曲をやるのは、今に始まった話ではないし。

一一そうですね。

Ken:うん。ただなんか「STAY GOLD」は……やりたくないなっていう気が。

一一なんで「The Sound of Secret Mind」だったんですか?

Ken:レパートリーが2曲しかないの(笑)。「STAY GOLD」と「The Sound of Secret Mind」の2曲で、「STAY GOLD」はなんか……どういった心の動きなのか、このバンドで今やるのは違うなと思えてきちゃって。だから、消去法でやったっていう色気のない話なんだけど。でも俺がすごく好きな曲だから。

一一あと、みんなの心配って、ハイスタの存続だけじゃなくて、Kenさん大丈夫なのかな、ということでもあります。

Ken:あぁ。心配してもらって申し訳ないなって気持ち、ありがたいなって気持ちがまずあるかな。でも、案外大丈夫。

一一よかったです。

Ken:そりゃね、ものすごいショックだよね。Hi-STANDARDの3人の一人がいなくなっちゃうって……いつか来ることだと思ってはいたけど、こんな早く来るとは思わなかったのね。だから、理解をするのに……理解なんて一生できないのかもしれないけど、けっこう時間を要したし。ちょっと俺もしばらくテンションがおかしくなった。

一一今は、大丈夫ですか。

Ken:うん。すごく冷静にいつも通りのテンションで話せてる。そのね、今回のツアー、ライブハウスでライブをできたことも、実は自分を取り戻すのにすごく大きかったことで。大袈裟に聞こえるかもしれないけど「俺、生きてるぜ!」ってすごく感じた。だからこのツアー、楽しいのはもちろんだけど、すごく心地がいい。やれてよかった、生きてる、って感じ。

一一ライブって特別ですよね。全然当たり前のことじゃない。

Ken:そう。本当にそう思う。この凄さを俺はナメてたし、麻痺してたんだなって思う。それは今このツアーを通じて実感してること。

一一みなさん、今ツアーで感じていることをそれぞれ教えてくれますか? まずMinamiさん。

Minami:うーん……やっぱコロナになっていろいろがっかりさせられることも多かったんですね。自分はKEMURIを10年、Ken Bandはそれを上回るくらい長く続けてきて、ずっと音楽を中心にやってきたんだけど。でも意外と軽く離れていく人もいる。「エンタメ業界の認識ってこんなもんなんだ?」みたいな出来事がいっばいあって、不貞腐れてたわけじゃないけど、なんかちょっと今までとは違う気持ちでいたんですね。でも、規制の中でもライブをやり始めて、そこで初めてフラットになれたのかな。ただ自分が音楽をやれてるんだからそれでいいじゃんって。今もこのツアーを楽しくやれてますね。

一一Junさんはいかがですか?

Jun:コロナになってすぐの頃、俺は「いいじゃんそんなの。ライブも勝手にやっちゃえよ」って思ってたし、知り合いのバンドとかは平気でライブを続けてたんだけど。でも、なんだかんだ、Ken Bandクラスになると関わってくれる人もいっぱいいて、個人の判断では動けない。こっちが「やったるわ!」って言うだけではどうにもならないことが多くて、結局2020年は一本もライブやってないんですよ。で、2021年から少しずつ動けるようになって、でもそこでは取り戻せた実感はなくて。もちろんKenが言うように、新たにホールでやる楽しみは得たんだけど。でも今回ライブハウスでやってみて「あ、今ようやく取り戻せたんだ」っていうのをすごく感じてるところ。

一一よかったです。最後にEKKUN、お願いします。

EKKUN:えっと、まず自分が加入してからの曲たちを、ようやく本来の距離感でお客さんと共有できるようになった感じがして。そこにすごく興奮してますね。あの近さが心地いいんだなって。デカい会場でもお客さんのノリはわかるけど、さらに近い、ダイレクトにエネルギーが交換できる感じ。だからようやくホームというか、帰ってきた感はありますね。

【受注生産】Ken Yokoyama - New Single「Better Left Unsaid」Trailer

■リリース情報

『Better Left Unsaid』
・レーベル直販 / 完全受注生産
第2弾 受注受付期間
4月28日(金) 23:59まで
※5月15日(月)より順次発送開始予定
受注受付はこちら
http://pizzaofdeath.shop13.makeshop.jp/

『Better Left Unsaid』特設サイト
https://www.pizzaofdeath.com/ken4thsg/

■ライブ情報
『DEAD AT MEGA CITY』
5月20日(土)日比谷公園大音楽堂
詳細、他公演情報は以下
https://kenyokoyama.com/live/

Ken Yokoyama オフィシャルサイト
https://kenyokoyama.com/

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